分娩移行期の管理は「一連の流れで」 北酪検「検定員中央研修会」その3
2019 年 2 月 28 日
研修プログラムの三番目は、カナダ アルバータ大学 乳牛栄養学・教授の大場真人氏が、「分娩移行期の管理」と題して講演。北米の酪農(アメリカ vs. カナダ)を紹介した後、乾乳牛の飼養管理、フレッシュ牛の栄養管理について、最新知見を紹介した。
分娩移行期の管理では、何を目的にするのか(代謝機能、ルーメン環境、その中間など)によって推奨方法が変わるという理由をデータを紹介して、以下の3種類の管理方法の違いを解説した。
●乾乳期に低エネルギー/分娩後に高エネルギー
●乾乳期に低エネルギー/クロースアップに中エネルギー/分娩後に高エネルギー
●乾乳期に低エネルギー/分娩後フレッシュに中エネルギー/その後に高エネルギー
酪農現場では、自分に合ったやり方を模索する必要があるが、いずれにしても、分娩移行期の管理は「一連の流れ」としてとらえ、急な変化は避けるべきであると述べた。
またBHB(ケトン体)データの使い方として、その農場の分娩移行期の管理で、どの部分に問題があるのかがわかることを紹介した。
そして分娩移行期の栄養管理のゴール(目標)を、以下のように要約した。
1 代謝障害のリスクを低める。
2 乾物摂取量、乳量を順調に高める。
3 ピーク乳量を最大にする。
4 ボディコンディション・スコア低下を最小限にする。
5 繁殖成績を高める。
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