世界の乳の祭典

10月28日から11月1日まで開催されたワールドデイリーサミット2013を取材してきました。今年のサミットは60カ国から約2100名が参加し、過去最大の規模になりました。

アジアや中東、アフリカの一部といった新興国の旺盛な乳製品需要にグローバル企業が目を向け、新たなマーケットへの投資を行なう姿勢などが紹介されました。こうした新興国の動向や増大する人口問題を考えると、近い将来、乳をはじめとした食料の争奪戦が来ることが安易に想像できます。だからこそ、日本の酪農基盤は将来にわたって守られなければならないのだと改めて考えさせられました。

写真は3日目の夜に開かれた「酪農家が集う会食」の模様です。クルーズ船で横浜港をクルーズしながらの会食で、約450名の酪農乳業関係者が出席しました。

バンカーサイロの「天端コーティング」でシート破損防止

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「バンカーサイロの天端コーティングは、すごくいいよ」という話を聞いて、取材しました。
場所は十勝・新得町、開発・施工者は同町の岩野建設です。
今回の取材で、「天端(てんば=部材の上面のこと)」という建築用語、初めて知りました。

同社の担当所から、試行錯誤の様子を聞きました。
コーティング素材は、合成樹脂の一種で、透湿性(通気性)、弾力性のあるもの。
施工法は、天端の角をダイヤモンド刃のサンダーで丸く削り、接着剤の下塗りを2回行なった後に、この樹脂を中塗り、上塗りと2回施します。
天端の角だけでなく、上面全体に塗布します。
するとスベスベ面に仕上がり、これならシートが被さっても摩擦による破損は防げます。

ちなみに、素材の耐用年数は7年から10年を見込んでいます。
この施工法は実用新案権を得たそうです。

より詳しくはDairy Japan 12月号をご覧ください。

DIYの目的はモチベーションアップ

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「北海道酪農技術セミナー」が10月28・29日、帯広市で開催された。

講演の一つ、「朝霧メイプルファームのチャレンジと成果」では、同牧場(静岡県、400頭搾乳)に4年前に就農し、後継者であり、現場責任者である丸山純氏が、この4年間、農場を改善すべく三つのチャレンジに取り組んだこと内容を、ビデオ映像を交えて紹介した。
その三つとは「乳房炎をなくす」「蹄病をなくす」「周産期病を解決する」で、そこには「Do It Yourself(自分達でやる)」をキーワードとした。

乳房炎へのチャレンジでは、搾乳手順や処置のマニュアル化、オンファームカルチャーを行ない、年平均4.9%だった乳房炎罹患率を0.9%に制圧することに成功した。

蹄病へのチャレンジでは、女性1人でも削蹄できる高性能の枠場を導入し、グラインダーによる削蹄を習得し、積極的に技術を習得したことにより、蹄病由来の廃用は激減し、跛行を早期発見・早期処置できるようになった。

周産期病へのチャレンジでは、フレッシュ群を新設し、観察を強化、エサ喰い・体温・血液検査などに明確な処置基準を定め、それに準拠した管理を徹底したことにより、平均ピーク乳量が3kg以上アップし、第四胃変位や代謝病が減少した。

各チャレンジおいて「Do It Yourself」を基本方針としたことで、従業員の責任感、モチベーション、牧場全体の能力がアップし、その結果、1頭当たり平均日乳量約33kgが約37kgに上がり、日出荷乳量が4tアップしたことを報告した。
そして、「乳量を上げるためにどうするかではなく、従業員のモチベーションを上げるためにはどうするか、ということに取り組むことが重要であることを痛感した。その結果として乳量が上がるというのが理想的である」と語った。

カウガールスクールin北村牧場

 本誌の9月号でも取り上げました、愛知県知多郡の原田牧場でのカウガールスクール第2回目が先月行なわれ、その取材に行ってきました。

 

愛知県酪農農業協同組合は、今年度からカウガールスクールを始め、25年度はモデル的に県内の3牧場で行なっています(詳しくは本誌2013年9月号p.40をご覧ください)。

原田牧場を取材した翌日、西尾市の北村牧場でのカウガールスクールも見学させていただきましたので、紹介します。

 

北村牧場では地元の女子高生、岡田ゆりさんと鶴見ゆきこさんがカウガールとなり、参加していました。糞かき、エサやり、牛の観察等、一通りの作業を行ないました。

CIMG1259 - コピーそしてなんと、偶然分娩に立ち会え、子牛を引っ張り出す作業、初乳を搾る手伝い、初乳の哺乳体験ができました。カウガール達は命が誕生する瞬間に立ち会えて感動した様子でした。

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私も、生まれたばかりの子牛を母牛が一生懸命なめているのを見て、「お母さんおめでとう」という何とも言えない暖かい気持ちになりました。

 

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その後は場所を移してチーズを作り、近くのレストランで、作ったチーズを使用したサラダやパスタをいただきました。やはり手作り&できたてのチーズは美味しいですね。

 

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このカウガールスクールをとおして、すっかり酪農に魅了された様子の2人でした。

ぜひ、酪農の魅力をいろいろなところに発信していってほしいです。

 

 

以上、カウガールスクールin北村牧場でした!

原田牧場での第2回目カウガールスクールは、今月発売の11月号に掲載されています。ぜひご覧ください♪

健康な牛から良質な生乳を

日本乳房炎研究会の学術集会、シンポジウムで、北海道帯広市の中むら牧場・中村寿夫さんが「バルク乳体細胞数を3万個/mlに維持する酪農経営技術」を発表しました。
中村さんは昨年12月に、全頭全乳房出荷で体細胞数3万台を達成しました。
その達成に向けて、中村さんは施設改善、トンネル換気の最適化、搾乳衛生の徹底を始め、良質な粗飼料生産にもこだわったと言います。
そして、そのこだわりは、良質な堆肥生産をスタート地点に置きました。
土作り、草作り、牛作りの土台として良質な堆肥作りが欠かせないと言います。
健康な牛から、良質な生乳を搾るーーそれを究極の形で実現した中村さんの酪農への情熱に、思わず聞き入らざるを得ませんでした。