牛乳中の放射性物質17都県で検出下限値以下

2012 年 2 月 29 日

Filed under: — maetomo @ 1:57 PM ニュース

一般社団法人 日本乳業協会は2月29日、会員乳業が行なった牛乳中放射性物質検査の結果を公表した。検査は17都県・110工場・117製品と17都府県以外・14工場・14製品。検査対象の牛乳は、主に学校給食向け牛乳。いずれの製品も検出下限値(1kg当たり10ベクレル以下)を下回った。

乳業協会では「自治体によってモニタリング検査され、安全が確認された原乳を使っているので製品は安全で検査の必要はない」との立場を示しているが、今回、「モニタリング検査の検証」と「新規制値適応に先立てて基準適合を確認する」ことを目的に自主検査を行なった。

4月1日に新たな食品中放射性物質規制値が適用され、牛乳は一般食品よりも厳しい1kg当たり50ベクレルとなる。今回の検査では検出下限値を、牛乳よりさらに厳しい飲料水の規制値である10ベクレル以下とした。

23年全道平均乳量、8899kgで46kg増

2012 年 2 月 28 日

Filed under: — admin @ 8:41 PM ニュース

北海道酪農検定検査協会は2月28日、平成23年1〜12月の年間検定成績(経産牛1頭当たり成績:速報)を発表した。それによると、検定農家戸数は4797戸で実頭数は1戸当たり72頭。全道平均乳量は8899kg(前年は8853kg)で前年と比べ46kgの増加だった。乳脂率は4.01%、乳蛋白質率は3.30%、無脂固形分率は8.79%、体細胞数は21万、リニアスコアは2.7だった。

繁殖成績においては、分娩間隔が433日(前年は428日)で前年に比べ5日延び、初産分娩月齢は25カ月だった。
乳量階層別戸数を見ると、平均乳量1万1000kg以上が198戸で4.1%(前年は180戸で3.7%)、1万kg台が600戸で12.5%(前年は568戸で11.6%)、9000kg台は1106戸で23.1%(前年は1154戸で23.5%)、8000kg台は1283戸で26.7%(前年は1348戸で27.4%)だった。
これを市町村別で見ると、乳量は富良野市が1万1065kg(前年は1万1082kg)で前年同様トップ。1万kg以上は北広島市、中札内村、豊頃町、新得町、斜里町、北見市留辺蘂だった。

また、今年度は、乳量階層別生涯成績とりまとめとして、生涯乳量5万kg以上の牛を飼養している検定農家数を公表。1万1000kg以上では189戸・1738頭、1万kg台では573戸・4565頭、9000kg台では1019戸・6311頭、8000kg台では1118戸・5842頭となっている。

「乳用牛遺伝能力評価2012 2月」(国内種雄牛)を公表:家畜改良センター

Filed under: — admin @ 5:35 PM ニュース

家畜改良センターは、2月28日、乳用牛遺伝的能力評価2012 2月の評価結果(国内種雄牛分)を発表した。

今回は9頭の新規種雄牛が入り、8頭が上位40位にランクインした。
なお、本評価結果をもとに、インターブルが算出を行う国際評価値については、平成24年4月3日を公表予定日としている。

評価結果は、同センターホームページからPDFファイルで入手できる。
*家畜改良センター:http://www.nlbc.go.jp

「飼料用米の生産・利用技術マニュアル(2011年度版)」を発行:畜産草地研究所

2012 年 2 月 27 日

Filed under: — admin @ 9:26 PM ニュース

畜産草地研究所は、このほど「飼料用米の生産・利用技術マニュアル(2011年度版)」をリリースした。

当マニュアルは、農水省委託プロジェクト研究「自給飼料を基盤とした国産畜産物の高付加価値化技術の開発」(国産飼料プロ、平成22から26年)、「粗飼料多給による日本型家畜飼養技術の開発」(えさプロ、平成18から21年)で得られた研究成果や既存の研究成果、知見をもとに具体的なデータを紹介しながら、特に地域の技術者等を対象として、飼料用米の生産と利用に役立つことを目的としたもの。

乳牛に関しては、ソフトグレインサイレージなど「加工」について9ページ、濃厚飼料原料としての「飼料給与技術」について40ページほど書かれている。

畜産草地研究所の下記ホームページからダウンロードできる。
http://nilgs.naro.affrc.go.jp

J-milkが牛乳乳製品の栄養及び健康に係る機能に関する研究論文をHPに

2012 年 2 月 23 日

Filed under: — admin @ 10:40 AM ニュース

2月21日、日本酪農乳業協会(J-milk)は、昭和61年から平成22年度までに研究委託を行なった成果の一覧を同協会ホームページに掲載した。

研究の内訳は、「骨強化・骨粗しょう症」に関するものが106題、「リラックス・安眠効果」に関するものが8題、「生活習慣病予防」に関するものが223題、「免疫力アップ」に関するものが40題、「その他」が118題となっている。

牛乳乳製品が健康に及ぼす効果について、いまでは定説となった研究から、最新の研究まで、全国の大学や研究機関の報告が網羅されている。
*日本酪農乳業協会ホームページ:http://j-milk.jp

「尻の角度と繁殖成績の関係」(森氏:千葉共済連)が西川賞:家畜人工授精発表大会

2012 年 2 月 15 日

Filed under: — admin @ 6:07 PM セミナー報告,ニュース

2月15日、社団法人日本家畜人工授精師協会は、東京都内で第40回家畜人工授精優良技術発表全国大会を開いた。参加者は約300名。

テーマは「栄養管理改善により、受胎率を向上させよう」で、乳牛に関するものが5例、和牛が6例。発表者は、家畜人工授精師8名、獣医師3名の合計11名。内容は、精液の融解温度に関するものが1例、受胎率向上が5例、生産効率向上が5例であった。

特別講演では「牛の受胎率向上のための栄養管理の要点」と題し、木田克弥教授(帯広畜産大学畜産フィールド科学センター)が、繁殖を成功させるための第一のポイントは乾物摂取量の最大化、第二が粗飼料の採食量を高めてルーメン発酵を健全に維持すること、など乳牛栄養と繁殖の関係を解説した。

審査の結果、特に優秀な発表者に贈られる「西川賞」に、「表計算ソフトを活用した和牛の授精業務と農家へのデータ還元」(長崎県・永田宗広授精師)と、「乳牛における初回授精時の尻の角度と繁殖成績の関係」(千葉県・森清之授精師)が選ばれた。

森授精師ら(千葉県農業共済連)は、ホルスタイン牛288頭を対象に、尻の角度と受胎率を調べ、「尻の角度の高い牛は尿膣を継発している割合が高く、繁殖成績が悪い傾向がある。尻の角度は遺伝率が高いので、長命連産を達成させるには、それらを意識した種雄牛を選定すべき。また授精時には、シース管カバーを用いて、子宮内に細菌を持ち込まない衛生的な操作が必須」などと発表した。

詳しくは弊誌4月号で。(文責:関東支局)

平成24年度供給目標数量の試算は前年比102.7%(2月3日時点)

2012 年 2 月 13 日

Filed under: — admin @ 2:08 PM ニュース

社団法人中央酪農会議は2月10日理事会を開き、平成24年度の生乳計画生産対策などを議論し、13日、門谷専務が記者レクを行なった。
それによると、理事会の内容は、1)平成24年度の目標生産数量、2)TPP交渉や加工向け補給金単価アップ、3)福島原発事故への対応、などで、2)と3)については酪政連ら関係団体と協力し、政府・東京電力へ要望していく、とした。

喫緊の課題である生乳生産に関しては、既に今後3年間は前年度実績以上の目標数量の配分を行なう中期計画生産に転換することが決まっており、初年度の24年度は、先に公表された日本酪農乳業協会(J-milk)の需要予測(バターベース)を基に、以下の内容となる。

1:販売基準数量(683万3000トン)
平成23年度供給目標数量実績に新規就農枠を加算し、さらに東日本大震災および原発事故による影響を受けた数量を加算。

2:特別調整乳数量(11万1000トン)
国内の乳製品需給の安定を図る観点と、生産者組織による消費喚起や液状乳製品向け生乳の販売努力を通じて期待される需要を加味し、インサンダー率(97%)を乗じた数量。
内訳は、A:J-milk予測数量に国内の乳製品需給の安定を図る要素を加味して設定した数量と、販売基準数量および新規就農枠の差(6万8000トン)、B:特別調整乳数量からAを差し引いた数量で、生乳需給が緩和し、生乳流通に混乱が生じることが見込まれたり、翌年度の生乳計画生産に悪影響を及ぼすことが見込まれる場合は、過剰回避対策を実施することを前提とし、希望する指定団体に配分(4万2000トン)。

3:選択的拡大生産数量
生産枠の拡大を希望する指定団体について、チーズ・全乳哺育向けおよび通常の生乳市場と区分した新たな生乳需要を計画的に創出する数量で、実績の確認できる数量を、選択的拡大生産数量として配分する。

これら1、2、3を合わせた数量が「計画生産目標数量」となり、1および2は5月21日までに各指定団体に配分し、3については5月末までに申請すること、となっている。

2月3日時点の試算では、「供給目標数量(上記1+2)」は北海道339万7885トン(前年比102.5%)、東北60万589トン(同107.1%)、関東116万4700トン(同102.7%)、北陸10万5106トン(同103.7%)、東海40万3956トン(同101.4%)、近畿18万9017トン(同102.1%)、中国29万2310トン(同101.0%)、四国13万7958トン(同101.9%)、九州65万1675トン(同101.9%)となり、全国では694万3196トン(同102.7%)。(ただし、今後の受託実績の変動などで、数値が変わる可能性もある)

中央酪農会議では「酪農現場の生産意欲を落とさないことに配慮した、若干の余裕をもった数字だ」(門谷専務)としている。

また、「国産生乳需要拡大定着化促進事業」についても原発事故問題を重点事業に位置づけるほか、「MILK JAPAN」運動の最終年度として重点化し、地域活動との一体的な展開で継続実施する、としている。(文責:関東支局)

第3回光岡賞は齋藤忠夫教授(東北大学)に:JIDF報告会で授与

2012 年 2 月 6 日

Filed under: — admin @ 4:35 PM ニュース

2月6日、国際酪農連盟日本委員会(JIDF)は、都内で催された平成23年度国際会議出席報告会で、今年度の光岡賞受賞者の齋藤忠夫氏(東北大学大学院農学研究科教授・日本酪農科学会会長)の表彰式を開いた。

受賞研究題目は「プロバイオティク乳酸菌の機能性に関する研究」。その功績として、学術研究を通じて我が国における牛乳・乳製品の普及に努め、酪農乳業界における功績は大きい、などと評した。
研究業績は、1)乳酸資化系酵素の研究と乳糖不耐症用ヨーグルトに関する研究、2)ヒト腸管付着性乳酸菌の研究と炎症性腸疾患用ヨーグルトに関する研究、3)その他、乳酸菌に関する研究。齋藤教授には、原著論文、解説、著書が多数あり、また一般市民向けの講演などでも活動(DJニュース2月4日参照)。

記念講演で齋藤教授は「乳糖不耐症や炎症性腸疾患用のプロバイオティクスの評価システム構築と製品化への新展開」と題し、乳酸菌を基にした新しい研究・知見などを報告した。

写真は、右が齋藤教授、左が海野JIDF会長。なお、2013年には横浜で、IDFワールドデイリーサミットが開かれる。

牛乳・乳製品の機能性・おいしさを科学する 酪総研シンポジウム

2012 年 2 月 4 日

Filed under: — djito @ 6:16 AM ニュース

雪印メグミルク・酪農総合研究所は3日、札幌で「牛乳・乳製品の機能性・おいしさを科学する」と題して平成23年度「酪総研シンポジウム」を開催。
酪農家や関係機関、関連企業など200人以上が参加した。

本シンポジウムは、基調講演、話題提供、意見交換の3部構成となっており、
基調講演では、堂迫俊一氏(雪印メグミルク・ミルクサイエンス研究所主事)が「ミルクの神秘」と題し、ミルクの奥深さを語った。

話題提供では、
齋藤忠夫氏(東北大学大学院農学研究科教授)が「乳製品中の有用成分とその機能性」で、乳が食品として分子設計された唯一の天然物であることを伝えた。
阿久澤良造氏(日本獣医生命科学大学応用生命科学部教授)は「牛乳のおいしさと、その決め手」で、牛乳のおいしさは原料乳とその処理方法で決まることを解説。
松井英美子氏(札幌消費者協会理事)は「牛乳・乳製品に求めるもの」で、食事への牛乳・乳製品プラスワンでバランスが良くなると語った。

その後の意見交換では、研究者をはじめ行政などとも協力して、今後の牛乳・乳製品について考えていくことが必要であるとし、食育による牛乳・乳製品での病気予防などでも、さらに研究が必要になってくるなど、今後の課題についても話し合われた。

牛用飼料の放射性セシウム暫定許容値は100ベクレル以下に

2012 年 2 月 3 日

Filed under: — admin @ 10:41 PM ニュース

農水省は2月3日、牛用飼料に対する放射性セシウムの改訂後の暫定許容値を、1キロ当たり100ベクレルに決めたと発表した(粗飼料は水分含有量:8割ベース、その他飼料は製品重量)。

同省では、食品の基準値を超えない牛乳や牛肉が生産されるよう改訂後の暫定許容値以下の粗飼料への切り替えを速やかに進めるとし、改訂後の暫定許容値以下の粗飼料の確保が困難な場合、乳用牛については3月15日までに改訂後の暫定許容値以下の粗飼料への切り替えを行なうとしている。

また、 今後収穫される牧草が改訂後の暫定許容値を上回ると予想される牧草地について、表土の削り取り、反転耕、耕起等による除染、デントコーン等への作付転換を進め、平成24年に圃場から収集する稲わら(春わら)については、検査したうえで、流通・利用を行なうとしている。

平成23年産牧草のモニタリング調査において、改訂後の暫定許容値を上回る放射性セシウムが牧草から検出された地域を有する県(注)では、県内で生産される平成24年産永年生牧草の飼料としての流通・利用の自粛を要請し、改めて調査を行なったうえで、流通・利用の自粛の解除を判断するよう指導するとしている。
(注) 岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉

原発事故発生県や周辺県などで、永々と自給粗飼料に励まれてきた方々にとって、まことに悔しい数字だと思う。(文責:関東支局)

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