牛乳の消費拡大には「もっと利用しやすさ」を:畜産経営経済研究研究・第14号発刊

2012 年 7 月 5 日

Filed under: — admin @ 5:45 PM ニュース

畜産の研究者、行政、実務家などで構成されている畜産経営経済研究会(会長・小林信一:日本大学教授)は、「畜産経営経済研究」第14号を発刊した。同号には、3つの論文が収録されている。

「A生協組合員における牛乳に対する消費者行動」(日本大学 小泉聖一・小林信一)は、一人・一日当たりの牛乳消費が1960年の10.7kgから1994年には41.6kgと伸びたものの、その後、減少基調に入り、2009年にはピーク時の約8割まで下がったことを踏まえ、消費の促進抑制要因などをA生協の組合員調査から探ったもの。

それによると、消費が消極的になったのは「価格的な側面ではなく、利便性による部分がかなり関わっている事が推察された」として、「利用しやすい牛乳をいかに消費者に提供する事が出来るかが、消費拡大にとって最も重要な側面である」と結言している。

なお、同研究会は7月21日に平成24年度シンポジウムを予定している(「酪農乳業イベント情報」参照)。(文責:関東支局)

第14回全国ホル共進会は3年後に北海道で

2012 年 7 月 2 日

Filed under: — djito @ 4:07 PM ニュース

日本ホルスタイン登録協会は6月22日の通常総会で、平成27年度に第14回全日本ホルスタイン共進会(以下、全共)を北海道で開催することを決定し、北良治会長(北海道ホルスタイン農協組合長)が7月2日に北海道庁を訪れ、高橋はるみ道知事に協力要請した。

北会長は「北海道開催は初めてであり、ぜひ北海道でやってほしいという全国的な要望も多いことから、災害復旧に向けて全国の酪農家を元気づけようと北海道開催を決定した。ぜひ知事に先頭に立っていただきたい」と協力を要請。
高橋知事は「格式ある全国大会だけに、われわれもしっかりと連携し対処していきたい」と述べた。

前回(平成22年度)の第13回全共も北海道大会が決定していたが、宮崎県での口蹄疫発生を受け翌年に延期され、さらに同23年度の予定は東日本大震災と福島原発事故などの諸情勢を鑑み中止となった。
ゆえに同27年度に開催されれば、第12回栃木県大会(同17年度開催)以来10年ぶり、北海道で初の全共となる。

写真=第14回全共北海道大会の協力を要請する北良治会長と、それに応える高橋はるみ知事

ニュージーランド酪農は乳価が堅調なら、さらなる増産可能:農畜産業振興機構セミナー

2012 年 6 月 28 日

Filed under: — admin @ 8:10 PM セミナー報告,ニュース

独立行政法人農畜産業振興機構は28日、「ニュージーランド(NZ)酪農における生産拡大の可能性」についてセミナーを開き、約100名が参加した。同機構が今年2月に現地調査を行なった内容を報告したもの。

報告は、同機構調査情報部部長の岩波道生氏、同部の前田昌宏氏が行なった。概要は次の通り。

1:NZ酪農は戸数は1万1735戸、放牧形態で平均頭数385頭、平均乳量3829リットル、総生産量1740万トンで拡大基調にある。生乳取引は乳固形分単位で行なわれる。
2:生産量は全世界の3%。生産量の95%がバター、全粉などで輸出される世界最大の輸出国。乳価は国際価格で決定される(日本の輸入シェアはバターで第一位、チーズで第二位)。
3:生乳生産量は11/12年度で前年比約1割増の見込み。背景には、1頭当たり乳量増だけでなく、増頭がある。それを可能にしたのは、牧草地の拡大と家畜の放牧密度の上昇。
4:牧草地の拡大は灌漑施設の整備、家畜密度の上昇は補助飼料(例:パーム粕、トウモロコシサイレージなど)の利用等があげられる。
5:乳価が堅調なら、さらなる増産は可能。今まで以上にNZの生産動向を注視していくことが必要。今後10年間で現在の3割増は可能で、供給国としての存在感が増大する。
6:一方、乳価が下落した場合は投資額の大きな酪農家のキャッシュフローが悪化し、その対応として従来型の放牧への依存度を高めるなどの低コスト化志向となり、生産構造に大きな影響を与えることが予測される。

ちなみにオーストラリア酪農の生産量は、2001年度をピークに減少傾向にある。(文責:関東支局)

*農畜産業振興機構ホームページ: http://www.alic.go.jp/

酪農乳業が強くなっていくことを考えなければならない/雪印メグミルク

2012 年 6 月 27 日

Filed under: — djito @ 3:11 PM ニュース

雪印メグミルク(株)は27日、札幌市で「第3回定時株主総会」を開催した。
中野吉晴社長は事業の経過およびその効果を報告した後、
「昨年は東日本大震災という未曽有の事態が発生したが、役職員が一丸となって立ち向かった。この経験が、目指すところの競争力のある新しい総合乳業会社を自分たちの手で作っていくという想いを強くした」
と昨年度の感想を述べた。

総会後の会見では、今年度の乳価交渉で北海道の用途別生乳価格が平均で2.31円引き上がったことへの質問に対して、
増産への期待を含んでいることを前置きしたうえで、
「日本の酪農乳業界が安定的に発展していくためには、増産と減産を繰り返すような形ではなく、生産者が安心して将来に向けて生産してもらい、乳業者はそれに付加価値を付けて消費者に安定的に届けていくという構造を早く作らなければならない。日本の酪農乳業が強くなっていくためには、長期的な視野で、どうしなければならないかを考える必要がある」
と同社長は述べた。

乳用牛への黒毛和種交配は27.6%(平成24年1から3月期):人工授精師協会公表

2012 年 6 月 22 日

Filed under: — admin @ 5:08 PM ニュース

6月22日、社団法人日本人工授精師協会は、平成24年1月から3月期までの黒毛和種の交配割合を発表した。

それによると、全国平均で27.6%(前年比0.3%増)。北海道は16.5%、都府県は39.5%だった。

黒毛和種の交配率は平成18年に全国平均が33%(うち都府県は44.6%)とピークになり、その後漸減してきたが、同22年7月から9月期に30.6%となり、いったん下がったものの、今回やや上昇した。

黒毛和種の交配率が搾乳牛の全国生産量に影響を与えるのは、妊娠および育成期間を経た3年後となる。(文責:関東支局)

栃酪乳業がWFP「未来へ結ぶ」キャンペーンを開始:6月は牛乳月間

2012 年 6 月 19 日

Filed under: — admin @ 10:26 AM キャンペーン,ニュース

栃木県宇都宮市に本社のある栃酪乳業は、6月15日から7月15日まで、「未来へ結ぶ」キャンペーンを行なっている。

これは、昭和32年から学校給食牛乳とかかわってきた同社が、WFP(国連世界食糧計画)の学校給食プログラムを支援することで、世界の子供たちが健全に成長することに協力するもの。

インターネットにある同社ホームページのキャンペーンに、
1 「いいね!」をクリックすると1給食
2 応援コメントを書いていただくと1給食
3 同社商品と一緒に写っている笑顔の写真をメールすると1給食

の3つの応募方法があり、上記1点につき一日1給食相当30円が、同社からWFP「学校給食プログラム」に寄付される。
酪農乳業界だけでなく、世界の食料問題まで視野を広げた取り組みだ。

栃酪乳業は、250余名の酪農家組合員を擁する栃木県酪農業協同組合を母体とし、牛乳、乳飲料を製造し販売している。県内全域の約1万3000頭の乳牛から搾られた、新鮮で安全な生乳で商品がつくられている。(文責:関東支局)

*WFPホームページ  http://www.wfp.or/jp
*栃酪乳業ホームページ http://tochiraku.jp/sp/campaign/cp1205a

第7回食育推進全国大会で、酪農と牛乳乳製品をアピール:「6月は牛乳月間」

2012 年 6 月 16 日

Filed under: — admin @ 5:27 PM ニュース,業界情報

毎年6月の「食育月間」に、内閣府は農水省、厚労省をはじめ、地方行政、関係組織等らと、「食育推進全国大会」を開催し、食育について国民への直接的な理解促進を図っている。

第7回大会は、東日本大震災の被災地との食のつながりを実感すること、食の楽しさ・喜びを体感すること、開催地らしい食を発信することをコンセプトに、食育への関心を高める「食のフェスティバル」を6月16日、神奈川県横浜市内で開いた。

会場は、はまぎんホールとパシフィコ横浜展示ホール。鼎談「食の大切さをあらためて考える」、「パネルディスカッション」、「講演」、「料理教室」、全国各地の食育活動のパネル展示のほか、

行政・学校・栄養士会・医師会などを含め、160以上のブースで即売やプレゼンテーションが行なわれた。また、東日本大震災や竜巻などの被災県の特産品が販売され、終日、多数の参加者で賑わった。

酪農乳業は、日本乳業協会、農畜産業振興機構、明治、森永がブース展示を行なったほか、「牛乳月間」の取り組みの一環として、野外会場に関東生乳販連と酪農教育ファームが出展。手搾り体験、哺乳体験、牛乳消費喚起活動「MILK JAPAN」のPRなどを行なった。大会は17日も行なわれる。(文責:関東支局)

*食育(しょくいく):
国民が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、食について考える習慣、食に関する知識と食を選択する判断力を楽しく身につけるための取り組み。2005年に「食育基本法」が成立。生きるための基本的な知識であり、教育の基礎となるものと位置づけられている。

県民の日にあわせ、牛乳乳製品をPR:栃木県普及協会「6月は牛乳月間」

2012 年 6 月 15 日

Filed under: — admin @ 7:06 PM ニュース

6月15日は栃木県の「県民の日」。
県産農畜産物の展示即売会が、宇都宮市の県庁前広場で開かれた。

酪農では、県牛乳普及協会と酪農青年女性会議が出展。
バターづくり、試飲などを行なった。
今回は6月2日に、同市内の商店街広場で催したのに続き2回目。

栃木県の年間生乳生産量は都府県で1位(平成23年度、農水省統計)で、
栃木県 30万3170トン
群馬県 24万7883トン
熊本県 24万2424トン
千葉県 23万9825トン ・・・となっている。

なお、日本最多の生産農場は茨城県にある農場で、年間約2万2000トン、
同農場グループ全体では3万トン超となる:平成23年度。(文責:関東支局)
 

関東しゃくなげ会開催

Filed under: — maetomo @ 5:26 PM セミナー報告,ニュース

ZENOAQ 日本全薬工業株式会社は6月15日、都内で関東しゃくなげ会第33回研修会を開催した。テーマは「産業動物医療の最新情報!! 繁殖障害の取り組み第1歩」。
研修会では、「牛の発情および発情兆候と授精適期」(東京農工大学獣医学科・加茂前秀夫教授)、「牛の繁殖成績の現状と向上対策」(酪農学園大学酪農学科・堂地修教授)、「1農場におけるF1雌牛をレシピエントとした胚移植成績向上の取り組み」(千葉県農業共済組合連合会・原誠技術副主査)の講演が行なわれた。この中で堂地修教授は乳牛の繁殖成績改善には適切な飼養管理が重要で、そのためには生産者と獣医師のコミュニケーションが大切だと話した。
講演後は、総合討議および質疑応答、従来品に比べて4倍のセレンを配合した新商品「鉱塩セレニクス60TZ」の説明が行われた。

平成23年度酪農全国基礎調査結果をHPに公表:中央酪農会議

2012 年 6 月 11 日

Filed under: — admin @ 9:37 PM ニュース,業界情報

社団法人中央酪農会議は11日、同会議ホームページに平成23年度酪農全国基礎調査の結果を掲載した。

調査は平成23年8月1日時点で得た回答を分析したもので、全国3000農場を地域別に割りふり、任意アンケートした。

調査は「生乳の需給・流通構造並びに必要な政策的支援を方向付けるため、酪農経営の実態を明らかにするとともに、指定団体等による課題解決に向けた取組みに資するため、酪農家の経営計画(意向)を把握することを目的として実施した」としている。

詳しくは同会議HPからダウンロードできる: http://www.dairy.co.jp/

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