搾乳時間を短縮すると出荷乳量が増える コーンズ・エージーが乳房炎セミナー
2015 年 5 月 12 日
(株)コーンズ・エージーはフューチャーカウジャパン(株)およびアルファテクノロジー社(米国)と共催で、北海道と栃木県で「新技術を利用した乳房炎管理セミナー」を開催中。12日の帯広会場を取材した。
講師は「ザ・乳房ドクター」として著名なアンドリュー・ジョンソン博士(米国/獣医師)。
同博士は「どの牧場も、その大小にかかわらず、体細胞数20万未満のバルク乳を生産することができる。要は、取り組みの姿勢だ」と前置きし、乳房炎の三大原因(乳房炎トライアングル)である牛・搾乳機器・人における最新知見と事例を紹介した。
●まず肢の汚れを見よ!
「牛に耳を傾けよ! 牛達は常に真実を語っている」というのが同博士の哲学の一つ。
そこで、まず牛の肢に注目して、牛の肢が汚れていたら清潔環境に問題があり、乳房炎感染リスクが高いと認識することが重要だとした。
糞が落ちているストール数を5%以下にすべきであると目標を示した。
ポリパイプ製のブリスケットロケーター(ボード)は牛にとって心地良く、前後・高さの位置調節が可能であり、お勧めであるとのこと。
●搾乳時間は短いほど良い
搾乳時間は短いほど良く、搾乳時間を早めるための要因として、適切な乳頭刺激、過搾乳しないことをあげた。
ちなみに同博士の顧客牧場では、乳流量1.1kg/分になったら1秒後に自動離脱するように設定している。
そうすることで、日乳量41kgの牛群での1回当たりの搾乳時間は3.8?4.3分になったとのこと。
残乳は4分房合わせて500ml未満であれば問題ない。
●ユニット装着は90~180秒後に
最新の研究よって大きく変更された搾乳手順として、前搾りからユニット装着までのラグタイムは90~180秒であることを詳しく解説。
そうすることで搾乳時間が早まり、出荷乳量が増えることを示した。
さらに、搾乳手順の一貫性を向上させ、優れた成果をもたらす新アイテムとして、乳頭洗浄システムの「ティートスクラバー」を紹介。
プレディッピングや乾燥の必要がなく、作業負担を軽減し、好結果をもたらすことなどを特長としてあげた。
また、フューチャーカウの「ティートスクラバー」と競合品の違いを指摘し、あらゆる点でフューチャーカウシステムに軍配が上がるとした。
※詳報はDairy Japan 7月号で。
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