タワーサイロを展示室に

昨日は岡山県にある中四国酪農大学校にお邪魔しました。同校は県内外の酪農場などで活躍する優秀な人材を育てることでも知られています。

さて、同校には第1牧場、第2牧場の二つの牛舎があり、日々学生が実習し、技術を磨いています。そんな第1牛舎はサイクリングロードに面していて、ときより休憩で足を止める方も多いそう。足を止めた方々に酪農をもっと理解してもらおうと、写真のようにタワーサイロを酪農展示室に改造し、公開しています。

展示内容は学生が考え、作成したものだといいます。牛の生理や酪農家の日々の取り組みが、わかりやすく展示され、楽しく酪農を学ぶことができます。

皆様も近くを訪れた際、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう? なお、展示室より先は、防疫上立入禁止となっています。

牧場の経営理念は?

【牧場の経営理念は?】

人を雇用する企業であれば、その企業は社会にとってどのような役割を担うのか?という企業理念が存在しますよね。

先日伺ったK牧場では、従業員を複数雇用しており、事務所に入ると目立つところに「経営理念・行動目標」の額が飾ってありました。

そもそも、「生乳を搾り消費者に美味しい牛乳乳製品を提供する」ことが牧場の大きな目的ではありますが、「経営理念」があると、従業員がなんのためにその牧場で仕事をがんばるのかという目的が生まれ、モチベーションにつながります。

これだけが要因ではないと思いますが、実際に理念、目標を掲げているK牧場では、従業員一人一人の当事者意識が強く、意欲的な姿勢を感じました。

従業員を抱える牧場の皆さん、牧場がうまく回る重要ポイントの一つかもしれません!

牛床に何敷く?

【牛床に何敷く?】

取材で全国を回っていると、様々な経営形態の農場に行くわけで、一軒一軒全然違うわけですが、地域? 考え? によってまちまちなのが、牛床だと感じています。

繋ぎ牛舎やフリ―ストールの場合、北海道では麦稈が、都府県ではおが粉が多いですが、そのほかにも、もみ殻、戻し堆肥、コーヒー粉などさまざまです。併せてよく耳にするのは、「おが粉はクレブシェラが」という声。確かによく聞きます。

それに対しても、あらかじめ殺菌処理をするもの、石灰を混ぜるものなどありますね。先日伺った農場では、おが粉に混ぜる石灰の量を数倍にしてみたら上手くいったとのことでした。「熱くなって乳房に良くないんじゃ?」と思ったそうなのですが、試しにやってみたら好調だそうです。

皆さんのマイベストベッド、どんな形態でしょうか。オススメ教えてください。

飼料費削減のヒント

先日、新潟県のS牧場とO牧場を訪ねました。
両牧場は日本でも有数の米どころに位置するため、稲WCSはもちろん粉砕玄米といった地域生産飼料を上手に飼料設計に取り入れていました。
しかし今回の取材のメインは「もやし残さ」。もやし残さは、もやしの原料豆や製造ラインから外れたもやし、根切り処理の際に発生した根などを脱水したうえでギ酸添加したもの。水分含量は80%程度と高いものの、粗蛋白質など試料成分はアルファルファに近い特性があります。
嗜好性も高く、価格も安価なもやし残さ。輸入乾草の高騰や入手困難な状況が続く今、注目の副産物飼料かもしれません。
詳細は5月下旬にお届けするDairy Japan6月号で。また、もやし残さの飼料特性については弊社発刊『飼料特性を理解して上手に設計に活かす』をご参照ください。

長期雇用のために

先日、京都府のB牧場を訪ね、酪農場の雇用管理について伺いました。
B牧場は「スタッフの心と体とともに、家族の健やかな暮らしを守りたい」を信条にスタッフのワークライフバランスの向上などさまざまな取り組みを行なっています。代表のTさんは、「スタッフの心や体に余裕がないと、スタッフ間で技術を教えたり、教わったりすることが難しくなる」──そう実感したと言います。
さまざまな取り組みの詳細はDairy Japan5月号でご紹介しますが、実にユニークな制度の設計・導入のほか、スキルアップのための制度の導入など、農場全体のレベルアップにつながるヒントが盛りだくさんでした。
スタッフには長期で働いてもらいたい──そう考えたとき、考えるべきことの一つが人それぞれのライフスタイルと時々に訪れるライフイベントを考慮すること。今回の取材を通じて、そのことを強く感じました。
詳細は4月下旬にお届けするDairy Japan5月号で。