十勝管内T牧場の飼料設計を担当しているKさん、某日の昼時、反芻モニタリング中です。
「反芻はバッファ効果でルーメンを健全にします」というKさん。
「牛舎に入ってぱっと見渡したときに、目に入った牛達の5割が反芻していることがボーダーラインで、理想は8割です」と反芻のモニター方法を解説してくれました。
カテゴリー: 取材後記
哺乳ボトルの洗浄に強力な助っ人
先日、愛知県のM牧場を訪ねました。M牧場のSさんは就農から約10年。さまざまな改善と投資をしてきました。
約3年前に搾乳ロボットの更新を計画したM牧場は、事業審査や工期の遅れによって今年4月に最新の搾乳ロボットに更新が完了したといいます。
ちょうど酪農情勢が非常に厳しい状況での返済スタートになってしまったことは、大きな負担であることは明白です。しかしSさんは、「搾乳スピードや搾乳性が上がったことで、結果的に乳量は伸び、売り上げを高めることができた」と満足げに話してくれました。
さて、そんなM牧場で「買ってよかった」機材を紹介していただきました。それは、業務用食洗機。
乳肉複合経営で規模も大きなM牧場。日々の哺乳ボトルの洗浄も一仕事です。また哺乳ボトルはブラシで強くこすれば、徐々にこすり傷が付くもの。そこで、業務用の食洗機を導入したところ、洗浄の手間が省けることはもちろん、高温で高い水圧によって洗浄できるため、哺乳ボトルの衛生状況も良好とのこと。Sさんは、「おすすめの機材」と太鼓判を押します。
ドローンで圃場を確認
先日、静岡県のS牧場にお邪魔しました。
S牧場は自給粗飼料としてイタリアンを11ha作っています。11haという広さの圃場の状態を目視で確認するには、多くの手間を要します。そこでSさんが取り組んでいるのは、ドローンを使った圃場の確認です。
ドローンを使えば、わずか数十分で圃場の状態を確認できるうえ、上空からの撮影のため、裸地の確認なども容易に行なえると言います。実際に圃場を撮影した動画などを見させてもらうと、圃場を鳥瞰で確認すると、その状態は一目瞭然でした。
ドローンをめぐる規制は厳しくなってきているとSさんは言いますが、圃場面積の広い牧場では、その利用価値は高いと思います。
※写真提供:S牧場
これは良い!パーラーで水浴び
【これは良い!パーラーで水浴び】
栃木県那須町の牧場にて
「一昔前この辺は避暑地として有名だったが、今や夏は猛烈に暑い。ところによっては暑熱対策が遅れがち」と話を聞いたことがありましたが、先日訪れたO牧場では、屋根散水、換気扇増設など万全ともいえる暑熱対策。牛も元気にエサを喰い込んでいました。
なかでも「おっ!」と思ったのはパーラー上部に取り付けたソーカーシステム(散水システム)。牛の首元に散水ミスとが散水され、搾乳中に牛を濡らします。その後牛舎に帰り、扇風機に水を吹き飛ばしてもらい体温を下げるそう。牛舎内に取り付けられたミストはたまに見かけますが、パーラーでは初めて見ました。
Oさんは「牛舎で水を撒くと牛舎内の湿度も上がり牛床も濡れやすくなるので、パーラーにつけてみたところ、とても良い」とのこと。
仕組みも単純で、水道のように蛇口をひねるだけ。壊れてもすぐに直せるところがまた利点なのだそう。
牛もよくエサを食べます。
O牧場は『DairyJapan10月号』に掲載されますので、発刊したらぜひ読んでみてください。
まだまだ暑熱対策が必要な時期だとは思いますが、これからの参考になれば嬉しいです。
飼料給与の順番
以前も当ブログで紹介した三重県の牧場での一コマです。
哺乳子牛の管理が優秀なこの牧場で、スタッフが教えてくれたのが、飼料給与の工夫でした。
1ペン当たり四つのエサ箱が設置されていますが、それぞれに番号が振ってあります。写真奥から1・3・4・2の順に振られた番号順にエサを給与すると言います。これは子牛にエサを均等に食べてもらうための工夫。
1にエサを給与すると、子牛は1に集中し、採食します。その間に2のエサ箱にエサを給与すると、別の子牛がエサを求め集まります。同様に3・4とエサを給与するタイミングをずらすことで子牛達が全頭、均等にエサにリーチすることができるというもの。
給与の手間はかかりますが、とくに弱い子牛にとってはありがたい給与方法。
こうした一工夫が健康な子牛を育てることにつながるのだな、と納得しました。