ボトルは吊り下げるのだ

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酪農家の皆さんにとっては必須のディッピング液。
それを入れるディッピング容器も、これまた必需品。
さまざまな種類がありますが、どれを使うのか、
そこには酪農家さんのこだわりがあるのかと思います。

一般的には、搾乳中に腰のベルトに引っ掛けていたり、
搾乳中に必要な物を載せている台車などに引っ掛けていたり、
各酪農家さんによってさまざまでしょう。

今回、取材でお伺いしたオホーツク管内のSさんは、
牛舎内のパイプラインを支える鉄筋などに、
1mほどの針金をS字に曲げて、写真のように引っ掛けていました。
これを搾乳と同時に場所を動かしていきます。

Sさんは「最初は腰にかけていたけど、液で汚れる。
吊り下げるようにしてからは汚れることなく、結構便利」と言います。

このように、酪農家さんのちょっとしたアイデアで、
その牧場に合い、便利なものが生まれてくるのですね。

十勝子牛研究会

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十勝子牛研究会(帯畜大・石井三都夫准教授会長)の第1目のバーンミーティングが7月28日に、翌日に勉強会が開催されました。

バーンミーティングは、清水町の子牛預託牧場「清流ファーム」です(Dairy Japan 2012年3月号参照)。
約550頭の子牛を常時飼養している同ファームは、衛生・飼養管理を徹底していて、昨年の死廃率は0.5%、日増体量0.95kgという好成績です。
参加者は管理内容や課題を聞き、意見を出し合いました。

翌日の勉強会では、十勝NOSAI西部診療所・古関博氏からバーンミーティングの報告、十勝NOSAI幕別家畜診療所・安岡幸氏から5月に開催された全酪連 酪農セミナーの報告が行なわれました。

さらに、日本全薬工業(ZENOAQ)学術部・後藤篤志氏から「子牛飼養管理の問題点と現場での評価方法」と題して、初乳管理、哺乳管理、離乳管理における現場でのチェック方法が解説されました。
そのなかで、
・免疫移行をモニタリングする血漿BRIX計測方法
・哺乳子牛への栄養の質・量の充足と満足感をモニタリングするHSI(Hatch Standing Index:カウコンフォートの指標であるSSIを基にしたZENOAQ独自の指標で、カーフハッチで立っている子牛の割合が20%以下を正常とする)
・離乳への移行がスムーズに行なわれ、十分な栄養をとれるルーメンに発達しているかどうかをモニタリングする「腹囲/胸囲」法(1.2以上を正常とする)
などが紹介されました。

※写真=清流ファームでのバーンミーティングの様子

初めての牧場取材!

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7月14日、「カウガールスクール」の取材に行ってまいりました。

これは私の入社初の牧場取材でした!

行くまでは不安しかありませんでしたが、終わってみると「あっ」という間で、それだけ充実していたのだと感じます。

取材を終えて一番に思ったことは、たくさんの人にお世話になったということ。多くの人の協力があってこそ取材ができ、雑誌が作られるのだなぁと感じました。今後も色々なところへ行き、色々な人とのつながりを持ちたいです。そして多くの酪農家さんとお話をして現場を知り、Dairy Japan がより良い雑誌となるよう、自分自身の経験や知識も深めたいと思います。

 

「そんなことよりカウガールスクールってなに?」と思われた方、たくさんいらっしゃると思います。

カウガールスクールとは、愛知県酪農農業協同組合が「県内の人々にもっと酪農のことを知ってほしい!」との思いから開催したもので、今回は、私と同世代の新任保育士さん2人が、知多郡にある原田牧場で実習する様子を取材しました。

 

詳細は来月発売のDairy Japan9月号に掲載されます!読んでいただけると嬉しいです。

8月号の読みどころ

201308最近突然暑くなってきました。牛もこの暑さでは参ってしまいますね。

皆さんも熱中症には十分注意してください。牛乳を飲んで対策を!

 

さて、今月発売のDairy Japan 8月号の読みどころを、ご紹介します。

8月号のルポ特集は「牛と人との良好な関係を築くポイント」です。

皆さん、牛と良好な関係を築くために心掛けていることはありますか?

牛と良好な関係を築くことにより、生産性の向上や作業の安全につながります。

当たり前ですがとても大事なことです。皆さんの農場と比べてみてください。

 

私個人的におすすめの記事は「離乳時の訓練で牛の積み込みをスムーズに」です。

大まかにいうと、「牛を訓練すると積み込みがスムーズになって良いよ」という内容なのですが、訓練のご褒美に角砂糖をあげるところが、想像すると可愛くてたまりません!

まったく関係ない話ですが、角砂糖といえばジブリ映画を思い出しますよね。

 

もうひとつ、皆さんはエドウィン・ダンという方をご存知ですか?

私は知りませんでしたが、畜産に携わる人々には知っておいていただきたい人物です。

8月号に詳しく紹介していますので、ご存じでない方は必見です。

 

ここで紹介したものはほんの一部にすぎません。8月号も充実した内容になっていますので、ぜひご覧ください!

 

世界でトップレベルのチーズ工房

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北海道新得町にある共働学舎新得農場は、オールジャパン・ナチュラルチーズコンテストをはじめ、国内外の多くのチーズコンクールで賞評される、日本でもトップレベルのチーズ工房を持っています。

代表を務める宮嶋望さんは、米国のウィスコンシン州で酪農を学びます。そこで宮嶋さんが学んだことは、「米国の真似はしない」ということ。つまり、大規模・多頭化のシステマチックな酪農ではなく、高品質な生乳を生産することに意義を見い出しました。現在、粗飼料はすべて自給で、有機農法で栽培しています。

共働学舎新得農場は、さまざまな理由から社会での居場所を見つけられない人が、共に働く場でもあり、現在60名以上の方が酪農やチーズ生産、カフェなどで働いています。そこで、生乳生産だけでは、ここで働く人の生活を賄えない、とチーズ生産を始めます。

宮嶋さんはチーズ生産を始めるにあたって、フランス人でチーズの第一人者、ジャン・ユベール氏と出会い、「ここでしか作れない」チーズ作りのノウハウを教えてもらいます。

チーズ工房は牛舎との高低差を利用し、なるべく生乳を動力で移動させない設計になっています。ユベール氏の教えが「生乳に触るな」だったことから、こうした設計になったとか。この「生乳に触るな」が、新得農場のチーズ作りの原点だそう。

現在では新得農場の代名詞ともいえる「ラクレット」をはじめ、春季限定の「さくら」など多くのチーズが評価され、共働学舎で働くスタッフの生活を支えています。

そして、それらを守るため、原産地呼称制度の確立に向けて声を上げ続けています。