生産者組織改革と有効な政策提言を
2010 年 3 月 31 日
中央酪農会議は3月30日、酪農基本問題委員会を開催し、「わが国酪農の中長期的課題と生産者組織の役割」の報告をまとめた。翌31日、中央酪農会議・茂木守会長に報告した。
※「わが国酪農の中長期的課題と生産者組織の役割」の全文はこちらでご覧いただけます。
報告は、
1.日本酪農のあるべき姿と本検討の基本的視点
2.生乳の価格形成
3.生乳の需給調整
4.生乳の需要拡大
5.酪農経営の支援
6.政策形成への関与
の6つのテーマからなり、それぞれ現状、課題、今後取り組みをあげている。
このなかで、わが国酪農の現状を、「生産基盤は明らかな縮小傾向にある」と分析。とくに都府県で顕著だとしている。加えて、「『国際競争力』の強化に専念すればするほど、酪農家戸数の減少と酪農産地の崩壊とが併進し、ひいては『国際競争力』強化の到達点であるはずの『国内自給率の向上』という目標そのものが後退しかねないというジレンマに陥っている」と記している。
こうした現状に対し、日本酪農の果たすべき姿は、「牛乳乳製品の自給質向上を実現する持続可能な酪農経営」「さまざまな経営条件を生かした多様な酪農経営」「地域社会における酪農経営の優れた機能の維持・発展」「酪農の持つ公益的機能の育成・支援」にあるとし、生産者組織は「生乳の販売先である乳業者の取引上のポジションを高め、より有利な取引条件を獲得するとともに、需給不均衡や乳価定価などが生じた場合には、生乳出荷を計画的に調整したり、取引先や仕向け用途を変更したりするなどして、生乳を可能なかぎり有利に販売すること」が求められるとした。また、生産者組織がわが国酪農の発展に寄与するためには、「組織規模の最適化」「機能の強化」「事業の改善」が急務だと提言している。
報告には生産者組織の改編に関係する事項として、「指定団体の地理的な範囲の見直し」「生乳輸送の指定団体間の共同事業化」などの検討を進めることも明記された。さらに、「農協乳業の再編整備の推進」「コントラクター・TMRセンターへの支援」「酪農経営の人的マネジメントの支援」なども検討事項に盛り込まれた。
同報告につきましては、Dairy Japan2010年6月号で詳しく解説します。
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Comments (1)
なかなか今まで 中長期の見通しや その具体策が いまいちでしたが。
分析
需給構造の変化や国際化など多々挙げていますが、歪んだ生産構造の原因にもう少しメスを入れ 酪農現場の声も生かしてほしいです。
現状
CA輸入の呪縛から抜け出せる見通しが必要では…
各国共通で その農業政策に悩んでいる
見通し
2100年後には国内人口予想を6000万の数値あり
酪農畜産農家数に置き換えると 現在の10/1との予測も在り
この予測で 耐えるのか 疑問が多すぎます
酪農家の未来よりも 関わる関係諸団体の見通しについての所見では
正直 そんな感想ですが
別の機会に 詳しく公表したいと思います
コメント by DAIRY北海道22 事務局 石垣 — 2010 年 4 月 2 日 @ 12:00 AM