乳糖率をみれば、肝臓の健康具合がわかる!

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道央広域酪農研究会による田中義春氏(本誌連載でお馴染み)の第3回目の勉強会が一昨日、長沼町で開かれました。
今回のテーマは「乳(にゅう)からモニタリングする」。

そして以下の項目が詳しく解説されました。
1 乳量からモニタリングする
2 乳脂率からモニタリングする
3 乳タンパク質からモニタリングする
4 乳糖率からモニタリングする
5 P/F比からモニタリングする
6 MUNからモニタリングする
7 体細胞からモニタリングする
8 ソフト「ミルちゃん」の活用方法(実演)

その中から「乳糖率からモニタリングする」の概要を紹介します。

乳糖率がわからなければ、以下の式で求めます。
無脂固形分率-乳蛋白質率-灰分(1.0%)=乳糖率
〈例〉8.6-3.2-1.0=4.4%

乳糖率はズバリ、乳腺の健康で変わります。
だから乳房炎になると、乳糖率は下がります。

乳糖率はズバリ、肝臓の健康で変わります。
だから体脂肪が動員されて高乳脂肪率だったり、また高MUNだったりすると肝臓が一生懸命に働いているから、乳糖率は下がります。

乳糖率が4.3以下ならば、その牛の体調は悪いはず。
4.2以下は疾病のはず。
ちなみに全道平均は4.5だそうです。

先の式からもわかるように、乳糖は乳蛋白と同様に無脂固形分の中の一つです。
乳糖率が下がらないようすれば、牛は健康、経済(乳価)的にも儲かる、というわけです。

ぜひ、お宅の牛たちの乳糖率をモニタリングしてください。

なお、田中氏の著書「乳からのモニタリング」「飼養管理から疾病・繁殖を改善する」にも詳しく解説されています。

中国のホルスタイン能力は数年のうちに北米並みになる!?

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石狩乳牛検定組合の講習会が先週、北広島市で行われました。
講師は酪農学園大学・家畜繁殖学研究室の堂地修教授で、講演テーマは「乳牛の受胎率低下を考える」でした。

講演では、
○繁殖成績低下の現状とその理由
○発情発見率の低下要因
○人工授精適期の再考
○分娩前後のボディコンディション・スコア推移と繁殖機能回復および受胎率の関係
○高泌乳牛群の繁殖成績向上に関する試み(排卵同期化処理による定時人工授精の利用、長期不受胎牛への肺移植の効果)
などが、詳しく解説されました。

そして最後に、驚く事実が紹介されました。
それは、最近の世界における肺移植の実施状況で、とくに中国の動きです。
中国の移植頭数は驚異的に増加しているそうです。
今後も急速に増加する見込みで、北米(アメリカ・カナダ)のET企業が受精卵、分別精子の大量輸出を計画しているのだそうです。

堂地教授は「あくまで個人的見解だが」と前置きしたうえで、「中国は北米企業の技術指導を受けながらこのまま進めば、近いうちに北米と同じ能力レベルになり得る。日本は中国の動きをウォッチングする必要があるのでは」と述べました。

こりゃ何だ? へぇ?、聞いてみるものですね

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帯広の最低気温は?15度以下が連日です。
厳寒の十勝の農道を走っていたら、畑に雪の畝(うね)がありました。
こりゃ何だろう?
取材で同行いただいたAさんに聞いたところ、へぇ?、なるほど?、でした。

ここはジャガイモ畑で、収穫後にはどうしても残渣(小さなイモ)が残り、それをそのままにしておけば春になると雑草化します。
それを「野良イモ」というそうです。
その対策、つまり「野良イモ」を防除するために、このように畑表面の雪を除けることで土壌凍結をきつくして、畑の表面や地中にある収穫残渣のイモを凍らせてしまう(腐って発芽できなくなる)のだそうです。

土壌凍結というハンデを逆手にとったこの手法、先達の知恵に感激しました。
何でも聞いてみるものですね。

分娩間隔が1日縮まれば1頭当たりの年間増収はHow much?

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道央広域酪農研究会が先週、長沼町で行われました。
本誌連載でお馴染み、田中義春氏の連続講座、第2回目です。
今回のテーマは「繁殖改善と今後の技術的対応」でした。

繁殖を良くするためには、疾病対策を良くしなければならない。
疾病対策を良くするためには、栄養管理を良くしなければならない。
一つのことを改善するためには、深く掘り下げて検討しなければならい、と田中氏はさまざまな事例をあげて解説しました。

繁殖の問題は乳質にも大きく影響しているとして、繁殖改善を図ったら、乳質については何もしなかったのに、体細胞数が40万から10万に減った事例も紹介してくれました。

そして標記の答え、これは田中氏らが複雑な計算を重ねたもので、分娩間隔が1日縮まれば1頭当たり年間で「1,050円」の増収となるそうです。
経産牛頭数50頭で、分娩間隔430日を390日にすると、年間200万円の増収となるそうです。

今の酪農危機を将来に悔いない機会とするための三つの提言

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帯広で一昨日行われた、十勝の酪農家有志のシンポジウム「どおーする北海道酪農」の講演で、佐藤茂氏(前鹿追町農協組合長)は、「当面の危機を抜け出すための戦略・戦術は強烈に進めるべきだ。ただしそれだけに目をとらわれずに、今を将来に悔いない機会とするために提言したい」と述べました。

それは、
1 十勝は政策提言機能を見直すべき
2 飼料対策の総合戦略を考えるべき
3 牛乳・乳製品の需給調整機能を生産者自身の組織として持つべき
の三つです。
1 については「今までの関連対策の見直し、新たな発想に基づく関連対策の政策立案や構想を、この際、本気になって知恵を出す時期ではないか」と述べました。

また、「規模を大きくしたことが悲劇を招いているような論評がマスメディアで見られるが、決してすべてが悲劇となっているわけではない。ましてやこれから縮小路線はあり得ない。むしろ着実に拡大路線を歩まざるを得ない。そして拡大したところをコンサル、サポートしていくことが大事だ」と語りました。