大胆な移動式カウハッチ

十勝管内のM牧場では、子牛のカウハッチに驚くものを利用していました。
それはなんと、使わなくなった軽ワゴン車です。
子牛の乗っている軽ワゴン車はなんとも不思議でした。
M牧場では、基本的に、いわゆるカウハッチに子牛を入れていますが、
分娩が重なり、ハッチが足りないようなときに軽ワゴンハッチを使用しています。

牧場の施設レイアウト上、乾乳牛舎が分娩房と離れており、
分娩が近くなったら分娩房へ移すのだそうですが、移す前に産まれてしまった場合は、この軽ワゴンで乾乳牛舎まで迎えにいくそうです。
さらに、車を利用することで、雨風から子牛を守ることができ、
窓を開ければ、換気もしっかりできます。

カウハッチならぬ、カーハッチですね。

サプライズ Dr. ITO

Dr. カィザリンク、Dr. グターボック、Dr. ハインリック、Dr. オルブライト、Dr. ロペック、Dr. ハーナー、Dr. コノーフ、Dr. オバートン、Dr. ホール、Dr. ジョンソン、Dr. グラント、Dr. ドラックレィ、Dr. チェイス、Dr. シャルーパー、Dr. スニッフェンから「Dr. 伊藤紘一ありがとう」のメッセージ。

ウイリアムマイナー農業研究所主催の集中トレーニング講座(11月19日「DJニュース」参照)の講義中に、突然、スライドが映し出されました。
いずれも伊藤紘一氏が日本に招聘した、セミナー講師陣たちです。

「サプライズ Dr. ITO」と題された、まさに驚きのこの企画。
ウイリアムマイナー農業研究所が今年いっぱいで閉鎖することから、その貢献を振り返ろうと、全酪連の齋藤昭氏が準備されたものです。

「日本の酪農産業に大きな影響を与えた」「日本の酪農を変えた最大の人物」「次の仕事の成功を祈っている」など、伊藤紘一氏の偉業をたたえるとともに、来日した際のエピソードなども披露され、同氏との固い絆が伝わってきました。
同氏は「みなさん本当にありがとうございました」と応えていました。

防疫意識を高めよう!

先日訪れた十勝忠類の牧場で、
町をあげての防疫意識の表れを見ることができました。
これは、改正家畜伝染病予防法にかかる、
飼養衛生管理基準および特定家畜伝染病防疫指針の見直し等
平成23年10月1日付けで施行されました。
これを受け、幕別町では、幕別・札内・忠類の3農協に所属する農家に対して、
幕別町家畜伝染病自衛防疫組合から「衛生管理区域立入記録簿」と
その表示パネルが配られました。
基本的にこの記録簿には、牧場を訪問した者すべてが記入するものですが、
納品伝票や人工授精記録、診療記録の残る獣医師や人工授精師などは、
記入を免除されるとのことです。

今回の設置により、町内全員で「防疫意識を高めよう!」
という強い気持ちが伝わってきます。

みなさん、これからも防疫意識を高く維持しましょう!

子牛への気づかい

北海道十勝管内のK牧場は、子牛の居住環境を少しでも良好にしようと工夫しています。
カーフハッチの置き場には屋根をかけ、ハッチ周囲が雨で濡れたり、雪が積もらないようにしています。
また、大型カーフハッチの飼槽には写真のようにカバーをかけ、乾草に雨が当たらないようにしています。
ちなみにこれらは、すべて廃材を利用したものだそうです。

地場の特産品で、牛舎周辺のぬかるみ防止

オホーツク管内の興部町では、多くの牧場で写真のような光景を見ることができます。
地面に敷き詰められているのは“ホタテの貝殻”です。
同地域は地盤が粘土質ということで、
雨が降ると牛舎周りなどが泥濘化してしまうそうです。

今回うかがった牧場では、はじめに砂利を敷いたところ効果があり、
その上に、近くの海鮮物加工工場から入手できる
“ホタテの貝殻”を敷き詰めたところ、水はけが良く、効果てき面だということです。
なお、ホタテの貝殻を利用するにあたっては、
飼料に混入しないよう十分に注意もしています。

これは、同町の基幹産業である酪農と漁業をうまく連携させている一例です。
このように他産業との連携ができれば、また新たな発見がありそうですね。