誰でも一目でわかる

釧路管内の牧場Tは、設立当初から「乳質向上」に注力しています。
その一環として、バルクに入れてはならない(別搾り)牛または分房を、「誰でも一目でわかるようにしておく」という工夫を施しています。
それは、牛の後ろ足に以下の目印を付け、パーラーに牛が入ってきたときに一目瞭然というものです。

〇赤色ガムテープ=抗生物質治療牛(ホスピタル群にしかいない。バケット搾乳する)
〇緑色ガムテープ=クォーターミルカー搾乳牛(前乳房が対象)
〇黄色ガムテープ=クォーターミルカー搾乳牛(後乳房が対象)
〇青色ガムテープ=盲乳のある牛
〇ピンク色とオレンジ色のリボン=SA牛(ホスピタル群にしかいない。ディッピングはピンク色とオレンジ色のリボンの付いた容器で)
〇オレンジ色リボン=搾乳速度の遅い(渋い)牛(パーラーに入ってきたら直ちに乳頭刺激、ミルカーの離脱は手動で)

なお、搾乳前に5分間程度のミーティングを行ない、新しく加わった要注意牛などを確認し合います。

※詳報は、近日発売のDairy Japan 2月号で。

笑って知識が身につくおすすめ書籍

昨年末、本社に納品された最新書籍が『お気酪獣医 クスリの処方箋』。Dairy Japan連載でおなじみの、島本正平先生ご執筆の一冊です。

本書は「作業マニュアルの作成」「アニマルウェルフェア」「ダウナー牛の看護」「酪農場の安全対策」「子牛の事故低減」「耐性菌問題」「獣医鍼灸」「初乳管理」の八つをテーマに解説した酪農経営に役立つ書籍です。最大の特徴は、イラストやマンガを取り入れ、そしてふんだんにジョークを盛り込んだ「今までにない技術書」であることです。

この特徴によって、「お気酪」かつ「クスリ」と笑いながら読み進めることができます。私の初笑いも本書を読んでのこと。

「活字ばかりの書籍はちょっと苦手」という方にも、自信を持っておすすめできる一冊です。もちろん、笑うだけでなく、きちんと知識を身につけることができます。

ぜひ、今年の笑いにこの一冊を!

『お気酪獣医 クスリの処方箋』

2020年の幕開け♫


新年明けましておめでとうございます!

記念すべき2020年がスタートしました!
今年は全共や東京五輪など、酪農業界そして日本全体が盛り上がる大イベントがありますね!皆様にとって素晴らしいものとなるよう願っております。

今年もDairyJapanでは、皆様のお役に立つ技術情報を
わかりやすくお届けしていきます!
2020年が世界中の人々にとって素敵な年となりますように♪

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

わかりやすく伝える

搾乳衛生なくして良質乳なし――釧路管内の牧場で、この標示を見て、改めて思いました。
それと同時に、時代は変われども、ルールを正確に伝えて順守してもらうためには、この方法が最良であることも改めて思いました。

大事なことを、わかりやすく、正確に伝える――Dairy Japanは来年も、それを大切にしていきます。
皆さま、良いお年をお迎えください。

自動搾乳システムの可能性

先日、デラバル株式会社が主催する「AMSカンファランス」にお邪魔しました。カンファランスでは同社のVMSやAMRユーザーなどが多数参加していました。
国内外のデラバル職員や研究員の方々がVMSやAMRの機能説明をするだけでなく、付帯設備の有効な使い方、ソフトウェアの利活用方法、そして搾乳ロボット牛舎設計のヒントなどを講演していました。海外ではVMSとAMRを組み合わせた農場システムを展開する牧場もあるようで、フレッシュ群や治療群をVMSで、通常の搾乳牛をAMRで搾乳するという方法をとっているようです。
そして興味があったことの一つが、メガロボット牛舎での群分け。とくにVMSのようなボックス型の搾乳ロボットを複数台、複数牛群での管理する際の群分けについてでした。能力や泌乳ステージに応じて群分けをするのか、泌乳ステージなどを加味せずに頭数割で群分けするのかといった具合です。前者では飼料設計の幅が広がり、より適切な栄養管理ができるメリットがある反面、群を移動させることによるストレスがネガティブ要因になります。後者は飼料給与メニューを一本化できるため給飼管理が楽になる、群移動のストレスがないといったメリットがあります。結論は、「経営者判断」ということになりますが、こうしたカンファランスは、「これから搾乳ロボットを導入したい」という人にとって非常に有用なものだなと感じてました。