【響きました】
取材で訪れたM牧場。搾乳牛舎に飾ってあった文章が素敵でした。
目に留まるところにこのようなメッセージがあると、ふとした瞬間に初心に帰れそうです。
最新技術、知識も重要ですが、「哲学」や「考え方」も同様に重要だと思いました。
とある酪農家のKさんからこんな質問が「コーヒーの出がらしを畜産で活用している事例はありますか?」とのこと。
まれに敷料や臭気対策で牛舎に散布している例は聞きますが、確かに、昨今コンビニやカフェでて月にドリップコーヒーが飲めるようになり、その残さはかなり増えていることでしょう。
たまたま取材に出掛けていた際に出会った酪農家さん、なんとコーヒー粕をサイレージにして給与しているではありませんか。なんでも、コーヒーに含まれるポリフェノールが牛の健康増進に一役買っているのだとか。その酪農家さんは、コーヒー粕サイレージを製造する会社から仕入れて給与していました。サプリメントのように少量給与し、かれこれ10年くらい継続して使用しているとのこと。
未利用資源を酪農で活用するという良い事例を見ることができました。ひょっとするとまだ身近な捨てられている物が、酪農に活かせるかもしれませんね。
先日、酪農家さんとの話の中で「エサ代が年間で600万円以上上がった」という声を耳にしました。これは、日本人の平均年収より高いです。人が一人雇えるほどの値上がりは、一経営体にとっては非常に大きいです。
では、それに対して業界では何ができるでしょうか。たびたび耳にする「酪農乳業界が一丸となって」という言葉の中には誰の、どのような行動が必要なのでしょうか? 役割ごとに考えてみました。
酪農家は
今できる管理面、ロスを見つけ、ロスをなくすにはどうするか考え、実践する(こういう時にDairyJapanは役に立ちます)。
今、生乳1Kgが何円で買われ、一方で、生乳1Kgを作るには何円の飼料やコストがかかっているのかを改めて知り、外に強く発信する。
組合組織、指定団体は
酪農家がおかれている現状を正しく把握する。
乳業メーカーに対しての乳価交渉
根本的に出口対策となる策の模索
乳業メーカーは
酪農家がおかれている現状を正しく把握する。
積みあがる脱脂粉乳、バター在庫の新たな出口、消費方法を考え、実践する。需要がコロナ禍前に戻らなかった場合に備えた対策を考える。
酪農家がいなければ乳業メーカー、組合は成り立たないですが、逆もしかりですね。今一度、各々の状況を理解し、大勢が意思を発することで、変わるきっかけが生まれるのではないかと思います。
皆さんが考えつく対策やお考えも、ぜひ教えてください。
【今日は牛乳の日!】
6月になりました。2022年も折り返し点が見えてきました。早いものです。
今日は牛乳の日、そして今月は牛乳月間です。
「牛乳、飲みましょう!」という発信も重要ですが、生乳消費増に向けて、農場レベルでできることがないか考えていました。
例えば、最近は、コーヒーなどはブランドから生産者(焙煎者・販売者)の思いやソウルを載せた売り方が流行しており、消費者も、ただ単に買うだけでなく、そのコーヒーに込められたストーリーも一緒に買うような動きがあると感じています。
生乳に対する生産者の思いやストーリーならば、酪農家の皆さんに勝るものはないと思います。牛を健康に、愛情をもって育て、安全な生乳を搾ろうと日々頑張る皆さんの姿は、私達が農場に取材に行って肌で感じているので間違いないです。
「牛乳は”愛”でできている」と教えてくれた酪農家さんの言葉を思い出しました。
酪農家の顔や人柄が見えることでより、牛乳に親しむ人も増えるのではないでしょうか。
これから先も牛乳を美味しく飲んでもらうために、生産者の皆さんからもぜひ、生乳生産や酪農に関する発信をしてみてはいかがでしょうか!
【牧場の経営理念は?】
人を雇用する企業であれば、その企業は社会にとってどのような役割を担うのか?という企業理念が存在しますよね。
先日伺ったK牧場では、従業員を複数雇用しており、事務所に入ると目立つところに「経営理念・行動目標」の額が飾ってありました。
そもそも、「生乳を搾り消費者に美味しい牛乳乳製品を提供する」ことが牧場の大きな目的ではありますが、「経営理念」があると、従業員がなんのためにその牧場で仕事をがんばるのかという目的が生まれ、モチベーションにつながります。
これだけが要因ではないと思いますが、実際に理念、目標を掲げているK牧場では、従業員一人一人の当事者意識が強く、意欲的な姿勢を感じました。
従業員を抱える牧場の皆さん、牧場がうまく回る重要ポイントの一つかもしれません!