生産性向上を図る韓国酪農 アジア酪農交流会

2017 年 2 月 16 日

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アジア酪農交流会(会長・野英二氏=酪農学園大学教授)は2月16日、酪農学園大学で「韓国酪農セミナー」を開催した。同交流会は、同大学の教授陣を中心として1975年に発足し、アジア諸国の酪農に関する情報交換、酪農青年の交換研修の援助、セミナー、視察などを開催している。

今回はまず、安宅一夫氏(同大学名誉教授、同交流会前会長)が「最近の韓国酪農を見て」と題して、韓国酪農の概要と、昨年10月の視察報告を行なった。
韓国の酪農統計(2年前)は、生乳生産量217万t、乳牛頭数41万頭、1頭当たり年間乳量1万432kg、乳脂率3.92%、乳蛋白質率3.26%、体細胞数21万。2010年の305日乳検成績は1頭当たり平均乳量9638kgで、日本(9294kg)を上回っている。
韓国酪農は近年さらに躍進しており、視察した牧場(3戸)の1頭当たり日乳量は36~40kg、体細胞数は5~9万で、とても生産性が高いという。

次に、黄教列氏(韓国Biotopia社専務)が「韓国における乳牛の飼養管理技術:とくに乳量・乳質向上と健康・繁殖改善のための微生物添加剤の応用」と題して、同社が開発した微生物添加剤を紹介した。
韓国の最大の酪農地域である京畿道金浦の1頭当たり日乳量は36kg以上で、そこでの課題は乾物摂取量(DMI)の改善だという。
そこで同社は、アスペルギルス属の菌やルーメン微生物培養抽出物、イースト菌などを成分とした微生物添加剤(TAM-100)を開発。その給与により、ルーメン微生物の増殖促進、DMI増加、摂取エネルギーの増加などにより、乳量増加、繁殖成績向上、体細胞数低下、増体量の増加などに効果が出ているという。
岩手大学でも試験が行なわれ、九州の和牛牧場では既に利用しており、好結果を得ているという。

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韓国視察報告をする安宅一夫氏

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微生物添加剤を紹介する黄教列氏

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