緊急シンポジウム「放射線物質の食品への影響」、開く

2011 年 4 月 18 日

Filed under: — admin @ 8:04 PM セミナー報告

農研機構・食品総合研究所は、18日、茨城県つくば市内で、
緊急シンポジウム:放射線物質の食品影響と今後の対応、を開いた。
参加者は約1000名。
同研究所の林所長は、同シンポジウムの趣旨を、
「食の研究は、物理学とは正反対の研究で進んできたが、
安全・安心などに対する科学的な知識が不可欠」と挨拶した。

講演では、「放射線の基礎知識を学ぶ」として、
小林康彦氏(日本原子力研究開発機構)が、
1:放射線・放射能は自然界にあり(牛乳中にも自然放射能がある)、
2:簡単に検出でき、菌ではないので感染せず、
3:安全かどうかは放射線物質の量(細胞が傷付く度合い)に拠り、
4:冷戦時代の核実験時代を私達は経験している、
5:最も深刻な影響は、社会経済的な影響や不安ストレスである
など、と解説した。

また「食品を通じた放射線の健康影響」と題し、
滝澤行雄氏(秋田大学名誉教授)は、
1:暫定基準の策定は、国際的な機関の勧告を基にしており、
2:日本はECなどに比べ、非常に厳しい規制値となっている、
3:汚染の低減方法として、活性炭とゼオライトの利用(水)や
4:土壌改良により作物への移行係数率の低下が可能で、
5:牛乳の場合、放射能の多くが脱脂乳に移り、バターへの移行は1から4%(原子力環境整備センター、1994)
6:食品安全委員会の緊急とりまとめの数字は、かなり安全側に立っている、
と解説した。

シンポジウムでは、上記の2演者の他、
堀口逸子氏(順天堂大学医学部)をコーディネーターに、
川本伸一氏(食品総合研究所)、等々力節子氏(同)が、会場からの質疑に答えた。(文責:DJ関東)

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