新施設を検討の際に

写真は5月18日エントリーの「ロータリーロボット牛舎」の1カットです。真新しい牛舎で牛が入るのを待っている状況のカットです。牛が入った後の状況を見ることを、とても楽しみにしています。

さて、牛舎や施設、設備は乳牛の行動や生理、そして作業性を考えて常に進化しています。より高い生産性を追求し、快適な環境を作ろうと日々、研究が行なわれている成果ですね。

畜産クラスター事業や楽酪事業、楽々GO事業などを活用して新しい牛舎の建設を進めている、または検討されている方も多くいらっしゃると思います。そこで、ぜひ読んでいただきたのがDairy PROFESSIONAL Vol.11です。本書はウィスコンシン大学生物工学部のデイビット W カメル教授に最新の知見に基づいて施設デザインを書き下ろしていただきました。ベッド寸法や通路デザイン、飼槽デザインだけでなく、換気や照明の考え方も盛り込んだ一冊です。この特集は、「牛の行動」から施設デザインを考えたことがポイントです。牛舎設計を考える際に、ぜひ一読ください。

経営主と後継者のコミュニケーションは?

皆さんおはようございます!

先日、ルポ取材で愛知県へ行ってきました。
今回のテーマは「これってどうしていますか? 経営主と後継者の意思疎通とバトンタッチ計画」です。牧場の規模が大きい小さいにかかわらず、課題となるテーマですよね。
経営主と後継者、双方にコミュニケーションの現状と理想を聞いてきました。
Dairy Japan7月号では計6農家を紹介します。お楽しみに!

えっ! 牛の背中に乗る?

「うるさくなってきたなと感じたら、発情が始まっているのか、それともこれから発情が始まるのかを判断するために、自分が直接、牛の背中に乗るんです」とAさん。
偶然、そわそわしている牛がいたので、ひょいと飛び乗って見せてくれました。
そしてAさんは、その牛の発情開始時刻を予測して、適期の人工授精タイミングを計算していました。
まさに身をもって現場技術を駆使しています。
詳しくは、Dairy Japan 6月号「ルポ特集/わが家の妊娠率アップ策」で。

ロータリーロボット牛舎

先日、北海道中標津町の希望農場さんで開かれたAMR(オートマチックミルキングロータリー=ロータリー式搾乳ロボット)の完成披露セレモニーに参加してきました。

24ポイントのAMRで1日最大1600頭分の搾乳ができ、そのオペレーションは1人で賄えるというから機能性と省力化を兼ね揃えた搾乳機器です。早く実機の稼働が見たいとワクワクしました。

さて、希望農場さんがAMRと同時に建設したのが400頭用のフリーストール牛舎です。縦断式のトンネル換気を備えています。強制換気ですから、通年快適な舎内環境が得られるのではないかと思います。こちらもまだ乳牛が入っていない、真新しい施設です。

舎内は4群に分けられていました。搾乳を終えた乳牛は写真のスマートセレクションゲートで各々の群に帰っていきます。もちろんAMRからの戻り通路にもセパレーションゲートが設置され、治療や授精などが必要な牛を的確に選別します。

そして、私が興味を持ったのは、2点目の写真のオートフットバス。フットバスプログラムに沿って自動で洗浄液が入り、排水され、再び洗浄液が入るものです。頭数が多くなるとフットバスの洗浄液の交換も一苦労ですね。蹄は大きな牛体を支え、移動や採食、その他乳牛の行動を支えるもっとも大切な部位の一つです。きちんとした蹄浴プログラムで蹄の健康を維持し、最高のパフォーマンスを発揮してほしいものですね。

「年4回削蹄」+「プログラム蹄浴」でDD抑制

オホーツク管内のKファーム(経産牛300頭)は、以前に悩んでいたDD(趾皮膚炎)の制圧に成功しています。
成功の要因は「年4回削蹄」と「プログラム蹄浴」です。

「年4回削蹄」というのは、3カ月ごとの定期削蹄(全頭削蹄)で、「コストはかかっても、それ以上の価値があります」と言います。

「プログラム蹄浴」というのは、
〔強アルカリ製剤を2日間、その後にイオン化合物を2日間〕×月2回(毎月1日~と16日~)
というものです。

同ファームは、「うちで良いと思っている方法が、ほかの農場にも必ずしも当てはまるとは思いません。ただし、定期的に計画どおり行なうことは必須だと思います。農場ごとに、一番良い結果が得られるプログラムを作っていくのが良いと思います」と言います。

※詳報はDairy Japan 5月号で。