初体験

種雄牛

先日、家畜改良事業団の前橋種雄牛センターに取材でお邪魔しました。
ここでは採精からストローへの封入、凍結まで一貫して生産されています。
目の前で粛々と行われる採精作業を見守りつつ、いろいろなエピソードをお聞きしました。
精子の品質安定と作業の安全のため、採精者と引き手(ブルをハンドリングする人)との阿吽の呼吸が必要であること、決められた作業手順を遵守すること(技術者の作業手順のズレによる品質の差をなくすため)、そして採精時から製品化までどの工程においても個体番号のダブルチェックが行なわれていることなど、細かいマニュアルが存在しています。
そして、ここでは2層式ストロー(FCマックス)の生産の様子も見ることができました。通常の1層式ストローへの封入とことなり、常に封入精子量、希釈液量を目視して細かな調整を重ねながら封入する作業には頭が下がります。「受胎率を向上したい」という技術者の思いが伝わってきました。
また併設される研究所では、製品化された精液の品質チェックをはじめ、性選別精液の製造工程も見ることができました。選別精液では、雌種を90%以上の割合で選別するため、雄種はもちろん不活精子も廃棄されるため歩留まりは相当に低いようです。精度を下げれば歩留まりは良くなるようですが、そこは「きとんと後継牛生産に貢献する」ため、精度を最優先に考えているとのことです。アメリカから導入された技術ですが、すでのその選別精度は本国よりも高いと聞きました。日本人の細やかさが反映された形です。
詳細は9月末発売のDairyPROFESSIONAL Vol.6でお届けします。

省力・低コストの育成牧場

写真は千葉県南房総市の「スノー・フィード中三原ファーム」という育成預託牧場です。同地域の酪農家とスノー・フィード・サービス、雪印種苗が「地域の酪農の労力低減とモチベーションアップ」を目指して作りました。
同地域ですでに稼働中のTMRセンターで調製した育成用フレッシュTMRを給与することで、給飼にかかる手間を省き、省力化を目指していること(将来は1人管理)、そして古電柱や整地で出た杉を製材加工して利用することで、低コストでのスタートを切ることができました。
地域ではTMRセンター、コントラクター、そして育成牧場と作業の外部化が進むことで、「搾乳頭数を増やすことができた」といったポジティブな意見を聞くことができました。
詳細はDairy Japan7月号で!

牛乳月間に向けて

milkday6月1日は「牛乳の日」、6月は「牛乳月間」ということで、Jミルクさまから「牛乳の日・牛乳月間」ポスターが届きました。早速、弊社エントランスに掲示させていただきました。

6月は各地で酪農や牛乳乳製品に関するイベントが開催されます。Jミルク公式ホームページで各地のイベントのとりまとめをしていますので、チェックしてみてください。

Jミルク公式ホームページ:http://www.j-milk.jp/

牛乳の日・牛乳月間イベント:https://www.j-milk.jp/milkday/event.html

DairyPROFESSIONAl Vol.5発売!

DP5Dairy Japan2016年6月臨時増刊号「DairyPROFESSIONAL Vol.5」が、本日納品となりました。

今回の特集は
“牛”と“かね”を探り酪農の近未来像を提言
です。

近年、酪農を巡る情勢には劇的な構造変化が見られます。TPP大筋合意や農協改革、各種制度の見直し、畜産クラスター事業の拡大などがその主たるものです。こうした変化のなか、それを受け入れる酪農家には牛群管理や経営能力の向上が不可欠になってきました。

本特集では、酪農の飼養・経営面において第一線で活躍する研究者・普及技術者が、これまでの研究行政のフィードバックとそれらの考察を踏まえながら、今後劇的に変化するであろう酪農経営構造の近未来像を探っていきます。

また大好評の「行ってみました!」は、カナダ・アルバータ大学の研究農場に編集部が行き、現地での研究の様子や最新の子牛管理などを紹介します!

ご注文はこちらから。

バケツツリー

baketu

兵庫県のH牧場で見つけた知恵と工夫です。
子牛にスターターなどを給与するバケツ、きちんと洗っていますか? 写真はそのようなバケツを洗浄後、乾燥させるためにH牧場さんが自作した「バケツツリー」です。
主な材料は、古いパイプライン。そのパイプラインを適当な長さで切断し、フックとなるステンレス棒を溶接して作ったもの。洗浄を終えたバケツは、写真のようにフックにかけておくだけで、しっかりと乾燥できます。
バケツは子牛にとって大切な食器。衛生的な食器を使って、健康な子牛を育てたいものですね。