バックアップは大事

先週から続いた西日本を中心とした豪雨で被害にあわれた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

私も18日から19日まで西日本のほうへ自動車で出張に行き、ところどころで激しい雨にあい、慣れているはずの運転が怖くなるほどでした。

さて、写真は以前伺ったある酪農家の処理室です。同型のバルククーラーが2台並んでいる様子がわかります。この酪農家ではバルククーラーのほか、真空ポンプなどひと通りの設備は予備を備えています。「万が一」のためのバックアップといったところでしょうか?

機械は使用時間の有無にかかわらず、いつどんなトラブルがあるのかわからない側面もあります。そして、すぐに修理できるかもわからないものです。しかし、酪農を営むうえで必要不可欠なもの。その考えが、搾乳機材一式のバックアップにつながったようです。

今回のスタッフブログにこのテーマを選んだのは、ある反省からです。

昨日の取材で私は、ノートパソコンでメモを取りながらお相手の話を伺っていました。今まで、それでトラブルなく過ごしてきたので「今回も大丈夫だろう」とたかを括っていました。ところが、帰宅後にメモを確認していると、素読みの最中にメモデータが消えるという大きなトラブルが。復旧もできず、右往左往する私。メモをとった後、きちんとバックアップしていれば、と後悔しました。これが今回のテーマ選定の経緯です。

皆さんもどうぞ、大切なデータはバックアップを。

タワーサイロ

先日伺ったI牧場で、はじめてタワーサイロを見ました。Iさんには「オブジェです」と紹介されたサイロは、今は現役を退き牧場のシンボルとして立っていました。

機械油の匂いが残るタワーサイロを見ながら当時使っていた様子などを教えていただきました。

取材をはじめて1年ちょっと……さまざまな素敵な農場に伺っていますが、「過去にこんなことがあった」「昔は1頭から始まって……」など、その農場や生産者さんの今までの成り立ちや歴史を聴くのもまた面白いと感じています。

読者の皆様にはそういったバックボーンから生まれる取り組みの意味や目的までしっかりとお伝えしていけるように頑張っていきます。

ちなみに、上からの見晴らしは良好でした。

TMR調製を安全かつ効率的に


いろいろな意見がありますが、東京オリンピックは無事開催され、アスリート達の活躍に感動が絶えない日々が続いています。
そんななか、日本勢の勢いは暗くなりがちな情勢に明るい光を届けてくれる、そんな想いでモニターに向かう毎日です。
さて、先日、岡山県のN牧場を訪れました。
N牧場は自給粗飼料と発酵セミコンプリートをメインとしたTMRを調製・給与し、飼料のコストダウンを図っています。
写真はN牧場の飼料調製庫の様子。飼料調製庫は2階建てとし、1階には定置型TMRミキサーを設置。2階から原料を投入しています。
この方式であれば、重機を使うことなくTMRを調製することが可能で、安全性と作業効率を上げることができます。
もちろん、TMRミキサーへの転落を防ぐため、投入口には転落防止用の格子を設置。
そんなN牧場の飼料効率向上への取り組みはDairy Japan9月号で。

美味しいチーズを取材しました

先日、広島県の素敵な酪農場とチーズ工房を取材しました。

チーズが生産できるぶんの生乳を搾り、加工して販売する地球にも牛にも人にも優しいチーズ職人のMさん。

山を切り開いて牛や山羊を放牧する「山地酪農」は、森林にあふれる日本にフィットした酪農スタイルでもありました。

「乳製品や牛乳も、作る側にはさまざまなバックボーンがあって、そういったところも含めて選んでもらえるようなミルク文化を根付かせたい」

とおっしゃっていました。

チーズは絶品で、さらにその背景を知ることで美味しさと親しみが2倍になりました。

詳しくは次回のDairyJapan増刊号(2021年9月増刊号)にて!

 

「陽圧換気」の哺育牛舎

北海道根室管内T牧場は、哺育牛舎に「陽圧換気」を採用しています。
哺育舎内の天井には、チューブが2本、膨らんで伸びています。
そのチューブをよく見ると、大小2種類の穴が規則正しく開いていて、そこからファンで送られてくる空気(外気)が静かに出ています。
と言っても、舎内に風が吹いているわけではありません。
新鮮な空気が“降りてきている”という感覚です。
その新鮮空気が舎内の隅々まで万遍なく降り注ぎ、流れ、淀むことがありません。

この陽圧換気システムの哺育牛舎が稼働したのは2年前。
以来、子牛の死亡事故はゼロです。

※詳細はDairy Japan 7月号「ルポ特集/子牛の事故低減への取り組み」を。

Dairy Japan 2021年7月号