光周期(light rhythm)

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冬至を過ぎ、これから徐々に日が長くなる「長日周期」なりますね。
「光」は、乳牛の生産性や繁殖性に影響することが知られています。
1日の日照時間と乳生産量には大きな関係があり、「短日周期」の季節には牛舎での点灯時刻を早め、長日条件にすることで乳量減少を抑制できることが知られています(「乳牛管理の基礎と応用」Dairy Japan刊)。

十勝管内の塚田牧場は、そうした「光周期(light rhythm)」をコントロールする照明システムを導入し、成果を上げています。
1日のうち16時間は明るく(150ルクス以上)、8時間は暗く(150ルクス以下)となるように自動制御しています。

このシステムを導入して、明らかに変わったこととして、塚田さんは以下をあげます。
1. 夕方の搾乳量が、朝の搾乳量よりも多くなった。
2. 繁殖が良くなった。
3. 牛達が気持ち良さそうに反芻するようになった。

そして、もう一つ、このシステムには想定外の効果があったそうです。
それは、「夜明けが遅い時期の朝、牛舎に行くときに、既に牛舎内が明るく点灯しているから、モチベーションがアップする」ということで、「明るいほうへ向かっていくのは気持ちがいい」と塚田さんは言います。

※詳細はDairy Japan 1月号をご覧ください。

今年もDairy Japan、そしてホームページ、Facebookをご覧いただき、誠にありがとうございました。
来年もまた、ご愛読のほど、お願い申し上げます。
皆様そして牛達にとって、来年が良い年になりますように!

改めて数字で見ると…

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12月16~18日、「オルテックデーリィスクール2013」が開催されました。
そこで、マイク・ハッチェンス氏(イリノイ大学名誉教授)が
「乾乳牛と未経産牛の飼養管理」について講演しました。

そのなかで、未経産牛の育成コストについて紹介されました。
これは今年、アメリカ・ウィスコンシン州で試算されたもので、
雌子牛が産まれてから、親牛になって乳生産開始するまでに、
1頭当たり約22万円のコストがかかっているというものです。

また、最適な乳牛の成長を達成して、最適月齢での分娩をすることができなければ、
そのぶん、育成コストが増えていくことになってしまいますね。
アメリカでは、23カ月齢に分娩することが、1番生産性が高いとされているとのことです。

こうして育成時期のトータルコストで、改めて数字を見ると、
乳生産を開始するまでの時期に、増体量含め、いかにうまく成長させるかが大切なのだと、
恥ずかしながら、再認識することができました。

これも一つの経験として、今後の記事作りに活かしていきたいと思います。

初めての共進会!

先月、第12回中部日本共進会に行ってきました!

 

私は共進会に行ったことが今までになく、写真でしか見たことがなかったため、実際にきれいに磨き上げられた牛達が歩いているのを見て、牛の魅力に圧倒されました。

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また、出品者の方、県酪の方、応援の方、皆が一つとなって共進会に挑んでいる姿が、とてもかっこよかったです。名誉賞に輝いた牛の出品者の方が嬉し泣きされているのを見たときは、胸が熱くなりました。

 

今回の共進会では、デーリィプリンセスをはじめ、日本獣医生命科学大学の学生達が大勢活躍していました。日獣大は私の母校であり、後輩達が活躍しているのを見て、とても嬉しく思いました。同時に自分も頑張ろうと改めて思わせてくれました。

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実際にその場にいないとわからないドラマをたくさん見ることができ、また久しぶりに母校でお世話になった先生、後輩達に会うことができ、そして何より、皆さんの牛に対する深い愛情を改めて感じ、とても充実した1日となりました♪

漏電は予想以上にある!

北海道乳質改善協議会(11月22日)の事例講演で、ある地区で、牛舎のアースと漏電の実態を調査したところ、44.3%の牛舎で異常があったことが報告された。
その異常の内訳は、接地不良22%、絶縁不良17%、漏電ブレーカーなし24%、漏電ブレーカー不良9%など。

では、どうしたら良いのか具体策として、松井克之氏(GEAオリオンファームテクノロジーズ 酪農機械事業部次長)が「漏電の現状と対策ならびに漏電計の使用方法」と題して講演し、専門家に依頼して浮遊電圧(迷走電流、漏電)を診断することを勧めた。

乾乳処置で「乳頭テーピング」は有効

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北海道乳質改善協議会(11月22日)の事例講演で、JA伊達市・酪農家の白土健一郎さん(経産牛42頭)は、「乳質の向上に向けた取り組みについて」と題し、この3年間で取り組んだ内容として、施設改善、搾乳機械の更新、搾乳方法の見直し、飼養管理などを紹介した。

その成果は、体細胞数14万、リニアスコア2以下が47%、リニアスコア新規5が8%となり、乳房炎が減り、分娩間隔は448日が417日、個体乳量は7519kgが1万262kgとなった。

また、乾乳処置において、乳頭テーピング(乳頭マーキングテープ)は有効であることを紹介した。

写真=指を乳頭に見立てて、乳頭テーピングの仕方を紹介する、白土牧場の後継者・成太郎さん