バッタが大量発生

20130823

(北海道)「江別酪農研究会」の定例会が8月23日の晩、
石狩農業改良普及センター江別分室で開催されました。

この日のメイン・テーマは「搾乳手法」。
事前に撮影しておいた会員牧場の搾乳作業のビデオを見て、
乳質向上に効果的な搾乳手法をチェックし合いました。

パイプラインミルカーで、搾乳ユニットの掛かり方をきちんとするために、
ロングミルクチューブを牛体に添うように改善したら、
体細胞数および乳量に、劇的な効果があったことなどが報告されました。

また、普及センターからの情報として、
草地に大量発生したバッタ(イナゴ、写真)に関して、
その被害状況や対策が報告されました。
このバッタ、チモシーの葉と穂を喰いつくし、シバムギやリードカナリーも喰い、
芯(茎)しかなくなった草地もあるとのことです。
深刻な事態です。

危険! 徐行!

20130820

釧路管内・N牧場の入口は、車の往来が多い道路に面していることから、おしゃれな注意書が置いてあります。
「うちには幼い子供がいるので、目立つもので注意を促そうと思って作りました」とNさん。
サイレージ添加剤の容器を利用したもので、看板屋さんにデザインしてもらったそうです。
照明が装備され、反射板も貼ってあります。

備えあれば

20130809

釧路管内Mさんは、繋ぎストール内で起立不能が起こったときのために、「移動式カーフジャッキ」を2年前に特注で作製しました。
起立できなくなった牛の後方から、この「移動式カーフジャッキ」を転がしていき、カーフジャッキで吊り上げるというものです。

しかし、幸いなことに、この「移動式カーフジャッキ」は一度も出動していません。
「出動しないに越したことはない。でも、これは無駄ではない」とMさんは言います。
あらゆるリスクを想定して、それらのリスクを防ぐ方策を持つ――それがプロであると感じました。

十勝子牛研究会

20130730

十勝子牛研究会(帯畜大・石井三都夫准教授会長)の第1目のバーンミーティングが7月28日に、翌日に勉強会が開催されました。

バーンミーティングは、清水町の子牛預託牧場「清流ファーム」です(Dairy Japan 2012年3月号参照)。
約550頭の子牛を常時飼養している同ファームは、衛生・飼養管理を徹底していて、昨年の死廃率は0.5%、日増体量0.95kgという好成績です。
参加者は管理内容や課題を聞き、意見を出し合いました。

翌日の勉強会では、十勝NOSAI西部診療所・古関博氏からバーンミーティングの報告、十勝NOSAI幕別家畜診療所・安岡幸氏から5月に開催された全酪連 酪農セミナーの報告が行なわれました。

さらに、日本全薬工業(ZENOAQ)学術部・後藤篤志氏から「子牛飼養管理の問題点と現場での評価方法」と題して、初乳管理、哺乳管理、離乳管理における現場でのチェック方法が解説されました。
そのなかで、
・免疫移行をモニタリングする血漿BRIX計測方法
・哺乳子牛への栄養の質・量の充足と満足感をモニタリングするHSI(Hatch Standing Index:カウコンフォートの指標であるSSIを基にしたZENOAQ独自の指標で、カーフハッチで立っている子牛の割合が20%以下を正常とする)
・離乳への移行がスムーズに行なわれ、十分な栄養をとれるルーメンに発達しているかどうかをモニタリングする「腹囲/胸囲」法(1.2以上を正常とする)
などが紹介されました。

※写真=清流ファームでのバーンミーティングの様子

酪農心訓

O

今週発売のDairy Japan 8月号の特集は「牛と人との良好な関係を築くポイント」です。
取材させていただいた北海道恵庭市・福屋牧場の基本方針で、創設者の福屋茂見氏が説いた「私の酪農心訓」を抜粋しましたが、その本編は、以下の10カ条から成るものです。
どの項も、いつの時代の酪農にも当てはまるもので、不変の原則ですね。

一、大自然は無字の教典なり
 自然の理法に順応した農法は必ず繁栄する
一、愛あるところ万物育つ
 人を、土を、作物を、家畜を愛し育てる者の苦労とよろこび
一、感謝を忘れず努力の達人たれ
 天地、先人の恩を忘れず、努力を重ねて人は誰でも達人たりうる
一、勉強と経験、頭と腕
 生涯を通じて不断の研鑚と実践の積み重ね
一、和魂洋才
 世界の知識を集め、日本人の優れた智能と根性で勝ち抜く
一、人間幸福への三つの健康
 体の健康と、精神の健康、そして経済の健康とロマンを
一、牛乳は土から搾れ
 酪農は地力が生命、牛乳も土から生まれた貴重品
一、名牛は経営の上に咲いた花
 よい草、よい管理、よい家庭であってこそ、名牛は生まれる
一、眺めて楽しめる酪農でありたい
 作物も家畜も農場も丹精を込めて、生活すべての総合芸術化
一、酪農は民族繁栄の偉業
 不毛の国土を開発して沃土と化し、無限の価値を創造する生命産業である

写真=福屋茂見氏直筆の「私の酪農心訓」(北海道酪農協会所蔵)