分娩を監視して、初乳・哺乳を増量したら子牛事故率が激減――十勝子牛研究会
2017 年 6 月 13 日
十勝子牛研究会(会長=石井三都夫氏/石井獣医サポートサービス)は6月12日、帯広畜産大学で総会および勉強会を開催した。
勉強会では、まず藤居浩俊氏(十勝NOSAI上士幌家畜診療所)が「海外研修報告(ミシガン州立大学)–子牛の管理について–」と題して、米国同州の大規模牧場における、出生前後の母牛の管理、哺乳期の管理、離乳から育成期の管理などを報告した。
乾乳牛舎は過密厳禁・ストレス軽減に細心の注意を払っていること、カーフハッチの中は乾燥していて清潔であること、哺乳は1ガロン(約4リットル)2回/日であること、ワクチネーションが積極的に行なわれていることなどを、写真を豊富に交えて報告した。
次に板屋越あかね氏(十勝農協連)が「十勝管内における子牛事故対策プロジェクトの取り組みについて」と題して、一昨年から開始した取り組みの内容と結果を報告した。
同プロジェクトの内容は、15牧場を対象とし、分娩状況の調査、死亡子牛の死因の推定、定期的な巡回、ベンチマーキング(各牧場の事故率データを公開して自分の成績位置を知る)などを行ない、分娩監視作業や哺乳量の重要性などを知ってもらい、子牛死亡事故を減らすもの。
分娩介助が早すぎると初産では事故率が約20%と高いこと(介助の推奨タイミングは、足が出てから初産は2時間、経産は1時間)、監視がある場合は自然分娩では事故率が0%(監視なしは4%)、介助分娩では約8%(監視なしは約15%)と低いこと、初乳を増量したら事故率が約13%から約2%に、哺乳を増量したら約11%から6%に減少したことなどを報告した。
TrackBack URL :
Comments (0)