国内酪農なくして事業成長なし—-雪印メグミルク株主総会
2017 年 6 月 28 日
雪印メグミルクは6月28日、札幌市で第8回定時株主総会を開催した。
監査・事業・財務報告、これからの事業の取り組みが説明された後、取締役選任などの審議事項は議案どおり承認・可決された。
総会後の会見で、現在進行中の日欧(EU)EPA交渉においてチーズ一部品目の関税下げが検討されている件について西尾啓治社長は、「仮にTPP以上の市場開放があれば国内酪農に対する影響は非常に大きい。現在好調な国産チーズ需要の拡大に水を差すことなく、再生産可能な関税措置が維持されることが必要だ」と語った。
また、先に成立した改正畜産経営安定法(畜安法)について西尾社長は、「長年、指定団体による一元集荷・多元販売のもとで需給調整および価格形成が安定的に行なわれてきた。指定団体以外の生乳流通が広がることで、それらが確保できるのかを懸念している」と述べた。
さらに、国内酪農生産への期待について小板橋正人常務は、「畜産クラスター事業や楽酪事業など国の対策に加えて、現場での後継牛確保や自給飼料拡大などの取り組みが結果として現れることを期待している。乳業サイドとしても増産へのメッセージを込め、Jミルクで酪農乳業産業基盤強化特別対策事業(年間5億円×3カ年、計15億円)を立ち上げ拠出している。国内酪農なくして事業の成長はないことから、生産基盤回復・強化による増産を強く望んでいる」と語った。
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