北海道NOSAIの家畜共済事業統計で、平成24年度年の子牛の死廃率を見ると、胎児死(子が死んで生まれる)が61%、新生児死(生まれたときは生きていたが、その後に死亡)が5%、腸炎が10%、肺炎が5%、奇形が2%などであり、いわゆる分娩事故が約66%を占めています。
このことから、乳牛生命のスタートとなる「お産」に、大きな危険が潜んでいることがわかります。
帯広畜産大学・臨床獣医学研究部門の石井三都夫准教授は、「分娩事故率〔(胎児死+新生児死)/分娩数〕が5%を超える農場の分娩管理には問題がある」と言い、その多くは難産であると指摘しています。
そして難産の原因は、産道の狭小、胎子過大、胎子失位、子宮捻転などであることから、以下に注意することを強調しています。
・寝起きのしやすい分娩房。
・しっかり分娩監視する。
・早すぎる交配は避ける。
・自然分娩を心がける(早すぎる助産をしない)。
・第2破水から初産で2時間、経産で1時間待ってから介助する。
・過度の牽引はしない。
※写真は3月18日付けDJニュースで既報「十勝酪農フォーラム2014」での石井三都夫准教授。
※関連:電子書籍「分娩事故を防ぐためのポイント」石井三都夫著、Dairy Japan 刊