ワーカーに任せていい仕事、任せたくない仕事は、次のどれ? その1

弊社から好評発売中の書籍『ふたたび酪農』の著者である伊藤紘一氏(ウイリアムマイナー農業研究所)のセミナーが一昨日(21日)、北海道根室管内の別海町で開催されました。
これは酪農活性検討会(会長/伏見廣氏・別海町)主催によるもので、演題は「日本酪農を取り巻く環境-世界と日本の政治経済情勢-」でした。

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実はその前日(20日)の晩、特別版の「農場スタッフ・トレーニング・セミナー」が行われました。
その演題は「大規模酪農と雇用フタッフ?オーナーの観点とスタッフの観点?」です。

そのなかで伊藤紘一氏は、セミナーに参加された農場スタッフのみなさんに、
「もし、あなたがオーナーならワーカーに任せてもいいのはどれですか? 次の仕事から選んでください」と出題しました。
次の仕事とは以下です。
■搾乳
■飼料プログラムの調整
■バンクマネジメント
■ストール(牛床)の清掃と手入れ
■発情の発見
■子牛の世話
■除糞作業

あなたなら、どれですか?
《次のブログに続く》

幹周り4.4mの大木

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紋別市藻別の道道沿いにある高橋広幸牧場の前に、大きな大きな木があります。
そこには看板があり、以下のように書かれています。

《藻別のナラ記念保護樹木》
この木は、推定樹齢300年のミズナラです。
ミズナラは、水分が多く燃えにくいのでミズナラと言われており、ドングリが成る木としても知られています。
樹高は18メートル、幹周り440センチメートルあるこの大木は、開拓当初から地元住民により保存され敬愛されてきたことから、記念保護樹木として指定されました。
昭和49年3月30日指定 北海道

丁寧に祀られたこの大木を見ると、開拓時代の風景を想像し、苦労した先人への感謝の気持ちでいっぱいになります。

桜&雪

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昨日まで、網走管内の紋別市、滝上町にいました。
前日の昼から急に気温が下がり、昨日は朝から、「まさかの雪」でした。
この地域は先週、最高気温が30℃で話題となり、そして昨日の最高気温は4℃です。
「桜」も「緑の若芽」も雪に震えていました。

私も経営に取り組みたい! 私もセミナーに行きたい!

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北海道農政部は、道内の「女性農業者の役割発揮に関するアンケート」調査結果を発表しました。
この調査は平成19年6-8月にかけて道内の女性農業者を対象に行ったもので、811名から回答を得たものです。

それによると、農業経営にどのように関わりたいか?――については、
「方針決定は夫あるいは親等に主に従うが、自分の意見も反映したい」が35.4%
「共同経営者として農業経営全体に参画したい」が27%でした。
また、「経営主や共同経営者等として農業経営全体もしくは特定部門の経営に取り組みたい」としている女性は43.6%でした。

また、経営者として役割を発揮していくために必要な知識・技術は?――については、
「栽培・飼養管理等の農業技術が必要」が59.6%
「経営・管理・財務」が49.4%
「農業機械の操作」が26.5%でした。

そして、農村において男女が共にいきいきと活躍する社会を形成する上で、女性に対してどのような支援や施策が重要か?――については、
「夫や家族による家事・育児の分担」が49.1%
「生産技術等を習得するための研修やセミナーの開催」が44.8%
「農産加工等を行うための施設・機器の整備に対する補助や起業活動のための支援」が34.3%でした。

わが国初の機械で、環境に優しいスラリー散布

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昨日、わが国初の機械を利用した、「家畜糞尿の環境に優しい散布方法」の試験現場を見てきました。

牧草地への糞尿(スラリー)散布で近年問題視されていることの一つに、「アンモニア揮散」があります。
その問題の一つは、環境への悪影響。
例えば、通常より強力な酸性雨を発生させる、土壌の酸性化、森林破壊、河川や湖沼の富栄養価などです。
問題のもう一つは、糞尿の大切な肥料成分であるアンモニアを損失していることです。

そこで酪農学園大学・酪農学部・土壌植物栄養学研究室(松中照夫教授)と同大学附属農場は、北海道立根釧農業試験場、北海道立畜産試験場との共同研究の一環として、わが国初の機械を利用して、「家畜糞尿の環境に優しい散布方法」の調査試験を行っています。

調査方法は、糞尿からのアンモニア揮散を抑制するために開発された機械(2種類)と、従来の機械で散布した場合とを比較して、どれくらい環境に優しいのかを検証するというもの。
その新機械とは、「ドラッグホース」と「カットインジェクタ」です。

《ドラッグホース》
トラクタに糞尿供給用のホースをつなぎ、供給された糞尿を何本ものホースに分けて、草地表面に筋状に置いていく機械。
今回の試験で用いたタイプは、幅15mに50本のホースが30cm間隔で装備されている。
この機械の特長の一つは、糞尿を貯留槽などからホースで圧送するためタンカーが不要であること。
したがって、タンカー補給作業の時間が不要となる。
もう一つの特長は、糞尿のタンカーを引っ張らないので軽量であること。
このため、春先の草地への散布時期を早めることができる。

《カットインジェクタ》
これは北海道農業開発公社が独自開発したもので、トラクタが草地表面に筋状に切れ目を作り、そこに糞尿を注入した後、その切れ目を土で覆う(カバーする)機械。
この機械の特長は、糞尿が空気に触れないので、アンモニア揮散がほとんど発生しないこと。