牛の活躍は胎児期・哺乳期で決まる—-全酪連・酪農セミナー

2017 年 2 月 13 日

Filed under: — djito @ 11:49 PM セミナー報告

全酪連セミナー

全国酪農業協同組合連合会(全酪連)は、全国6会場で「全酪連・酪農セミナー2017」を開催中。
講師は、米国イリノイ大学畜産学部・教授のジェームス・ドラックレイ博士。
同博士は、哺育牛・育成牛、移行期牛の栄養管理において世界的に権威のある研究者であり、“強化哺育”研究の第一人者でもある。
同セミナーの講師を務めるのは二度目。今回は、「母牛と子牛の移行期 パート2–胎児への栄養と環境の影響–」と題し、前回(2010年)セミナーの第二弾として、以下の5章立てで、最新の知見を紹介した。
なお、全酪連は今年、哺育飼料「カーフトップ」を供給開始して50周年を迎えた。

第1章 乾乳牛・移行期牛の栄養
分娩後の母牛の43%は潜在性ケトーシスであるという調査結果があることから、分娩前の栄養管理を熟慮する必要がある。
注意すべきは、乾乳牛は過剰なエネルギーを摂取すると、外見上は過肥でなくても、過肥牛に似た代謝反応を示し、健康リスクが生じるということ(いわゆる、隠れメタボ)。
そこで、乾乳牛が摂取するエネルギーをコントロールするには、二つの方法がある。
一つは、高品質飼料の制限給与で、これは注意深い飼槽管理が要求される。
もう一つは、高バルキー(ガサばる)飼料の自由採食で、ガサのあるTMRで総乾物摂取量をコントロールする。
なお、後者の場合、選び喰いが起こらないように、粗飼料の切断長を3cm以下に、水分を50–55%とすることが重要となる。

第2章 牛における胎児への栄養・環境・プログラミングの影響
第3章 誕生時の新生子牛の適応課題
第4章 子牛の栄養と管理
第5章 初期栄養が及ぼす長期的な影響

※詳報はDairy Japan 4月号で。

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