先日、6月号の取材で岡山県のI牧場をたずねました。
Iさんは「乳量の増加に反して繁殖成績が落ちてきた」と、悩んでいたそう。
そこで、繁殖成績向上を目指してIoT機器の導入を決断。今年2月からIoTを用いた繁殖管理をスタートしました。
これまで1人で発情発見から授精までこなしていたIさんにとって、IoT機器は「繁殖を見るもう一つの目」といえるもの。
発情を見える化してわかったことは、「これまで授精タイミングが早かった」というもの。また、発情発見率も2割近く向上したとも。
Iさんは「もっとさまざまなデータを見てみたい」と、IoT機器に興味津々。今後、暑熱期の行動分析や初産と経産牛の行動の違いなど、より多くのデータを分析して農場の成績向上に取り組んでいきたいと話します。
取材時に印象的だったことは、牛舎に入る際にごく自然にタブレットを持つIさんの姿。とてもスマートでした。
カテゴリー: 取材後記
規模の大きな農場
先日取材で500頭以上を飼養する農場へお邪魔しました。
今まで私は大規模の農場にあまり行ったことがありませんでしたが、なんというか、色々大きいですね。
牛舎やそのほかの建物が大きいのはもちろんですが、積んである堆肥やおが粉の量も大量ですし、人ではなくトラクター達が歩いているような感覚になりました。
皆さん手足のようにトラクターを操り手際良く……いやトラクター際良く作業をしています。
お話を伺っていて、大人数で作業をするときのポイントは「共有」「見える化」だなと、組織で働くうえではどんな仕事でも欠かせないことだなと、改めて感じました。
取材のテーマは「人材のマネジメント」5月号の特集でお届けします。お楽しみに!
驚くほど体細胞数が減った
写真は、北海道オホーツク管内・T牧場で取材させていただいたときの1枚です。
ミルキングパーラーに近いバルク室の壁にはTさんの工夫で必需品が整理整頓され、3定管理されています(決まったものが、決まった場所に、決まった量ある)。
このように几帳面で細やかな乳質管理に取り組んできたT牧場は、体細胞数10万以下をキープしていました。
そんな折、あることをきっかけに、「搾乳がとても穏やかになり、驚くほど体細胞数が減った」という出来事が起こりました。
詳しくは、Dairy Japan 4月号(来週発売)ルポ特集「乳質向上へのチャレンジ」で。
自ブランドはモチベーションアップに
写真は、兵庫県内の乳製品製造工房で撮影したウォッシュタイプのチーズです。
兵庫県内のM牧場は、この工房にヨーグルトとチーズの製造を委託。今後は商品名に牧場名を拝した「自ブランド」のヨーグルトが販売される予定とか。
Mさんは、「自ブランドの乳製品は、自分の生乳のみを使える。より良い乳質の生乳を生産しなければというモチベーションの持続につながる」と話し、乳の付加価値向上だけでなく、ブランド化が生産意欲の向上にもつながると言います。
受託する工房の代表も、「M牧場の生乳は、乳質・風味はもちろん、チーズの歩留まりも良い」と太鼓判を押します。
撮影したチーズは、まだ熟成中。試食はできませんでした。次に伺うときには、ぜひ味わってみたいものです。
ぬくぬく
まだ厳寒の北海道。釧路管内T牧場の新生児群です。
ここでは各ペン(ハッチ)ごとに温風が出て暖房されるようになっています。
さらに、生まれてここに来た子牛には、布団乾燥機を包んだ布団を被せて保温してあげています。
これは哺育管理スタッフのアイデアだそうです。