「スマート」酪農

来週発刊 Dairy Japan 6月号のルポ特集テーマは「スマート酪農で生産性向上を狙う」です。
「スマート」と聞くと「痩せている」を連想しがちですが、これは和製英語で、それを意味する標準英語は「スリム」だそうです。「スマート」の意味は「利口な、賢い」「コンピュータ制御を用いた、ハイテクの」だそうです。
というのもスマホでweb辞書検索して知ったことなんですが……。
あっ、そういえば「スマホ」って「スマート」フォンでしたね、なるほど!

そして、「AI(人工知能)が学習・判断する」って、どういうこと? と思っていたので専門家に教えてもらいました。
それは、例えば、集積された牛の活動データと記録から、その牛特有の行動パターン(いわゆるクセ)をAIシステムが覚えて、それが再現されたときに「これは発情徴候だ!」と判断して通知してくれるということ、だそうです。
ゆえに、データが蓄積されるほど精度が上がっていくそうです。
これも、なるほど! でした。

人材が宝

釧路管内の牧場の、従業員さん用の休憩室です。
社長のEさんは若い頃、大手不動産会社の支店を切り盛りした経験があります。
「自主的でなければ仕事の質は上がらない」「前向きでなければ良い結果は出ない」「協力してくれる人がいて自分は幸せになれる」「協力し合いながら成長し合う」「皆で達成するから楽しい」と百戦錬磨の営業マン経験で得た経営哲学を語ってくれたEさん。
「これらが実感できる職場の仕組みと環境を作るのが社長の仕事だ」と日夜全力で臨んでいる様子が強く伝わってきました。
詳しくは、Dairy Japan 5月号のルポ特集「酪農の人材マネジメント」で。

繁殖を見える化

先日、6月号の取材で岡山県のI牧場をたずねました。
Iさんは「乳量の増加に反して繁殖成績が落ちてきた」と、悩んでいたそう。
そこで、繁殖成績向上を目指してIoT機器の導入を決断。今年2月からIoTを用いた繁殖管理をスタートしました。
これまで1人で発情発見から授精までこなしていたIさんにとって、IoT機器は「繁殖を見るもう一つの目」といえるもの。
発情を見える化してわかったことは、「これまで授精タイミングが早かった」というもの。また、発情発見率も2割近く向上したとも。
Iさんは「もっとさまざまなデータを見てみたい」と、IoT機器に興味津々。今後、暑熱期の行動分析や初産と経産牛の行動の違いなど、より多くのデータを分析して農場の成績向上に取り組んでいきたいと話します。
取材時に印象的だったことは、牛舎に入る際にごく自然にタブレットを持つIさんの姿。とてもスマートでした。

規模の大きな農場

先日取材で500頭以上を飼養する農場へお邪魔しました。

今まで私は大規模の農場にあまり行ったことがありませんでしたが、なんというか、色々大きいですね。

牛舎やそのほかの建物が大きいのはもちろんですが、積んである堆肥やおが粉の量も大量ですし、人ではなくトラクター達が歩いているような感覚になりました。

皆さん手足のようにトラクターを操り手際良く……いやトラクター際良く作業をしています。

お話を伺っていて、大人数で作業をするときのポイントは「共有」「見える化」だなと、組織で働くうえではどんな仕事でも欠かせないことだなと、改めて感じました。

取材のテーマは「人材のマネジメント」5月号の特集でお届けします。お楽しみに!

 

 

 

驚くほど体細胞数が減った

写真は、北海道オホーツク管内・T牧場で取材させていただいたときの1枚です。
ミルキングパーラーに近いバルク室の壁にはTさんの工夫で必需品が整理整頓され、3定管理されています(決まったものが、決まった場所に、決まった量ある)。
このように几帳面で細やかな乳質管理に取り組んできたT牧場は、体細胞数10万以下をキープしていました。
そんな折、あることをきっかけに、「搾乳がとても穏やかになり、驚くほど体細胞数が減った」という出来事が起こりました。
詳しくは、Dairy Japan 4月号(来週発売)ルポ特集「乳質向上へのチャレンジ」で。