実証! ICTで労働力削減&生産性向上 北海道別海町 (有)エスエルシー

2020 年 11 月 7 日

Filed under: — djito @ 3:34 PM ニュース


東京理科大学の大和田勇人教授らによる「オールICTシステムファームにおける労働力不足解消技術体系の実証」のモデル農場である(有)エスエルシー(売場純代表取締役)で11月6日、地元農業高校の生徒らを対象とした現地講習会が行なわれた。
参加したのは、中標津農業高校、別海高校、標茶高校の生徒(各校5名程度)と関係者ら約30名。
午前は座学、午後は現場視察が行なわれた。

座学では、まず大和田教授がこのプロジェクトの内容と目的などを解説した。
このプロジェクトは、労働力負担が大きい作業(繁殖管理、分娩管理、給飼管理、子牛管理)でスマート技術による労働力の削減と生産性の向上を実証することを目的としている。
さらに、こうした新しい働き方の酪農業を実践・発信することで、従業意欲のある人材を育てること、地域の酪農の担い手輩出に貢献することをねらいとしている。

続いて、同牧場の米内陸真統括マネージャーが、牧場の概要、導入したICTシステム概要として、搾乳ロボット「VMS」、個別哺乳ロボット「カーフレール」、業務データの管理と活用について解説した。
搾乳ロボット導入で作業時間と作業人数が減ったこと、個別哺乳ロボット導入で初生牛(ホル雄、F1、黒毛和牛)の市場出荷価格が市場平均価格比85%から133%に上がったことなど、手応えを具体的な数字を交えて紹介した。
さらに、ICTの目的と効果は、労働力の削減、労働時間の減少、労働負担の軽減、人件費の抑制にとどまらず、高度な情報管理、賢い人材の育成、課題の見える化、業務効率の追求にあると語った。

その後、デラバル(株)の有吉忠広プロジェクトサポートマネージャーが、デルプロ牛群管理ソフト、アクティビティ・メーター、ハードナビゲーター(生乳分析装置)、BCSカメラなどについて詳しく紹介した。
続いて、オリオン機械(株)トータルソリューション部の和田雅樹営業グループ主任が、カーフレールとカーフフィーダーについて詳しく解説した。

現場視察では、ICTシステムの実際を熱心に見学し、質疑応答が活発に行なわれた。
なお、こうした現地講習会は、あと2回の開催が予定されている。

●言葉の解説
【スマート農業(技術)】ロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業(技術)
【ICT】情報通信技術(Information and Communication Technology)
【オールICTシステムファーム】生産工程全体にスマート技術を導入しICTを活用する農場

●(有)エスエルシーの概要
□乳牛飼養頭数500頭(うち経産牛290頭)。
 泌乳成績で高ランク乳牛には性選別精液で後継牛確保、低ランク乳牛には和牛ETという繁殖方針
□従業員9名(正社員6名、外国人実習生3名)
□2018年に個別哺乳ロボット「カーフレール」導入、2020年に搾乳ロボット「VMS」導入の新牛舎稼働。
 現在は、搾乳ロボット牛舎で約170頭搾乳、従来のアブレスト式ミルキングパーラーで約80頭搾乳

※詳報は、Dairy Japan 1月号で。

デジタルバージョンのユーロティア/エナジーデセントラル デジタル開催決定

2020 年 11 月 4 日

DLG e. V.(ドイツ農業協会)は2021年2月9~12日、デジタルバージョンのユーロティア/エナジーデセントラル デジタル「EuroTier/EnergyDecentral digital」を開催する。

コロナウィルスのパンデミックに関連した不安定な国際情勢の観点、および業界代表、諮問機関、およびパートナーとの協議により、DLGは2021年2月9?12日ドイツ連邦共和国ハノーバー市ハノーバー国際見本市会場にて開催を予定していた家畜生産に関する世界トップクラスのトレードフェア ユーロティア2021「EuroTier2021」、およびイノベーティブなエネルギー供給に関する国際トレードフェア エナジーデセントラル「EnergyDecentral」の物理的な開催中止を決定。デジタルバージョンのユーロティア/エナジーデセントラル デジタル「EuroTier/EnergyDecentral digital」 を2021年2月9日?12日に開催することを決定した。

「EuroTier/EnergyDecentral digital」は、出展者にデジタルビジネスパッケージによる幅広いオファー、最大限のフレキシビリティーを、来場者には広範囲のテクニカルプログラム、魅力的なネットワーキングを提供する。
DLGは2021年に畜産および分散型エネルギー供給のあらゆるトピックスをカバーする追加的なイベント、トレードフェアを企画している。

初回AI受胎率:未経産・経産ともアップ 北海道家畜人工授精師協会

2020 年 9 月 26 日

Filed under: — djito @ 5:13 PM ニュース

北海道家畜人工授精師協会は、2019年の人工授精実施成績を取りまとめた。

乳用牛の初回授精実頭数は、未経産11.9万頭、経産25.8万頭。

その初回授精受胎率は、以下のとおり。
未経産53.9%(前年比1.2ポイントアップ)
経産37.5%(前年比0.5ポイントアップ)
未経産・経産合計42.8%(前年比0.8ポイントアップ)

YouTubeチャンネル開設:リサール酵産

2020 年 9 月 25 日

Filed under: — Yayoi Uruno @ 3:30 PM ニュース,新型コロナウイルス感染症

リサール酵産(株)は、新たな営業展開(コロナ禍対策)としてYouTubeチャンネルを開設した。
公式チャンネルは以下にアクセス(https://www.youtube.com/channel/UC_dEPHNeO83br8mBHvspnZg?sub_confirmation=1)。

手間なく不受胎確認 「乳検PAGs検査オプション」開始 北酪検

2020 年 9 月 24 日

Filed under: — djito @ 4:50 PM ニュース

北海道酪農検定検査協会は10月から、乳検サンプルを使って効率的に妊娠確認ができる「乳検PAGs検査オプション」を開始する。

PAGs検査(パグ検査)とは、妊娠時に胎盤から産生される「妊娠関連糖蛋白」を乳汁で検出する検査。授精後28日から開始でき、不受胎牛を早期に摘発できるもの。

同協会では2018年より検査を実施しているが、従来は農場自身が検査対象牛を抽出したうえでサンプル採取し、その都度申し込むという方式だった。
しかし、新サービスの「乳検PAGs検査オプション」を利用すれば、月1回の検定で採取する乳検サンプルからPAGs検査を受けることができる。また、検査してほしいタイミングを事前に申請するだけで、検定員が検査対象牛を抽出してくれる。
つまり、自身でのサンプル採取が不要となり、かつ対象牛の選定・検査申し込み書の作成も不要になる。

事前に申請する検査タイミングは、授精後「28~59日」「60~99日」「100~179日」「180~280日」の4区分から選択できる。分娩までに複数回の妊娠確認を行なうことが望ましいことから、複数区分の選択を推奨している。
検査結果は、FAX、メール通知、牛群検定Web システムDLで確認できる。

検査料金は1検体当たり600円(税抜き)で、補助事業期間中は半額が助成される。

問い合わせは、所属の検定組合、もしくは北海道酪農検定検査協会(TEL 011-271-6057)へ。

ファームノートが新機能(肥育牛向け起立困難検知機能)の試験提供開始

2020 年 9 月 9 日

Filed under: — djito @ 4:58 PM ニュース

酪農・畜産向けIoT(物とつながるインターネット)システムを提供する株式会社ファームノート(本社:北海道帯広市、代表取締役 下村瑛史氏)は、人工知能(AI)を活用した牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」の新機能として、肥育牛向け起立困難検知機能の試験提供を開始した。

この新機能は、「Farmnote Color」が牛の行動データを収集し、そのデータをAIが牛の起立困難状態の判定・検知を行ない、生産者のスマートフォンやタブレットにプッシュ通知で知らせるもの。

この新機能の試験提供として、本日(9月9日)より、利用を希望する生産者の募集を開始した。
詳しくは以下にアクセスを。
https://farmnote.jp/press-release/20200909.html

ファームノートが自社牧場を立ち上げ生産開始

2020 年 9 月 4 日

Filed under: — djito @ 4:09 PM ニュース

酪農・畜産向けIoT(物とつながるインターネット)システムを提供する株式会社ファームノートホールディングス(本社:北海道帯広市)の子会社である株式会社ファームノートデーリィプラットフォーム(本社:北海道標津郡中標津町、代表取締役・小林晋也氏)は、中標津町に自社牧場を立ち上げ、酪農生産を開始した。

同牧場の生産規模は、搾乳牛110頭、全飼養頭数170頭。飼養形態は、搾乳ロボット、フリーストール・フリーバーン併用。
自社グループの製品群の導入はもとより、牛舎レイアウトには海外の設計思想を採り入れ、効率的で生産性の高い牧場を目指す。

なお、10月以降に、視察受け入れを開始する。
視察申し込みは、ファームノートWebサイトまたはファームノート公式SNSで案内する。

※詳細は以下へ。
https://farmnote.jp/press-release/20200902.html

酪農・乳業を応援する「酪農フォトコンテスト」開催 酪農学園大学

2020 年 9 月 1 日

Filed under: — djito @ 10:45 AM ニュース

コロナ禍で、全日本ホルスタイン共進会の開催中止、牛乳・乳製品の需給バランス悪化など、酪農・乳業界に大きな打撃が生じているなか、酪農学園大学(北海道江別市)は、酪農・乳業界を応援するため「酪農フォトコンテスト」を開催する。
酪農業界がもっと元気になれる作品、酪農の魅力や牛の魅力、牛乳・乳製品の魅力が伝わる作品を募集する。

●部門・テーマ・応募資格
□酪農家部門:自慢の乳牛、牧場の風景など
□未来の酪農家部門:自慢の乳牛、牧場の風景など(学校の牛や風景も可)
□一般部門:酪農・乳業に関連するもの
□牛グッズ部門:自慢の牛グッズ

●賞
□最優秀賞(1点):図書カード5万円ぶん、酪農学園大学オリジナル乳製品セット
□部門賞(各1点、計4点):図書カード2万円ぶん
□参加賞:酪農PLUSマスコットキャラクター「サンディー」グッズ

●応募方法
写真プリント(郵送)または電子データ(応募フォーム)

●募集締切
11月30日(月)
※詳細は以下の特設サイトへ。
https://exc.rakuno.ac.jp/photo2020.html

ファームノート 下村瑛史氏が代表取締役に

2020 年 8 月 31 日

Filed under: — djito @ 11:12 AM ニュース

クラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」や牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」などを開発・提供をしている株式会社ファームノート(本社:北海道帯広市)は、9月1日付で代表取締役が交代し、下村瑛史氏が就任する。

下村瑛史氏は2014年にファームノートへ入社。全国の生産者との関係作りに力を注ぎ、信頼を得てきた。
2016年には北海道セールスマネージャーとして重要商圏の事業成長に貢献。
2019年には取締役 専務執行役員に就任し、事業全体を統括。
累計利用ユーザー数4400件、牛の利用頭数では国内登録数10%超の42万頭(2020年8月末現在)まで事業を成長させた。

前代表の小林晋也氏は代表取締役を退任し、株式会社ファームノートホールディングス代表取締役 兼 株式会社ファームノートデーリィプラットフォーム代表取締役として、グループ全体のビジョン・長期戦略の構想と策定、グループ経営の統括、グループ全社員に対するリーダーシップ開発・マネジメント育成などに注力し、事業と人の成長に貢献していく。

酪農作業マニュアルのひな形「デーリィNavi」無償提供サービス開始 全酪連・ホクレン・釧路農協連

2020 年 8 月 19 日

Filed under: — djito @ 9:00 AM ニュース

作業する人(あるいは牧場)によって結果が違う――これは酪農現場“あるある”の一つであり、それが生産性の格差を生む大きな原因となっている。この課題を解消しようと、全国酪農業協同組合連合会、ホクレン農業協同組合連合会、釧路農業協同組合連合会の三連合会が協力して数年かけて作成してきた、書き換え自由な酪農場の作業マニュアル「デーリィNavi」が完成し、無償提供サービスを始めた。

その「デーリィNavi」とは、酪農場の8項目(搾乳、繁殖、分娩、子牛、乾乳、給飼・水、蹄、農場衛生)における「作業標準書」のテンプレート(ひな形)。Microsoft・Wordファイルで作成されており、それを自分の酪農場に合わせて書き換えることで、わが家(農場)の作業マニュアルが簡単に作成できる。

「デーリィNavi」を活用して遵守することにより、作業結果のバラツキが大幅に抑えられ、生産性や安全性の向上につながることが期待される。また、作業者同士のコミュケーション、新人教育のみならず、親子や夫婦など長年一緒にやっている作業の共通認識を生むこともできる。

なお、「デーリィNavi」は、デンマークのSEGES(農業アドバイザリーサービス)が発行・活用して成果をあげている作業標準書を参考に、日本の酪農場の実情に応じて編集して作成されたもので、先の三連合会が版権を得ている。

「デーリィNavi」を運営する三連合会のプロジェクトチームは、「デーリィNaviを活用して、作業を標準化することのメリットを、ぜひ実感していただきたい。書き換え作成に際しては、農場に関わっている農業改良普及員や関係機関、企業の方々も支援、協力していただけたら、よりメリットが高まるはず」と普及効果を期待している。

「デーリィNavi」を入手するには、以下の専用ホームページにアクセスする。
http://946nokyoren.or.jp/dairynavi/

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