十勝子牛研究会

20130730

十勝子牛研究会(帯畜大・石井三都夫准教授会長)の第1目のバーンミーティングが7月28日に、翌日に勉強会が開催されました。

バーンミーティングは、清水町の子牛預託牧場「清流ファーム」です(Dairy Japan 2012年3月号参照)。
約550頭の子牛を常時飼養している同ファームは、衛生・飼養管理を徹底していて、昨年の死廃率は0.5%、日増体量0.95kgという好成績です。
参加者は管理内容や課題を聞き、意見を出し合いました。

翌日の勉強会では、十勝NOSAI西部診療所・古関博氏からバーンミーティングの報告、十勝NOSAI幕別家畜診療所・安岡幸氏から5月に開催された全酪連 酪農セミナーの報告が行なわれました。

さらに、日本全薬工業(ZENOAQ)学術部・後藤篤志氏から「子牛飼養管理の問題点と現場での評価方法」と題して、初乳管理、哺乳管理、離乳管理における現場でのチェック方法が解説されました。
そのなかで、
・免疫移行をモニタリングする血漿BRIX計測方法
・哺乳子牛への栄養の質・量の充足と満足感をモニタリングするHSI(Hatch Standing Index:カウコンフォートの指標であるSSIを基にしたZENOAQ独自の指標で、カーフハッチで立っている子牛の割合が20%以下を正常とする)
・離乳への移行がスムーズに行なわれ、十分な栄養をとれるルーメンに発達しているかどうかをモニタリングする「腹囲/胸囲」法(1.2以上を正常とする)
などが紹介されました。

※写真=清流ファームでのバーンミーティングの様子

酪農心訓

O

今週発売のDairy Japan 8月号の特集は「牛と人との良好な関係を築くポイント」です。
取材させていただいた北海道恵庭市・福屋牧場の基本方針で、創設者の福屋茂見氏が説いた「私の酪農心訓」を抜粋しましたが、その本編は、以下の10カ条から成るものです。
どの項も、いつの時代の酪農にも当てはまるもので、不変の原則ですね。

一、大自然は無字の教典なり
 自然の理法に順応した農法は必ず繁栄する
一、愛あるところ万物育つ
 人を、土を、作物を、家畜を愛し育てる者の苦労とよろこび
一、感謝を忘れず努力の達人たれ
 天地、先人の恩を忘れず、努力を重ねて人は誰でも達人たりうる
一、勉強と経験、頭と腕
 生涯を通じて不断の研鑚と実践の積み重ね
一、和魂洋才
 世界の知識を集め、日本人の優れた智能と根性で勝ち抜く
一、人間幸福への三つの健康
 体の健康と、精神の健康、そして経済の健康とロマンを
一、牛乳は土から搾れ
 酪農は地力が生命、牛乳も土から生まれた貴重品
一、名牛は経営の上に咲いた花
 よい草、よい管理、よい家庭であってこそ、名牛は生まれる
一、眺めて楽しめる酪農でありたい
 作物も家畜も農場も丹精を込めて、生活すべての総合芸術化
一、酪農は民族繁栄の偉業
 不毛の国土を開発して沃土と化し、無限の価値を創造する生命産業である

写真=福屋茂見氏直筆の「私の酪農心訓」(北海道酪農協会所蔵)

洗わずにはいられない

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釧路管内M牧場は、バルク室/事務所の入り口前にある「靴洗い・消毒」場で、
訪問者が、靴の汚れ具合によって、「水道ホース&ブラシ」もしくは「踏み込み水洗槽」を選べるようにしています。
まず、どちらかで靴を水で洗って、それから消毒(踏み込み消毒槽)です。

「牛舎、バルク室、事務所は、いつも清潔に!」を方針の一つとしているM牧場。
奥さん手作りの、この「おねがい」ボードを見たら、獣医さん、授精師さんはじめ、
誰もが、靴をきれいに水洗してから消毒して、それから入室します。

工夫された哺育牛舎

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宗谷管内・豊富町大規模草地育成牧場は、4日齢からの哺育牛を受け入れています。 集荷された子牛達は、まず、個別飼養する受入調整牛舎に入ります。

その受入調整牛舎にはカーフハッチが、間口をずらして並べられています。 これは子牛同士の、吸い合いを防ぐためです。

また、子牛が冷えないように、ハッチは牛床マットの上に起かれ、 そして清潔な敷料がたっぷり入っています。

詳しくは、Dairy Japan 7月号「ルポ特集/子牛を元気に育てる。わが農場の流儀」で

対象牛を簡単に確保できるキャッチ・ゲート

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6カ月齢からの育成牛はもちろん、4年前からは、
4日齢からの哺育牛も受け入れている豊富町大規模草地育成牧場。
きめ細かな飼養管理により、元気で、良い牛に育つことで評判です。

火曜と金曜は診察日で、気になる子牛がいたら、獣医さんに診てもらいます。
そのとき重宝するのが、180度回転する二つのキャッチ・ゲート。

このキャッチ・ゲートがあれば、対象牛を優しく、簡単に確保できます。
同牧場では、このキャッチ・ゲートは、すべての牧区に設置されています。

もっと詳しくは、来週発売のDairy Japan 7月号で。