家族酪農の希望

2021年も終わりに近づいてきました。2021年のハイライトの一つでもあるのが、酪農青年女性酪農発表大会です。

先日、今回農林水産大臣賞を受賞した宮城県のKさんとお話しする機会がありました。

Kさんが発表したテーマは「既存の牛舎で生産倍増計画」です。規模を大きく変えずに生産乳量、農場収益ともに本当に倍増させてしまったお話でした。

規模拡大や自動化が注目されがちな昨今の酪農業界ですが、戸数の大半を占めるのは家族経営の酪農であることも事実です。規模に関わらず、まだまだ取り組めることはあるぞ! と前向きな気持ちにさせてくれます。

じつは本取り組みの内容はDairyJapan2021年3,4,5月号の「実践!ゲノム解析」で掲載しております。これを機会に皆様、今年のDairyJapanを見返してみてはいかがでしょうか? 改めて何かのヒントに出会えるかもしれません!!!

ワークライフバランス実現へ

夜中の分娩は精神的肉体的負担も大きく、日常作業に影響が出る可能性もあります。また、異常産の発見の遅れによる死産のリスクも高くなることも考えられます。そこでおすすめしたいのが、Dairy Japan12月号で紹介する技術情報。ICT機器の活用と合わせて昼間分娩誘起による分娩監視の強化と省力化を検証した技術情報です。

本稿の著者は、昼間に分娩が集中し、さらに分娩予知通知システムを併用することで無監視分娩は発生しないという結果をまとめています。農場のワークライフバランスを向上させるためにも、ぜひご一読を。

11月20日過ぎ頃に読者の皆様のお手元にお届けします。ご期待ください。

食と命の大切さを伝えるカフェを作りたい

【高秀牧場ミルク工房、クラウドファンディングに挑戦中】

応援したいお知らせが届きました。

DairyJapan9月号でご紹介した高秀牧場(千葉県いすみ市)の敷地内のカフェ「高秀牧場ミルク工房」さんが、千葉県内に2店舗目を出店すべく、クラウドファンディングプロジェクトを立ち上げました。

「酪農が教えてくれる食と命の大切さを伝えるカフェ2号店を作りたい」というプロジェクトが、「CAMPFIRE(https://camp-fire.jp/projects/view/406654)」で進行中です。

より多くの方々に牛や酪農をより身近に感じて欲しい、その魅力を伝えたいというコンセプトで、千葉市の都市部に出店予定だそうです。

ジェラートやチーズなど応援金額に応じてさまざまなリターン(返礼品)を選べるようになっています。

是非チェックしてみてください!

 

エサの見直しはルーメン微生物に相談【DairyPROFESSIONAL21】

【エサの見直しはルーメン微生物に相談】(DairyPROFESSIONAL21・Part2より)

乳牛が活動し、乳を出すなどのエネルギーを生み出すのは、ルーメンがあるからで、ルーメン微生物が多く棲んでいるからです(1頭当たり数kg~数十Kgにもなるらしいです)。

蛋白質、脂質、炭水化物が栄養源となり、さまざまな形で牛は利用します。とくに炭水化物。デンプンと繊維の消化は極めて重要で、乳牛の栄養管理でまず考えることは、ルーメン微生物達が炭水化物から最大限エネルギー確保できるように見直すのが良いでようす。

繊維とデンプンはそれぞれエネルギー源に代わりますが(VFAというヤツです)、変わるスピードも変わったエネルギー源も違いまます。デンプン過多だと、それこそルーメンアシドーシスの危険も。

牛も、乾乳前・後期、泌乳前・後期などでエサのメニューが変わりますよね。よく言われていますが、ルーメン微生物にも準備がありますので、急に激しく変えすぎるとアシドーシスリスク大だそうです。

このように、エサの消化とエネルギー変換のことを考えながら、飼料設計・添加剤の給与などを考えていけると良いですね。ちなみに著者は、酵母培養物(イーストカルチャー)やモネンシン、カシューナッツ殻液などを紹介しています。

適切な飼料設計は、エサ代の節約にもつながりますよね。見直す際の参考にしてみてください。

DairyPROFESSIONAL21はこちら

周産期病の徹底予防【DairyJapan10月号】

【周産期病の徹底予防】(DairyJapan10月号より)

~栃木県I牧場の場合~

約450頭、フリ―ストール飼養で酪農経営を行なうI牧場では「基本に忠実に」「90点の管理を目指す」ことで、安定して周産期管理を行なっています。

乾乳前は肥らせないように。クロースアップではしっかり喰い込ませ腹を作れるように。フレッシュではエネルギーをしっかり確保できるように。などの基本的な管理を農場全体で共有します。しかし、理想通りにいかないこともしばしば。分娩後の周産期疾病なども、なるときはなってしまいます。

I牧場では、すべてを完璧にこなそうとはせず、「トラブルが出そう。どうしよう」とはならず、すぐに「じゃあこうしよう」という次の手への切り替えをすることで、損失を最小限に抑えています。

これには従業員や実習生の協力が不可欠。とくに実習生の教育を手厚く行なうことで、より多くの目で牛を見守っていました。

詳しくはDairyJapan10月号より