世界の潮流となったアニマルウエルフェア(家畜の快適性への配慮)

2011 年 1 月 24 日

Filed under: — admin @ 6:47 PM セミナー報告

1月24日(月)、畜産技術協会と農水省関東農政局は、栃木県内で
家畜生産性向上技術研修会を開いた。参加者は約100名。

これは、畜産物の貿易とアニマルウエルフェアの関係が、
大きなウエイトを占めてきたことに鑑み、開かれたもの。

日本では、アニマルウエルフェアを「快適性に配慮した家畜の飼養管理」と定義し、
乳用牛では昨年3月に、同技術会議が管理指針を作成、現在、その普及中。

研修会では、
「多くの生産者は家畜を大事に飼って来た。今回の指針の普及により、
さらに家畜の快適性に配慮していただくことを期待している」
という農水省畜産部畜産振興課の黒崎和美氏の講演で始まり、

信州大学農学部の竹田謙一准教授は
「米国から提案されたカウコンフォートと、欧州からのアニマルウエルフェアは、
管理者に求めているものは同じだが、世界の共通語は後者だ」としたうえで、
海外での家畜管理指針の実践などを紹介し、
世界的な潮流の中で、日本は遅れをとっている、と指摘した。

北海道根釧農業試験場の堂腰顕・研究主任は、
畜舎環境とくに牛床と牛の居住性における調査結果から、
1:牛床への横臥率は目標80%以上(給飼後2時間)
2:斜めに横臥する牛の割合は目標10%未満
3:飛節スコア(腫れや傷がほぼない)は目標20%未満
などとし、
そのためには
1:牧草地のような牛床、2:床資材の柔らかさ、3:牛床前方の空間の確保
が大事、と締めくくった。

なお、研修会では「口蹄疫の防止と侵入防止対策」(動物衛生研究所)について
詳細な説明も行われた。(文責:DJ関東)

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