傾斜牧草地の除染技術を開発:畜産草地研究所が福島県内で実演

2012 年 10 月 3 日

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農研機構畜産草地研究所(那須研究拠点)は3日、福島県にある独立行政法人家畜改良センターで、傾斜牧草地における放射性物質の除染技術の開発状況を発表した。これは同研究所の栂村恭子氏を研究総括者として、福島県農業総合センター畜産研究所、松山株式会社らが開発したもの。

飼料圃の放射性物質汚染濃度は、リター部(草の茎葉などが枯れ落ち土壌に積もった部分)や土壌に集中しており、プラウなどによる深耕起とディスク耕を併せるとセシウムの除染に効果的であることが分かっているが、傾斜や石礫の多い牧草地では作業が困難だった。

このため、堤防畔草などの刈り取りで使われる無線操縦の傾斜用低重心クローラトラクターに装着できる、ロータリーなどのアタッチメントを開発した。このロータリーは、1)油圧で駆動、2)爪部が広い(石に強い)、3)一つのフランジに6枚の爪を装着(砕土・撹拌性能を向上)、4)ゲージ輪をロータリー軸に近づける(地表の凸凹に、より正確な対応)、などの特徴をもつ。

実証試験は傾斜角度10から12度程度をカバーしており、一般の乗用トラクターでは深耕作業が困難な傾斜牧草地の汚染がより早く進むことを目的としている。今後、実際の草への除染効果やロータリーの耐久性などの試験を経て実用化をめざしている。

問い合わせは畜産草地研究所へ。
http://www.naro.affrc.go.jp/inquiry/index.html

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