今週発売のDairy Japan 8月号の特集は「牛と人との良好な関係を築くポイント」です。
取材させていただいた北海道恵庭市・福屋牧場の基本方針で、創設者の福屋茂見氏が説いた「私の酪農心訓」を抜粋しましたが、その本編は、以下の10カ条から成るものです。
どの項も、いつの時代の酪農にも当てはまるもので、不変の原則ですね。
一、大自然は無字の教典なり
自然の理法に順応した農法は必ず繁栄する
一、愛あるところ万物育つ
人を、土を、作物を、家畜を愛し育てる者の苦労とよろこび
一、感謝を忘れず努力の達人たれ
天地、先人の恩を忘れず、努力を重ねて人は誰でも達人たりうる
一、勉強と経験、頭と腕
生涯を通じて不断の研鑚と実践の積み重ね
一、和魂洋才
世界の知識を集め、日本人の優れた智能と根性で勝ち抜く
一、人間幸福への三つの健康
体の健康と、精神の健康、そして経済の健康とロマンを
一、牛乳は土から搾れ
酪農は地力が生命、牛乳も土から生まれた貴重品
一、名牛は経営の上に咲いた花
よい草、よい管理、よい家庭であってこそ、名牛は生まれる
一、眺めて楽しめる酪農でありたい
作物も家畜も農場も丹精を込めて、生活すべての総合芸術化
一、酪農は民族繁栄の偉業
不毛の国土を開発して沃土と化し、無限の価値を創造する生命産業である
写真=福屋茂見氏直筆の「私の酪農心訓」(北海道酪農協会所蔵)