来てよかった! やって良かった! 酪農女性サミット 2018

先週、北海道根室管内中標津町で盛大に開催された「酪農女性サミット 2018」(既報)。
サミット終了後、実行委員6人が感想を語ってくました。

●砂子田円佳さん(実行委員長、広尾町・酪農家、SAKURA会)
「各実行委員は、多忙が超多忙になることを承知で第2回目の開催を決断した。プレッシャーもあったが、参加者の充実した表情や姿を見て、やって良かったと思っている。“私達でもできる”が伝わったと思う。それが参加者全員の自信につながってほしい」

●佐藤幸枝さん(網走市・酪農家、デイリーウーマンズ)
「全道・全国からの参加者の熱気と笑顔を見て、本当にやって良かったと思った。私が実行委員であることを知り、遠くから30年ぶりに駆けつけてくれた友人もいたほど。交流の仕方、情報交換の仕方は、男性の会合にはない盛り上がりとパワーを感じた」

●小林晴香さん(別海町・酪農家、Stron gyu)
「当地域の酪農女性の多くは、地域外の酪農女性と交流するということが今までほとんどなかった。ところが今回、地域外から驚くほど多数が集まってくれた。各参加者がどんどん社交的になっていく様子も見られ、これを機会に、外に向けた視野が広がっていく可能性を感じた」

●久富聡子さん(酪農コンサルタント、ハードサポート)
「前回は“楽しかった”という内容だったが、今回は“学んでほしい”という要素を組み入れた企画とした。技術の話題になるとスクリーンへの集中がより熱くなり、やはり酪農女性も技術情報ニーズが高いことを感じた。皆が晴れ晴れとして帰ってくださり、ほっとしている」

●中村由美子さん(千歳市・酪農家、きたひとネット)
「このサミット参加者は開催に合わせて、自分で予定を立て、自分で宿泊予約し、自費で参加している。だから本当に熱心に見たり聞いたりしてくれたのだと思う。それが盛り上がりにつながっていることを強く感じている。今や他作目の農家から“酪農女性の集まりは熱い!”と言われるまでになった」

●籔内直美さん(釧路市・酪農場勤務、Becotto)
「凄いことができた、という充実感に満ちている。そのことを同年代や若い世代の酪農女性に伝えていかなければならないと思っている。会場でスナップ写真を撮影していると、参加者の視聴の深さ・熱さが非常に強く伝わってきた」

※詳報はDairy Japan 2月号で。

興味津々

11月16日のスタッフブログで紹介した松下牧場の視察の続きです。
松下牧場は搾乳ロボット「VMS」で53頭搾乳をしています。繋ぎ牛舎での搾乳を合わせると、90頭搾乳です。
視察した酪青研関西協議会のメンバーは、VMSでの牛群管理はもちろん、ハードナビゲーターを積極的に活用したハードヘルスに興味津々の様子でした。
発情発見はもちろん、妊娠継続の確認や乳房炎の早期発見などできることの多いハードナビゲーター。今回参加した酪農家は、それらを飼養管理に活かす松下さんと、その説明に感銘を受けていました。
松下牧場ではクリーン&ドライな環境の整備はもちろん、乳房炎ワクチンの摂取による大腸菌性乳房炎の予防、そしてハードナビゲーターでの早期発見により乳房炎によるロスは大幅に低減できたとのこと。
それにしても、施設やソフトウェアを説明する松下さんの屈託のない笑顔は、本心から酪農を愛しているのだなと感じさせてくれました。

快晴の富士

一昨日は日本酪農青年研究連盟主催の第70回日本酪農研究会にお邪魔しました。今回の開催地は静岡。
黒澤賞に輝きました幌延地方連盟・南川口研究会の高原弘雄さん、おめでとうございました。
翌15日は関西方面からいらした酪農家さん達と、朝霧高原の酪農家2軒を視察しました。
搾乳ロボットを上手に活用する実践例、大規模経営の運営など取材時とはまた違った形で酪農家さんの話を聞くことができました。参加された酪農家さんの質問も、同業の酪農家さんならではのものもあり参考になりました。
さて、写真はその際に撮影した富士山です。
私はどうも、取材時に晴天に恵まれないことが多く、せっかく朝霧にお邪魔してもきれいな富士山を望むことが多くありません。
そんななか、15日は絶好の観光日和。名峰富士を遮るものなく見ることができました。穏やかな小春日和のなかで視察を行なうと、テンションが上がります。

“胃もたれ”防止

自動給飼機で粗飼料&配合を1日6回給与しながら、さらに「もう一口」食べてもらうための努力と工夫を重ねているオホーツク管内Y牧場。

その一つが、1日2回、搾乳前に、乾草に近いラップサイレージを与えること。
「サラッと数口で食べ切れる量だが、これが“胃もたれ”を防ぐのに効果的だ」とのこと。

取材当日、少々“胃もたれ”気味だった当方、乳牛が美味しそうに食べているのを見て、思わずサラッとそれを食べてみたくなりました。

※詳報は Dairy Japan 11月号「特集/もう一口食べてもらうための戦術」で。

飼料稲を生産する理由

先週、広島県にお邪魔しました。
写真はその際に訪れた飼料稲の様子です。刈り取り直前の稲を見せていただきました。
広島県は今年7月に豪雨に見舞われて以降、極端に雨の少ない気候だったようで、稲の背丈は例年より低いと言います。
現在、広島県酪農業協同組合が管理する飼料稲の栽培面積は152ha。天候に左右される自給飼料生産のリスク低減のため、余裕を持った栽培面積を確保しているのだと教えてくれました。
そして飼料稲を栽培する理由に、輸入粗飼料代替や自給飼料生産の拡大のほかに、水田の持つ治水機能の維持なども掲げています。
飼料稲の栽培は水稲農家と酪農家の利益だけにとどまらず、地域の生活安全にも密接につながっているのだと実感することができました。