プレ・グループでスムーズな移行を

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写真はカナダ・アルバータ州のある酪農家の哺育舎の様子です。カナダでは写真のような哺育舎をよく見ることができます。

隣の子牛との境にある側壁は、簡単に引き抜くことができます。離乳前1週間から10日の期間で側壁を開放し、1頭から2頭、そして4頭とグループにしていきます。

このグループは育成舎でのグループ管理に馴致させるための、いわばプレ・グループです。急激に大きなグループにすることによる子牛のストレスを緩和させ、スムーズに育成群に移行させるために取り入れられている管理方法です。

余談ですが、カナダはクオータ制度で生産調整を実施していることもあり、容易に規模拡大ができない環境にあります。年々、クオータの売買価格も上昇していると聞き、現在は120頭規模のクオータで4億円程度だとか。

そのため、比較的活発に乳牛資源が流通しているようです。

初妊牛価格はおおよそ3000カナダドル(26万1000円=1ドル87円)。今の日本からすれば、うらやましすぎる価格ですね。

高乳量の秘訣は?

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先日取材で訪ねた沖縄県のT牧場は、県内でもトップクラスの乳量を誇る牧場です。

この日の搾乳牛1頭当たり乳量は38kg。夏場でも32kg以上を生産するといいます。

沖縄県といえば、暑い季節が長く続き、乳牛は長期間暑熱ストレスに晒されます。おおよそ8ヶ月は30度を超える日が続くため、T牧場では気温の下がる夜間にしっかりと喰い込める管理を心がけています。

「朝は何時から作業をしますか?」の問いに対して、Tさんは「1時から給飼を始めますね」と一言。今まで聞いたなかで、一番早い作業開始時間で、とても驚きました。

分離給与のT牧場では、濃厚飼料は1日6回、粗飼料は写真のように給飼通路に山なりに置いておき、飼槽の状態を見ながら1日に何度も継ぎ足し給与をするとのこと。粗飼料をしっかりと喰い込ませることに専念することで、抜群の乳量と繁殖成績を達成しています。

それにしても午前1時からの作業スタートとは、驚きです。都会に暮らす私の場合、少し夜更かしをすると「そろそろ寝るか」という時間であったりします。Tさんの仕事ぶりを聞き、襟を正さなければと反省したところです。

大雪お見舞い

おはようございます。
今シーズン最強の寒波到来により、日本海側を中心に大雪が続いています。除雪が追いつかないほどの降雪を報道で聞き、集乳をはじめとして生乳生産現場への影響が心配されます。
普段は降雪の少ない地域でも、雪が降っているというニュースも入ってきており、そうした地域での混乱が心配です。
大雪や不慣れな降雪に見舞われた地域の皆様をお見舞い申し上げますとともに、生乳生産や集乳、流通への大きな混乱が起きないことを願ってやみません。

イクメン酪農家のDNA

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写真は先日、取材で訪れた神奈川県伊勢原市の石田牧場のワンショットです。

インタビュー中も作業の取材中も、愛娘をおんぶしている姿が印象的でした。

この日の牛舎作業はご本人と、お父さん、おじいさんの男所帯。聞けば、ご本人が幼少の頃はお父さんが、お父さんが幼少の頃はおじいさんが、それぞれおんぶして牛舎に入ることがままあったとか。

代々続くイクメン家族です。小さい頃から、こうして牛舎や牛達と一緒にいるからこそ、酪農を楽しみ、そして家族の絆が強固なものになっているのだなと感じました。

家族で一緒に仕事ができ、みんなで子育てをすることができるのも、酪農の素晴らしさの一面ですね。

自作バケツホルダー

昨日、本日と関東1000トン会の講習会に参加していました。昨日は、中央酪農会議・内橋事務局長らが指定団体制度等をめぐる情勢など講演し、昨今大きな課題となっている指定団体制度の現状や今後のあり方などの説明がありました。

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そして本日は朝霧メイプルファームと株式会社エルファーム一富士農場の視察です。エルファームで見つけたのが上の写真です。

これはツーバイフォー材を加工して作った自作のバケツホルダーです。安い木材を使うことで安価かつ、バケツのサイズにぴったりあった一品が作れる事例です。実際には下の写真のように取り付けて使っていました。

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哺育頭数が多い同農場では、このバケツフォルダーを農場スタッフが量産して、これからの頭数増に向けて対応を進めていました。