培養検査の一コマ

写真は先日おじゃましたエムズ・デイリー・ラボで撮影した一コマです。バルク乳などの培養検査をするラボ内で、複数の培地を使ってサンプル乳の培養検査をする現場です。

少し見にくいですが、机上にガスバーナーの炎が見えます。なぜ、ガスバーナーを炊くのでしょうか?

その答えは空気中に混在するチリや細菌など(浮遊塵、浮遊細菌など)が培地に落下することを防ぐためです。培地の脇でガスバーナーを炊くことによって上昇気流を起こし、これらの落下による混入を防ぎ、精度の高い試験を行なっています。

バルク乳スクリーニング検査は農場に存在する乳房炎原因菌の特定のみならず、その結果から牛群管理改善の方向性を考えたり、搾乳機器類の洗浄状態なども知ることができる、いわば農場の健康診断。定期的に検査を受け、農場の現状把握と改善に役立てたいものです。

詳細はDairy PROFESSIONAL Vol.14(Dairy Japan6月臨時増刊号)で。

 

備えあれば

写真は大分県のE牧場での一コマです。
E牧場では、写真のバルククーラーのほか、作業機器なとほとんどのモノ、設備を複数台所有しています。
これは故障やトラブルの際にも農場運営を停止させないためのリスクマネジメント。
自家発電機も設置して、定期メンテナンスを欠かしません。
みなさんの農場では、どのようなリスクマネジメントをしていますか?

農場での雇用

働き方改革、人手不足、人材の売り手市場
労働環境を巡るワードがたびたびメディアに登場します。酪農場でも同様で、雇用の確保、安定雇用は農場経営にとって大きな課題の一つではないでしょうか。
先日、香川県のH牧場に、雇用についてお話を伺いにまいりました。H牧場はスタッフを牧場長を先頭に4階層の組織を作り、農場を運営しています。
Hさんは、「リーダー・サブリーダーは、自分と同じ仕事をできる人を育てることで初めて、彼らは部下に自分の引き継ぎ、自身は次のステップに進むことができるわけです。こうしたサイクルがうまく回れば新たなチャレンジができ、牧場全体がステップアップすると考えています」「スタッフがいてくれるから、心にゆとりができ、次のステップを考えられる」と組織体系のあり方を話してくれました。
人を雇うことは、そのスタッフと家族の生活を守るうえでも責任の重いこと。ゆえに、賃金の確保・増給を見据えて規模拡大や他部門の創設によって売り上げを確保することも、経営者の大切な仕事です。
今後、ますます酪農経営にとって雇用は大きな課題になるでしょう。Dairy Japan4月号では酪農場の雇用をテーマに特集を企画しました。ぜひ発刊をお楽しみに。

写真は先日訪れた宮崎県で撮影した畜魂碑です。平成22年4月に発生し猛威を振るった口蹄疫。それによって殺処分を余儀なくされた牛を祀って建てられたものです。畜魂碑に手を合わせ、改めて口蹄疫の脅威と牛達、そして農家さんの無念さを感じました。
さて1月28日、韓国農林畜産食品部は、京畿道安城(アンソン)市の牛飼育農場において、2018年4月以来約8ヶ月ぶりに口蹄疫の発生を確認したと発表しました。また昨年だけでも、中国の各地で口蹄疫が発生しています。
そして昨年9月に26年ぶりに国内で発生した豚コレラは、2月6日までに岐阜県、愛知県、長野県、滋賀県、大阪府での発生が確認され、国内の畜産に大きな影響を与えています。
これらの家畜伝染病の脅威は、言わずもがなです。現代は世界的な規模でモノや人が行き来します。酪農経営においてもすべてを自己完結させることは不可能です。
写真整理中に目に留まった畜魂碑。こうした悲劇を二度と繰り返さないために、ぜひ、バイオセキュリティ意識をしっかりと高め、できうる最高レベルでの対策に取り組んでください。

マニュアル

本日は初夏前に発刊を計画している新刊書籍の打ち合わせなどで、静岡県の某牧場にお邪魔しています。

打ち合わせ前に目についたのが、哺乳舎前に置かれたカーフウォーマー。寒いこの季節、カーフウォーマーの恩恵に預かったという方も多いのではないでしょうか。

カーフウォーマーには出生直後のリッキングからカーフウォーマーでの子牛の温め方、そしてその後の保温についてマニュアルが貼られていました。

「使うときにすぐ確認でき、最良のコンディションを確保する」ーーこのマニュアルには単に機材の取り扱い方だけでなく、大切な子牛を最適な状態に保ってあげるための管理方法もプラスされていました。
まだまだ寒い季節が続きます。ご自身の体調管理はもちろん、寒さに弱い子牛のケアも十分にお気をつけください。