暑中お見舞い申し上げます

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都府県では連日猛暑日が続き、人にも牛にも厳しい夏ですね。心より暑中お見舞い申し上げます。
さて、写真はウィスコンシン州のクロスベンチレーション(横断換気)牛舎の入気側を写したものです。向かって右奥(見えないですが)の側面には、たくさんのファンが設置され、陰圧で換気するトンネル換気牛舎です。
この牛舎の入気側には、クーリングパッドと呼ばれる設備が設置され、細かいフィンに水が流れ、陰圧で空気が抜かれる際に気化熱で導入空気を冷却するものです。牛舎内は外気温よりも低く、よどむことなく流れる空気が牛のヒートストレスを低減させます。実際に、取材時の外気温は約30℃でしたが、舎内は寒く感じられるくらいで、その効果は絶大です。

※ただし、この設備がその効果を発揮するには、低湿度であることが条件のようで、高温多湿の都府県では、かえって舎内環境が悪化することも考えられます。

ロボット搾乳――ここにも水槽を

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上川管内のS牧場はロボット搾乳です。
「牛が水を飲みたいときに飲めるように」とSさんは、搾乳ロボットへの囲いエリア(搾乳ロボットに馴致する牛や、強制的に搾乳誘導した牛の待機場所)にも水槽を設置しました。
予想どおり、多くの牛がこの水槽で飲水することから、「やって良かった」とSさんは言います。

モチベーションアップ

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Dairy Japan9月号の取材で訪れた那須塩原市のI牧場。取材の2日前にTMRミキサーを新調したばかりでした。真新しいTMRミキサーはカッティング性能もミキシング性能も抜群。TMR調製のためミキサーを回す牧場長の様子も、とても嬉しそうでした。
「ルーサンの茎なんかもスパッとカットされているし、何より調製にかかる時間が短くなって気持ちも良い」と満足げな牧場長。調製されたTMRの出来を真剣に確認する姿がとても印象的でした。
真新しい機械は、モチベーションアップにつながりますね。

母牛が元気でなければ……十勝子牛研究会

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十勝子牛研究会(会長・石井三都夫獣医師)は7月14日、帯広畜産大学で総会および勉強会を開催した。
勉強会では、酪農コンサルタント・(株)ARADEの新出展之氏が「乾乳期の管理」と題した基調講演を、十勝NOSAIの瀬尾洋行獣医師が「初乳アンケート結果と子牛の病傷事故率・死廃事故率との統計学的検討」、同NOSAIの増田祥太郎獣医師が「肥育農場導入子牛における受動免疫移行不全の簡易判定法とワクチン接種時期の検討」と題したプレゼンを行なった。

新出氏は「母牛が元気でなければ子牛も元気ではない」と前置きし、乾乳後期の栄養でMP(代謝蛋白質)を高める(1100から1400gにする)ことが非常に重要であること、周産期疾病を予防するうえで乾乳後期のミネラルバランス(とくにマグネシウムとイオウ)を整えることが好結果につながること、乾乳前期の過肥対策としてウィート(飼料用麦稈)を利用していることなどを解説した。

ゆったりスペースで「飲・食・休」を保障

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「クロースアップ(乾乳後期)は決して過密飼養にせず、敷料を大量に入れて休息環境を良くし、嗜好性の良いエサと水を常に摂取できるようにすることが絶対の基本だ」と言う根室管内のYさん。
クロースアップの経産牛はフリーバーンで飼養しますが、クロースアップの初妊牛は、経産牛との競合を避けるため、旧牛舎で繋いで飼養しています。
繋ぎとはいえ、約3頭分のスペースに1頭を長いロープで繋ぎ、敷料を豊富に入れ、飼槽には常にエサがあり、水槽にはきれいな水がたっぷりです。