母牛が元気でなければ……十勝子牛研究会

tokachikoushi

十勝子牛研究会(会長・石井三都夫獣医師)は7月14日、帯広畜産大学で総会および勉強会を開催した。
勉強会では、酪農コンサルタント・(株)ARADEの新出展之氏が「乾乳期の管理」と題した基調講演を、十勝NOSAIの瀬尾洋行獣医師が「初乳アンケート結果と子牛の病傷事故率・死廃事故率との統計学的検討」、同NOSAIの増田祥太郎獣医師が「肥育農場導入子牛における受動免疫移行不全の簡易判定法とワクチン接種時期の検討」と題したプレゼンを行なった。

新出氏は「母牛が元気でなければ子牛も元気ではない」と前置きし、乾乳後期の栄養でMP(代謝蛋白質)を高める(1100から1400gにする)ことが非常に重要であること、周産期疾病を予防するうえで乾乳後期のミネラルバランス(とくにマグネシウムとイオウ)を整えることが好結果につながること、乾乳前期の過肥対策としてウィート(飼料用麦稈)を利用していることなどを解説した。

ゆったりスペースで「飲・食・休」を保障

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「クロースアップ(乾乳後期)は決して過密飼養にせず、敷料を大量に入れて休息環境を良くし、嗜好性の良いエサと水を常に摂取できるようにすることが絶対の基本だ」と言う根室管内のYさん。
クロースアップの経産牛はフリーバーンで飼養しますが、クロースアップの初妊牛は、経産牛との競合を避けるため、旧牛舎で繋いで飼養しています。
繋ぎとはいえ、約3頭分のスペースに1頭を長いロープで繋ぎ、敷料を豊富に入れ、飼槽には常にエサがあり、水槽にはきれいな水がたっぷりです。

姉妹で再スタート

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皆さんおはようございます!

先月は取材で愛知県大府市にある知多農場を訪問しました。

知多農場は4年前に姉妹で再スタートした農場で、働いている方は皆女性です。

酪農担当はお姉さん、隣接するお店では妹さんがソフトクリームや自家製チーズを使ったピザなどを製造・販売しています。昨年の秋からは妹さんの娘さんも酪農担当として働いています(ソフトクリームもピザもいただきましたが、どれも絶品でした! 思い出したらもう一度食べたくなってきました……)。

今回は酪農担当のお2人にお話を伺いました。

ということで8月号の「酪農女性」は2人いらっしゃいます!

ぜひご覧ください!

牛部

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取材で栃木県の那須拓陽高校をお邪魔しました。
同校の農業経営科では、酪農家を夢見る生徒が多数在学しています。
昨年、正式に「牛部」という部活が誕生しました。牛部では、日々の乳牛管理から共進会に向けた牛作りなどを生徒が中心となって取り組んでいます。
一般的な部活であれば、目標はインターハイなど同年代が相手の大会になりますが、牛の活躍の場は共進会であり、相手はプロの酪農家です。
そのことが、彼ら、彼女らの大きなモチベーションになっているようです。
ここで指導する先生は、ご実家が元酪農家で将来は後継する予定だったそうですが、牛舎周辺の環境変化や労働力問題などで後継前に離農してしまったとのこと。
それでも牛の魅力や酪農の素晴らしさを伝えたいと、畜産を教えることができる教員になることを決めたといいます。
こうした先生の牛への想いが、生徒たちの牛への期待を高めているのですね。
今年の目標は全共出品!
そのために、目下全力の管理を続けています。

搾乳ロボットをより活かすには

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「いくら機械化しても、人がきちんと管理しなければならない部分が必ずある」とSさんは言います。
例えば、搾乳ロボットをうまく使うためには、乳房を常にきれいにしておくことが重要なので、1日3回ベッドメーキングを行ないます。
その際、同時に発情観察や体調チェックも行ないます。
それらが奏功して、乳質および繁殖は、いつも好成績です(平均分娩間隔は約400日)。
敷料のオガクズは石灰消毒しています。