後期胚死滅を超音波画像で早期診断 フロンティアインターナショナル

2017 年 8 月 30 日

Filed under: — djito @ 9:05 PM セミナー報告

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株式会社フロンティアインターナショナルは8月30日、札幌市で「Dr. ニエンミの超音波画像診断セミナー」を開催し、乳牛の繁殖検診などに関わる獣医師らが参加した。
(8月28日は福岡市、9月1日は日本大学藤沢キャンパスでも開催)
講師のジョヴァンニ・ニエンミ氏はイタリアで繁殖を専門とする獣医師で、牛の超音波画像診断では世界的なエキスパートとして知られる。
通訳は繁殖の専門家で知られる大澤健司教授(宮崎大学農学部獣医学科)が務めた。

●胚死滅はすべての農場で起こっている
受精が成立したら98%は受精卵(妊娠)となるが、その後、平均60%の妊娠がダメになる。
妊娠失敗の原因は流産(妊娠42日以降に起こる)が知られるが、それは氷山の一角にすぎず、ほとんどが胚死滅によるものである。妊娠5~25日に起こるものを早期胚死滅、26~42日に起こるものを後期胚死滅と呼ぶ。
胚死滅は、すべての農場で起こっている。妊娠28~42日で平均11%、42~56日で平均6%の胚死滅が起こっているというデータがある。

●超音波画像診断で早く・安く・正確に
胚死滅を抑えるには、ヒートストレス対策、ワクチンプログラムの実施などがあげられるが、早期に診断(摘発)することが非常に重要である。つまり、妊娠・非妊娠の診断を早く、安く、正確に実施すること。それを可能とするのが超音波画像診断である。なお、早くと言っても授精後28日からが安全で、25日前は危険である。
超音波画像で後期胚死滅を診断するには、黄体、液体貯留、胚の様子を画面で診る。それにより、妊娠、双子、後期胚死滅、不受胎がわかり、いち早くその対応が可能になる。

その後、セミナーでは、超音波画像による胎子の性判別方法、潜在性子宮内膜炎の診断方法などが詳しく解説された。
なお、ニエンミ獣医師の顧客酪農家のすべてが超音波画像による胎子の性判別を希望し、そのメリットを享受しているという。

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