酪農版戸別所得補償制度については、もっと基本的な議論が必要

2010 年 3 月 25 日

Filed under: — djito @ 10:24 AM セミナー報告

(社)北海道酪農協会(会長/金川幹司氏)は24日、札幌市内で「酪農の新たな所得政策の考え方」と題したシンポジウムを開催し、全道から酪農家および関係者が参加した。
倉重泰彦氏(農水省・畜産部・牛乳乳製品課長)と前田浩史氏(中央酪農会議・事務局長)が講師として招かれ、活発な意見交換も行われた。

前田氏は「酪農政策の基本視点とは何か?」と題し、
・いま日本の酪農はどこまで来たのか、
・酪農版戸別所得補償制度の正しい議論の仕方、
・国民にとって「望まれる日本酪農の姿」を考えよう、
・他の農業と区分されるべき酪農の特徴とは何か、
・既存の酪農政策は、どのように機能し、何が課題なのか、
の5点について述べた。

酪農版戸別所得補償制度の正しい議論の仕方では、瑣末(さまつ)な技術論に陥ることなく基本的な議論が必要ではないか、と問題提起した。
その基本的な議論として、
・納税者・消費者は、どのような日本酪農に価値を認めるのか、
・どのような政策パッケージによって、市場と経営の安定が実現するのか、
・政策コストを小さくするためには、どのような政策運営が必要か、
・酪農が自立性の高い産業となるためには、政策はどのように関与すべきか、
などがあると述べた。

さらに現行の計画生産のあり方にも触れ、「酪農経営形態が多様化した今、一律の計画生産がいつまでできるかという問題がある。多様化した経営に整合する計画生産の仕組みを導入する時期に近づいている」と述べた。

=倉重氏の講演内容は、前のDJニュースをご覧ください。

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