オホーツク管内のY牧場です。
トンネル換気の牛舎で、中央通路にも設けられたファンにはブレードが取り付けられています。
このブレードはコンパネを使った自作で、ファンの風が牛の足元に入るように角度調整されています。
ファンをほぼ年中まわして、牛床の後部を常に乾かしています。
「ねらいどおり乳房炎が減った」そうです。
投稿者: ItoHiroshi
「一貫性」は幸せ・感謝
台風21号に続いて胆振東部地震……『洪水・台風・地震・地すべり・猛暑など、日本では自然災害がたび重なり、カオス(混沌/無秩序)の夏が続いている』と米国CNN(電子版)は表現しています。
言うまでもなく、乳牛が最も好むことの一つに「一貫性(いつも同じ状態を維持すること):Consistency/コンシステンシー」があります。
毎年のように異常気象と言われるなか、その「一貫性」を少しでも保とうと、各酪農場は工夫しながら日夜努力を重ねています。
ところが今夏は、そうした努力をいたぶるように自然災害が襲い、それに伴う電力と水の供給停止により、酪農場の「一貫性」が打ち砕かれました。
徐々に復旧が進んでいるとはいえ、ひとたび崩れた「一貫性」を取り戻すには、また一から、となります。
このたびの、いわゆるカオスで、「一貫性」を持続ができることは「幸せ・感謝」であることを再認識しました。
今も断水で苦境に立たされている酪農場があります。
一刻も早い復旧、そして復旧後は永続的な「一貫性」が保たれることを願ってやみません。
※写真は、台風21号による倒木、胆振東部地震により牛乳がなくなったスーパーの棚。いずれも札幌市にて
横断通路のこまめな除糞
北海道オホーツク管内のY牧場は徹底した乳房炎コントロールで、ロスのない、高品質の生乳生産をキープしています。
そこでの乳房炎コントロールには、早期摘発・早期治療・予防という基本のもと、独自のプログラムが盛り込まれています。
そのなかの一つに、「横断通路のこまめな除糞」があります。
それは周知のとおり、横断通路の除糞は手作業を要し、そこを放置すると肢蹄の汚れで乳房/乳頭の汚れとなりやすいからです。
Yさんは横断通路の除糞を1日4・5回行ないます(ほか通路はオートスクレーパーで)。
そのため除糞で使うスノープッシャーのヘッドの消耗が早く、在庫を欠かさないようにしています。
※詳しくは来週発刊のDairy Japan 9月号「ルポ特集/わが家の乳房炎対処プログラム」で。
《10年前比較》酪農家戸数8700減・乳牛頭数20.5万減 畜産統計
今年2月1日時点の、全国の酪農家戸数は1万5700戸(前年比700戸減・4.3%減)、飼養頭数は132万8000頭(同5000頭増・0.4%増)となったことは既報ですが(7月16日付DJニュース)、5年前、10年前と比べると、はたしてどうなのでしょう。
5年前(平成25年)と比べると、酪農家戸数は全国で3700戸減(-19.1%)、北海道で990戸減(-13.9%)、都府県で2710戸減(-22.1%)です。乳用牛頭数はそれぞれ9万5000頭減(-6.7%)、1万5900頭減(-2.0%)、7万9100頭減(-12.8%)です。
10年前(平成20年)と比べると、酪農家戸数は全国で8700戸減(-35.7%)、北海道で1950戸減(-24.1%)、都府県で6750戸減(-41.1%)です。乳用牛頭数はそれぞれ20万5000頭減(-13.4%)、2万8500頭減(-3.5%)、17万6500頭減(-24.7%)です。
今年は昨年に比べて飼養頭数がプラスに転じたのは朗報とはいえ、まさに生産基盤の強化が急務、待ったなしです。
長靴洗い

北海道根室管内のO牧場は、サイレージ添加剤のタンクを利用して、牛舎の入り口に「長靴洗い」を設置しています。「ここに水道がなかったから」とOさん。ほかにも数カ所に設置していました。