創業当時のハンドチャーン


3月7日に札幌で開かれた「さっぽろまちづくりパートナー協定」の調印式で、
札幌で生まれた雪印メグミルク(株)と札幌市が産官相互の連携と協力を基盤に、
市民が主役のまちづくりに取り組むパートナーになることとなりました。

上の写真は、この調印式の会場に持ち込まれた手回しバターチャーン
(ハンドチャーン)です。
これは、バター作りを始めた創業当時に使用されていたもので、
現在は「酪農と乳の歴史館(平成16年に北海道遺産に、館内の史料は平成21年に国の近代化産業遺産に登録されています)」に展示されています。
ここには他にもいろいろな展示があり、無料の見学コースも整っています。

今回締結された協定のなかでは、
食の大切さと尊さを伝える食育も組み込まれています。
「食」とは私たちにとって大切なものなので、その素晴らしさを伝えていくことで、
今後さらなる消費につながると期待しています。

育成管理は非常に大事

Hさんが最近重要視しているのは、育成牛の管理です。
「育成牛の管理はとかく手を抜きがちになるが、乾乳牛の管理と同様に非常に大事。この二つがきちんとできれば、牛は必ず調子良く乳を出してくれる」と言います。

育成牛には現在、牧草サイレージ、コーンサイレージをベースとしたTMRを給与しています。
育成牛の栄養管理を見直したことで成長(増体)が早まり、12から13カ月で初回授精できるようになりました。
「この経済効果は大きい」とのことです。

写真手前の柵の高さは125cm、横の柵の高さは135cmで、それと比較しながら、Hさんは常に育成牛の体高をチェックしています。

ホル柄万歳!

十勝管内のフリーストールO牧場(経産牛100頭飼養)には心温まる光景があります。

O牧場では、3年前に牛舎を新築する際に、飼料会社と話し合い、
飼料タンクをホルスタイン柄にすることを決めたといい、
カッティングシールで見事に柄を表現しています。
地元の小学生が体験学習に来たときには興味をそそる存在となったそうです。

またO牧場にはこれ以外にも灯油タンクもホルスタイン柄にしており、
こちらはスプレーで描いたことで、驚くほどの被毛感を表しています。
まるで本物の毛並みを見ているような感覚を覚えます。

牛舎の途中でもう1種類のTMRを調製できる

十勝管内のO牧場(搾乳牛180頭)はフリーストール牛舎の左右で、泌乳前期群と泌乳中・後期群との2群に分けて栄養管理しています。
TMRはそれぞれの群に合わせた栄養設計をしていますが、その調製方法に、作業効率を考えた一工夫を施しています。

まずTMRミキサー(15立米)で、泌乳前期群分も含めた全頭分(180頭分)のTMRを、泌乳中・後期群用の栄養設計で調製します。
そして給飼通路に入って、泌乳中・後期群(牛舎片側の群)に給飼します。

その給飼が終わったらUターンするのですが、そこ(牛舎の逆入口)には配合飼料タンクからのオーガーが設置されています。
だから、その場で配合飼料を投入して再度ミキシング。
泌乳前期牛群用のTMRが、すぐにその場で調製できます。
そして、それを牛舎のもう片側の泌乳前期群に給飼しながら戻ります。

つまり、給飼途中でもう1種類のTMRを調製できるというものです。
こうしたことで、「配合飼料タンクに戻る手間が省けて作業効率が上がった」とOさんは言います。

ロールでも自動給餌

今週お邪魔した十勝管内A牧場(75頭繋ぎ)では
自動給餌機を使っての飼養管理を行なっています。
しかし、その自動給餌方法は一般的なものと少し違います。

A牧場では、ロールベールサイレージを自動で
1日8回給餌できるシステムになっています。
1日に使うロールベールサイレージ2個をセットしておけば、
後は自動で決められた時間にカットされ、
ベルトコンベアーで自動給餌機に投入されるようになっています。

このシステムにより省力化を図ることができ、
「経営寿命が延びた」とAさん(60歳)は言います。