「人材」から「人財」へ

オホーツク管内のMさんは、牧場フタッフの定着率を上げるために、まず、以下に取り組みました。
1 ルール化・マニュアル化
2 怒りをがまん
3 若い求人
4 信用できる「人財」を大切にする

4については、仕事ができる・できないにかかわらず、牧場のことを本当に考えてくれているかどうかを観極めて、その信用できる「人財」に、新入社員(人材)を付けるようにしました。
そうすることで、「人材」が「人財」に育つと思ったからです。
結果は、そのとおりで、スタッフ定着率は80%以上となりました。

「会社のことをよく考えてくれる人は「人財」、まさに財産です」とMさんは言います。

※詳報はDairy Japan 4月号「ルポ特集/人材の確保と安定」で。

農場での雇用

働き方改革、人手不足、人材の売り手市場
労働環境を巡るワードがたびたびメディアに登場します。酪農場でも同様で、雇用の確保、安定雇用は農場経営にとって大きな課題の一つではないでしょうか。
先日、香川県のH牧場に、雇用についてお話を伺いにまいりました。H牧場はスタッフを牧場長を先頭に4階層の組織を作り、農場を運営しています。
Hさんは、「リーダー・サブリーダーは、自分と同じ仕事をできる人を育てることで初めて、彼らは部下に自分の引き継ぎ、自身は次のステップに進むことができるわけです。こうしたサイクルがうまく回れば新たなチャレンジができ、牧場全体がステップアップすると考えています」「スタッフがいてくれるから、心にゆとりができ、次のステップを考えられる」と組織体系のあり方を話してくれました。
人を雇うことは、そのスタッフと家族の生活を守るうえでも責任の重いこと。ゆえに、賃金の確保・増給を見据えて規模拡大や他部門の創設によって売り上げを確保することも、経営者の大切な仕事です。
今後、ますます酪農経営にとって雇用は大きな課題になるでしょう。Dairy Japan4月号では酪農場の雇用をテーマに特集を企画しました。ぜひ発刊をお楽しみに。

働きやすい・働きがいのある職場に

先日、とある酪農家へ取材に行ってきました。
テーマは「雇用確保と安定」——「会社の利益は従業員が喜んでくれるために使う。そうすることで会社は生きることができる。これをいつも頭の隅に置いています」と、その酪農家さんは話していました。4月からは有給休暇を取り入れ、今後は自己評価表を作って双方から評価できるようにしたいとのこと。従業員に長く、気持ち良く働いてもらうために試行錯誤してらっしゃることが、ひしひしと伝わってくるお話でした。
Dairy Japan4月号ので計5戸の牧場を紹介します!是非ご覧ください!

初乳は見た目じゃわからない

オホーツク管内のTさん、初乳はすべて糖度計で免疫グロブリン含有量を必ずチェックします。
Brix値「22」を基準とし、それを下回るものには初乳製剤(初乳パウダー)を溶かして与えます。

基準値に満たない初乳の頻度は約半数と想像以上に多く、それは産次や血統には関係ないそうです。
ただ、「乾乳牛舎が混み合うとBrix値が下がる傾向にある」とのこと。
したがって、「初乳の品質は乾乳牛のストレスのバロメーターだ」と言います。

このように初乳の品質に気をつけるようになってからは、病原性の下痢は激減し、栄養性の下痢になっても元気維持のまま回復するケースが多くなったそうです。

※詳細は来週発売のDairy Japan 3月号で

写真は先日訪れた宮崎県で撮影した畜魂碑です。平成22年4月に発生し猛威を振るった口蹄疫。それによって殺処分を余儀なくされた牛を祀って建てられたものです。畜魂碑に手を合わせ、改めて口蹄疫の脅威と牛達、そして農家さんの無念さを感じました。
さて1月28日、韓国農林畜産食品部は、京畿道安城(アンソン)市の牛飼育農場において、2018年4月以来約8ヶ月ぶりに口蹄疫の発生を確認したと発表しました。また昨年だけでも、中国の各地で口蹄疫が発生しています。
そして昨年9月に26年ぶりに国内で発生した豚コレラは、2月6日までに岐阜県、愛知県、長野県、滋賀県、大阪府での発生が確認され、国内の畜産に大きな影響を与えています。
これらの家畜伝染病の脅威は、言わずもがなです。現代は世界的な規模でモノや人が行き来します。酪農経営においてもすべてを自己完結させることは不可能です。
写真整理中に目に留まった畜魂碑。こうした悲劇を二度と繰り返さないために、ぜひ、バイオセキュリティ意識をしっかりと高め、できうる最高レベルでの対策に取り組んでください。