初乳は見た目じゃわからない

オホーツク管内のTさん、初乳はすべて糖度計で免疫グロブリン含有量を必ずチェックします。
Brix値「22」を基準とし、それを下回るものには初乳製剤(初乳パウダー)を溶かして与えます。

基準値に満たない初乳の頻度は約半数と想像以上に多く、それは産次や血統には関係ないそうです。
ただ、「乾乳牛舎が混み合うとBrix値が下がる傾向にある」とのこと。
したがって、「初乳の品質は乾乳牛のストレスのバロメーターだ」と言います。

このように初乳の品質に気をつけるようになってからは、病原性の下痢は激減し、栄養性の下痢になっても元気維持のまま回復するケースが多くなったそうです。

※詳細は来週発売のDairy Japan 3月号で

写真は先日訪れた宮崎県で撮影した畜魂碑です。平成22年4月に発生し猛威を振るった口蹄疫。それによって殺処分を余儀なくされた牛を祀って建てられたものです。畜魂碑に手を合わせ、改めて口蹄疫の脅威と牛達、そして農家さんの無念さを感じました。
さて1月28日、韓国農林畜産食品部は、京畿道安城(アンソン)市の牛飼育農場において、2018年4月以来約8ヶ月ぶりに口蹄疫の発生を確認したと発表しました。また昨年だけでも、中国の各地で口蹄疫が発生しています。
そして昨年9月に26年ぶりに国内で発生した豚コレラは、2月6日までに岐阜県、愛知県、長野県、滋賀県、大阪府での発生が確認され、国内の畜産に大きな影響を与えています。
これらの家畜伝染病の脅威は、言わずもがなです。現代は世界的な規模でモノや人が行き来します。酪農経営においてもすべてを自己完結させることは不可能です。
写真整理中に目に留まった畜魂碑。こうした悲劇を二度と繰り返さないために、ぜひ、バイオセキュリティ意識をしっかりと高め、できうる最高レベルでの対策に取り組んでください。

Dairy PROFESSIONAL最新刊のご案内

 Dairy Japan臨時増刊号《Dairy PROFESSIONAL》最新刊が発売されました。
 本誌をご購読いただいている皆様のお手元に届いた頃と思います。

 今回の特集は【今、繁殖を見直そう】
 周知のとおり、酪農経営にとって繁殖サイクルは最も重要な要素の一つです。分娩間隔の遅延は乳量の減少のみならず過肥傾向で分娩を迎えることにつながりやすく、ひいては周産期病リスクの増大と次期繁殖サイクルの遅延といった負の連鎖につながる要因にもなりかねません。
 また近年、乳牛資源の不足による乳牛価格の高騰が導入主体の酪農経営を圧迫しており、自家での後継牛生産はもちろん、潤沢な乳牛資源の確保も喫緊のテーマになっています。
 そこで本特集では、乳牛の繁殖成績向上のための技術情報を盛り込み、酪農経営の経営力向上を目指します。

 酪農現場で求められる繁殖技術情報は、基本の概念・技術もあれば、新しい概念・技術もあります。酪農生産者はじめ、生産者を支えるサポーターもまた定期的に現状の管理技術をチェックし、基本を守りながら最新の知識を得ることが求められます。
 本書を読み解いていただき、負の連鎖を食い止め、経営発展の寄与につながることを期待します。

 今までの酪農情報誌の増刊号になかったスタイルで、より実用的に!
 タイムリーかつ収益向上につながる技術特集をはじめ、4カ月ごとの経営情報やマーケティング情報を整理し、酪農経営におけるPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)、いわゆるPDCAサイクルに役立つ内容が満載の《Dairy PROFESSIONAL》。
 皆様のお仕事に、ぜひお役立てください。


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 Dairy PROFESSIONAL Vol.13(DJオンラインショップ)
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 Vol.12【特集】子牛を健康に育てるための押さえどころ
 Vol.11【特集】牛の行動から施設デザインを考える
 Vol.10【特集】美味しく安全な生乳を生産する 他

アイスクリーム工場見学!

皆さんこんにちは!
先日は酪農乳業ペンクラブの視察でグリコピアCHIBAへ行ってきました。
入り口にはあのグリコのマークが!写真スポットがいっぱいでした。

見学では充填工程などを上から見ることができ、また体についたホコリやゴミを取るクリーンルームに入ったり、アイスクリームの素のアイスクリームミックスが作られるエージングタンクに入ったり、寒さを体験できる冷凍庫体験など、体験型の見学通路でとても楽しめました!
お近くの方はぜひ一度行ってみることをお勧めします!

バイオプラント電力は自家使用できないのか?

昨秋の北海道胆振東部地震の際、全道が大停電に陥り、多大な被害が出ました。
そのとき、「そこにバイオガスプラントがあるのに、それが使えないとは……」と歯がゆさを感じていた方々も多かったのではないでしょうか。

バイオガスプラント電力の自家使用は、本当にできないのでしょうか?
答えは、ノーでした。

江別市のKalm角山(経産牛560頭)は、牧場建築と同時にバイオガスプラントを併設した際、再生エネルギーの固定価格買取制度(FIT法)の認定で「プラント電力の自家使用は認められない」と聞き、それゆえ非常時に備え、別の自家発電機を導入していました。
しかし先の大停電で、プラントは停止してもガスは発生し続けるので放出するしかない不合理と環境への悪影響をおぼえ、同牧場は経産省にその事実を、直に伝えました。

すると経産省から、「FIT法では自家使用を制限していない(ただし自家使用する場合は電力会社に変更届が必要)」との文書回答があったそうです。
ということは、FIT法においてもバイオガスプラントの電力を自家使用できる、ということです。
それを受け、同牧場は、バイオガスプラントを非常用電源として使えるようにシステム変更を計画しています。

さらに、「それならば、バイオガスプラントを持つ牧場は市町村と連携して、非常時の拠点となる仕組みを作っていくこともできる」と同牧場は提案しています。

※詳細はDairy Japan 2月号