「分娩・子牛・哺乳育成期」をテーマにセミナー開催 :家畜改良センター岩手牧場
2012 年 11 月 13 日
独立行政法人家畜改良センター岩手牧場(盛岡市)は、13日、平成24年度飼養管理セミナーを開き、酪農家、農協関係者などが参加した。テーマは「分娩から育成期までの飼養管理」。
午前は、北海道・根釧農業試験場の大坂郁夫研究主幹が「初産分娩月齢の短縮と初産乳量を高めるための哺育育成期の飼養管理」を講演。管理の基本は衛生、施設、馴致、観察と記録にあり、初産分娩月齢を短縮するためには育成前期とりわけ3カ月齢までの管理、初産乳量を向上させるには育成後期の管理が大切とし、ステージごとの目標値をあげて解説した。そのうえで、寒冷期における哺乳子牛の飼養管理法を研究中などと述べた。
午後は、帯広畜産大学予防獣医学分野の石井三都夫准教授が「新生子牛のための分娩管理」を報告。北海道における分娩事故率のデータを示したうえで、子牛の分娩時の留意点を1:寝起きしやすい環境、2:早すぎる授精を避ける、3:分娩時の母牛の体格を大きくする、4:子牛の体重を大きくしない(種雄牛の選択、安全な分娩誘起措置など)、5:分娩監視・自然分娩を心がけ早すぎる助産をしない、6:リッキング(母牛が子牛を舐める)させ、良質な初乳を早めに十分飲ませる、などと解説した。
参加者からは「子牛の下痢」、「適切なスターターの成分組成」、「胎子死」、「逆子の助産」、「分娩予定日を過ぎた牛への対応」、「自発的に初乳を飲まない場合は?」などの質問が出た。(文責:関東支局)
関連書籍
電子書籍「分娩事故を防ぐためのポイント」石井三都夫著:Dairy Japan社
http://www.dairyjapan.com
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