生産者だからできる、こだわりのシュークリーム

来週発売のDairy Japan 4月号の特集は「酪農の6次産業化」です。
その取材で、ニセコ町の高橋牧場に「成功までの道のり」をうかがいました。

15年前から製造・販売を手がけている高橋牧場。
今の商品は、アイスクリーム、のむヨーグルト、スイーツ(プリン、バームクーヘン、シュークリーム、ロールケーキ、カステラ、チーズケーキなど)です。

「われわれはスイーツのプロではないが、プロが唸るものをつくっていかなければならない」と高橋さん言います。
その一例は、シュークリーム。
高橋牧場のクリームは牛乳をたっぷり入れているから非常にやわらかいのです。
だから注文をもらってからシュー(皮)に注入し、いわば吸いながら食べてもらいます。
「そういうものは、プロはつくらない。それが許されるのはプロではない農家だから。われわれは味で勝負あり、そういうポリシーを持って、ぶれないことが大事だ」と高橋さんは言います。

1万1000kg以上は180戸、1万kg代は568戸

今週、北海道酪農検定検査協会から、平成22年(1月から12月)の経産牛1頭当たり年間成績の速報値が発表されました。

乳量:8853kg(8839kg)カッコは前年
乳脂率:4.01%(4.06%)
蛋白率:3.28%(3.31%)
無脂固形:8.78%(8.79%)
体細胞数:21万(20万)
リニアスコア:2.6(2.6)
分娩間隔:428日(427日)
初産月齢:25カ月(25カ月)

やはり昨夏の猛暑の影響が、乳成分、繁殖に表れています。
乳量階層別戸数は、1万1000kg以上が180戸、1万kg代が568戸となりました。

良質サイレージの「におい」

良質サイレージの「におい」(香味)は、どんな「におい」ですか?
教科書的には、「快甘酸臭・芳香」とあります。

良質サイレージづくりを追求しているS氏に聞いたら、
『良いサイレージは、ほとんど「におい」がない。かすかに原料草の「香り」がする程度』
と言っていました。
実際、S氏とともに良質サイレージづくりに取り組んだ牧場のみなさんも、同意見です。

ところで「におい」には、「匂い」「臭い」の2種類の漢字があります。
Wikipediaでは、
『良いそれの場合「匂い」とし、悪いそれの場合は「臭い」とする。
とくに良いにおいの場合は「かおり」「かほり」「香り」と、別の言葉を当てることも行われる』
とあります。

そのことからも、良質サイレージは、「かすかな良い香り」という表現が適切なのかもしれませんね。

カラマツ力(パワー)

カラマツ牛舎で知られるリゲルファーム(遠軽町生田原)です。
266ベッドのフリーストール牛舎で、その美しいトラスには目を奪われます。

カラマツは超丈夫で、腐りにくい木だそうです。
そのカラマツ牛舎は、夏は涼しく、冬は暖かいそうです。
確かに、木のぬくもりを感じました。
しかも、牛舎内の空気が乾いています。
同牧場は、乾乳牛舎も哺育牛舎も堆肥舎も、カラマツです。

ちなみに同牧場では、ガレガ(マメ科牧草)サイレージ、ひまわりサイレージを利用しています。
とても嗜好性が良いそうです。

酪農と養豚はウィン・ウィンの関係にある

Dairy Japan 3月号の「マイ・オピニオン」は、(有)ビィクトリーポーク(本社農場/仁木町、樽前農場/苫小牧市))の代表取締役であり、昨年8月に設立された北海道ホエイ豚協議会の会長を務める中岡勝氏のインタビューです。

ヨーロッパ等では、酪農と養豚は一つの地域に同居し、チーズの生産に伴って出てくるホエイの処理を、養豚が当たり前のように行なっているケースが多いそうです。
つまり酪農と養豚は本来、補完し合う関係にあるのです。

「北海道の乳業工場にとってはホエイの処理費の軽減につながり、養豚生産者にとっては北海道ブランドという地域性を出すことができる。つまり、お互いウィン・ウィンの関係になれる(双方が良い結果をもたらす)」と中岡氏は語ってくれました。

ちなみに(有)ビィクトリーポークは、北海道日高乳業(株)のホエイを自前のローリーで運んでいます。
(写真提供=(有)ビィクトリーポーク)