自家育成は酪農の基礎

良好な環境の育成牛車

7月号のルポで香川県のA牧場を訪ねました。
A牧場は一昨年3月に新たな育成牛舎を稼働させ、以来、子牛の死亡事故はゼロ。
ハイブリッド式の横断換気牛舎は、抜群の換気とステージに合わせた施設設計で、良好な育成環境を実現しています。
Aさんは2018年にハイブリッド式トンネル換気の搾乳牛舎を稼働させ、以来、導入ゼロで増頭を果たしてきました。そんなAさんの持論は、「自分の思うような牛を作っていくことが酪農の面白さであり、基本」であり、「育成は建物で例えるなら基礎といえる部分」と話します。
今後、さらなる投資も控えるA牧場。次回訪れることが、楽しみでなりません。

酪農YouTube

皆さん、突然ですが、YouTubeって、見ますか?

今や一般人から芸能人までさまざまなジャンルの人が自身のチャンネルを持ちそれはそれは多様な映像が配信されていますよね。

私もよく見ています(お気に入りは、自転車を組み立てる映像や、木工製品を作り上げる工程の映像です)。

そんな流れはやはり酪農業界にも来ているようで、酪農家さんが仕事や生活の様子を配信していたり、コンサルタントの方が解説をしたりなどいろいろあるようで。

なかでも最近気になっているのは、管理技術や知識について解説されている映像です。とても分かりやすく実践しやすい!

普段は月刊誌や書籍の記事にて酪農技術情報をお伝えしているわれわれですが、映像という伝え方もまたわかりやすくて良いなと思うところがありました。

皆さんがおすすめする酪農系YouTubeは、どんなものがありますか? 是非教えてください。

「スマート」酪農

来週発刊 Dairy Japan 6月号のルポ特集テーマは「スマート酪農で生産性向上を狙う」です。
「スマート」と聞くと「痩せている」を連想しがちですが、これは和製英語で、それを意味する標準英語は「スリム」だそうです。「スマート」の意味は「利口な、賢い」「コンピュータ制御を用いた、ハイテクの」だそうです。
というのもスマホでweb辞書検索して知ったことなんですが……。
あっ、そういえば「スマホ」って「スマート」フォンでしたね、なるほど!

そして、「AI(人工知能)が学習・判断する」って、どういうこと? と思っていたので専門家に教えてもらいました。
それは、例えば、集積された牛の活動データと記録から、その牛特有の行動パターン(いわゆるクセ)をAIシステムが覚えて、それが再現されたときに「これは発情徴候だ!」と判断して通知してくれるということ、だそうです。
ゆえに、データが蓄積されるほど精度が上がっていくそうです。
これも、なるほど! でした。

酪農キーワード

月上旬の今、月刊誌の進行は最終を迎える6月号と次の7月号の進行が重なるタイミングでもあります。
7月号の原稿を整理し、作業を進めている最中なので進行の一部について紹介します。
月刊Dairy Japanでは「誰にも聞けない酪農キーワード」が好評連載中です。連載タイトルのとおり、酪農のさまざまなキーワードを解説していただく企画です。
「知っているようでうる覚え」「今さら、この言葉の意味って人に聞けないな」というものからセミナーなどでよく耳にするものの、その実、深く内容を知らないもの、新しい言葉などを広島大学・杉野利久教授を筆頭に、さまざまな方に解説していただいております。
7月号は21回目で、キーワードは「GLP-2」です。GLP-2の詳細は本誌解説をお待ちいただきたいのですが、腸管粘膜の増殖や消化吸収能力の促進、粘膜バリアの増強などを担うホルモンです。ここでポイントになるのが初乳給与とGLP-2の関係。初乳給与の量や質、給与までのタイミングによって、血漿GLP-2濃度が低推移する傾向があると杉野教授は解説します。
酪農には多くの専門用語が存在します。そのなかから「次はどのキーワードにするか」を、担当である私と杉野教授で相談して連載を進めます。とかくこうした連載は、回を重ねるごとによりミクロなテーマに行きがちです。また、より新しいキーワードを探そうとします。
そんなとき、杉野先生と私は一歩下がって、マクロな視点でキーワードを探ることにします。もちろん、読者や取材先の酪農家さんからリクエストがあれば、それを優先しますが……。
今日、GLP-2の原稿の確認をしながら、次のキーワードについて話し合いました。8月は暑い、飲水量も増える、水は最も基本的な飼料、ということで次回は水をテーマにしようと。
同連載は、大きなボリュームを占める「はじめに」も好評です。編集をする際、文頭から目をとおしていきますが、「この導入から、どう本題に行くのか」といつもワクワクしています。そして「はじめに」の締めでは、きとんと本題に着地する、この流れが同連載の味でもあります。
ぜひ、毎回の解説を楽しみにしていただければと思います。
また、解説してほしいキーワードも随時募集しています。ご要望は弊社e-mailまで。

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