護蹄を考慮した「木レンガ」の牛床

「男爵(だんしゃく)イモ」の生みの親として知られる川田龍吉男爵(1856-1951年)は、近代農業を実践するため、道南の北斗市に試験農場をつくり、アメリカからさまざまな農機具や農業資材を輸入しました。
大正13年に建てられたキング式牛舎は、今は「男爵資料館」として生まれ変わり、そこには川田男爵が輸入して使った農機具がたくさん展示されています(http://www15.plala.or.jp/dansyakuimo/)。

その資料館で注目したいのは、「牛床」です。
なんと「木(もく)レンガ」なのです。
そしてそこには、「牛の爪を保護するために、畜房の床一面に敷き詰められていた。素材はカリフォルニア産のダグラスファーを使用。ダグラスファーは日本の杉と松のほぼ中間の硬さを持ち、松脂成分が多く、腐食しにくい」と解説されています。

牛の護蹄を考慮した牛床素材。
昔から、ちゃんと考えられていたんですね。

どうせやるなら楽しくなきゃ!

根室管内H牧場の前を通ると、牛の絵が描かれた板がたくさん並んでいるのが見えます。
これはベニア板で自作したカーフハッチの扉で、そこに奥さまが、「どうせやるなら楽しくなきゃ!」と描いたものです。
牛の絵は20種類くらいあるそうです。
通行人をなごませてくれます。

いい意味のストレスで発情を促す

根室管内のT牧場は約180頭を搾乳しています。
搾乳牛の群分けは、フレッシュ、初産、経産、搾乳後期です。

群移動は、あえて1頭ずつ行います。
「5-10頭まとめて群移動したり、いろいろやってみたのですが、大きく移動すると、群全体が大きくストレスを感じる気がするんです」とTさん。

さらにTさんは、「ストレスをかけることによって、発情を促すこともあると感じています。分娩後40-50日に群移動することによって発情が起こることもあるんです。つまり、いい意味のストレスです」と教えてくれました。
そうしたことも配慮して群分けを考えています。

育成牛、乾乳牛、初産牛の管理をもっと強化したい

釧路管内のK牧場(年間出荷乳量4000t超)の搾乳乳群の分け方は、経産牛・前期(TMRは乳量45kg設定)、経産牛・後期(同35kg設定)、初産牛・受胎前(同32kg設定)、初産牛・受胎後(同32kg設定)です。

初産牛は弱い立場にあること、まだ発育途中であることに十分配慮しています。
群を移動する際は、数をまとめてから移動するようにしています(3-10頭で)。

栄養管理担当のSさんは、「人間の場合、子供やお産が近い妊婦の栄養には気遣い、お金もかける。育成牛や乾乳牛に対しても、そうした気持ちがもっと必要だと思う」とも話していました。

スタッフ・ミーティング

十勝管内Y牧場におうかがいしたら、スタッフ・ミーティングが行われていました。
この日のテーマは「乳房炎」。
JAのNさんからも話題提供してもらいました。
そして、体細胞数はどういうときに増えるのか、を全員で確認し合いました。

ミーティングの後は、みんなでおにぎりを食べて和気あいあい。
そして「がんばっていこう!」と気合を入れて、各人、持ち場に戻りました。

社長のYさんは、いかにスタッフ同士が協調・連携し合いなら活躍できるか、を常に考えています。