西川賞に栗栖津名樹さん(北海道)、梶原隆幹さん(福岡県)
2013 年 2 月 14 日
一般社団法人 日本家畜人工授精師協会は2月14日、都内で第41回家畜人工授精優良発表全国大会を開催した。大会テーマは「牛の繁殖成績を向上させよう!」で、全国の家畜授精師・獣医師ら10名が研究成果を発表した。最優秀賞である西川賞には、北海道・道東あさひ農協の栗栖津名樹さん、福岡県・ふくおか県酪農協の梶原隆幹さんが選ばれた。
栗栖さんは「FAC活動―根室管内における乳牛の繁殖改善活動について―」を発表し、農協と普及センターなどが一体となって地域の酪農家の繁殖成績改善方策を検討・指導した結果などを講演した。発表では、「乾乳から分娩にかけて適正なボディコンディションにすることで、分娩後の喰い込みがよく、乳蛋白質率も高く、受胎しやすくなる」と説明し、一方で分娩前に過肥の乳牛は「分娩後1カ月目の乳脂率が高いことから体細胞動因が行なわれていると考えられた」とし、分娩前後に疾病が少なくスムーズに移行した牛は受胎の確率が高いとまとめた。
梶原さんは「雌判別精液を活用した人工授精への取り組み」を発表した。発表で梶原さんは「優良経産牛の後継牛確保のためにも雌判別精液を利用しない手はない」とし、そのために「深部注入カテーテルなどの利用も含めて経産牛での受胎率向上が課題になる」説明した。深部注入カテーテルを用いた人工授精は、性選別精液の経産牛への授精で受胎率を上げることが期待できる技術で、通常の人工授精よりも、より深い子宮角深部に精液を注入できるメリットがある。実際に梶原さんらの実証でも同授精技術を用いることで、経産牛の性選別精液受精時の受胎率は47%と高いものとなった。
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