酪農現場のリスク管理~気候変動に備える~ 酪総研シンポジウム
2020 年 2 月 1 日
雪印メグミルク 酪農総合研究所は1月31日、札幌市で酪総研シンポジウムを開催した。全国から260人が参加した。
今年度からテーマを新シリーズ「酪農現場のリスク管理を考える」とし、その第一弾は「気候変動に備える」で、3氏の講演が行なわれた。
志田昌之氏(日本気象予報士会 北海道支部 副支部長)は、「温暖化 どうなる北海道~温暖化の現状と、これから北海道で起こること~」と題して、北海道の気候変化傾向と将来予測を紹介。
北海道の気候の将来(2076~2095年)予測は、年平均気温は5℃程度上昇、真夏日が年25日程度出現、熱帯夜は年10日程度出現、冬日の日数は現在の2/3に、真冬日は年10日程度出現とされている。また、大雨や激しい雨が、ほぼ毎年のように出現し、年最深積雪は40%減少することが予測される。
「現状の地球温暖化は、どれほど努力しても、すぐに食い止めることは不可能である。私達は、未来の子ども達のために、今後さらに進行する温暖化を軽減させる努力と、どう対応していくかの適応策についても同時に考えていかなければならない」と語った。
佐藤尚親氏(雪印種苗 トータルサポート室 主査)は、「気候変動が自給飼料生産に及ぼす影響と栽培管理の対応」と題して、農業における気象災害は「発生してから」の対処よりも、「発生することを想定した備えをする」ことが重要であると強調。北海道における気象変化が及ぼす自給飼料生産への影響と備えを紹介した。
伊藤正英氏(JA東宗谷 経済部 営農サポート 考査役)は、「地域気象情報サービスを活用した自給飼料生産」と題して、宗谷管内浜頓別町にあるTMRセンター・浜頓別エバーグリーンでの、有料気象情報(ハレックス・スマイル)活用状況を紹介。有料気象情報の内容は、本日から3日までの予測、風の方向と強さ、海霧の予測など。情報の精度を上げるため定点カメラを設置し、空の画像を送信するなどしている。
※詳報はDairy Japan 3月号で。
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