求められるのは中型サイズ牛 牛づくりの会

2016 年 4 月 20 日

Filed under: — djito @ 8:07 AM セミナー報告

牛づくり

「牛づくりの会」(代表=三好孝行氏/富良野市・酪農家、事務局=家畜改良センター十勝牧場)は4月19日、札幌市内で研修会を開催した。
酪農家はじめ乳牛改良関係者ら約50人が参加した。

基調講演として、まず、ジェネティクス北海道の伊藤克美氏が『海外の乳牛改良状況』と題して、北米の乳牛改良の状況を、ゲノミック評価の近況を交えながら紹介。
北米の乳牛改良は今や能力・体型だけでなく、管理形質の重みづけが高まっていて、なかでも飼料効率がキーワードの一つとなっている。
そのため中型サイズの乳牛が求められている。
大型よりも中型のほうが飼料効率が高く、長命で、かつ管理しやすいからである。
ちなみに中型サイズとは、初産牛では体重525-565kg・体高13-145cm、成牛では体重635-725kg・体高140-150cm。
また、新たな評価指数として、健康形質(耐病性)に重みを置いた『デーリィ・ウェルネス・プロフィット・インデックス』が研究開発され、すでに活用されている。
これは、乳房炎、跛行(蹄病)、子宮炎、胎盤停滞、第四胃変位、ケトーシスへの罹患率をゲノミック評価したもの。
さらに、新たな遺伝病として、致死遺伝子である『HCD(コレステロール欠乏症)』が昨年に発見され、それはモーリン ストーム系に保因されているという。

続いて、家畜改良センターの佐分淳一氏が『遺伝的能力評価をめぐる情勢』と題して、わが国の乳牛遺伝能力評価の現状、総合指数(NTP)のねらい、日本と海外諸国とでの選抜指数の内容の違い、ゲノミック評価への対応と現状などについて紹介した。

その後、全体討論が行なわれ、「日本もゲノミック評価をより積極的に進めて世界一の乳牛遺伝資源を持つ国になるという気構えで取り組んでほしい」「NTPの重みづけに酪農家の意向が反映されていないことが輸入精液の利用を高めているのではないか」「耐病性のゲノム評価は酪農生産現場では非常に価値があるのでNOSAIと一緒に取り組んでほしい」など多くの意見が出された。

コメントはまだありません »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

Copyright (C) 2005 Dairy Japan Corporation. All Rights Reserved.